FC2ブログ

プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

東フィル定期公演バッティストーニ指揮「ザ・グレート」他

 久々の東京フィルハーモニー定期公演。いつもながら、満席です。今日のプログラムは、ロッシーニのオペラ序曲を3曲と、シューベルトの交響曲「ザ・グレート」。

 ロッシーニの序曲は聴き応えのあるものでした。ただ、ロッシーニは、もっと軽やかに聴きたいというのが本音。バッティは、いつもながら、音の強弱、緩急にメリハリを付けて、どちらかというと派手に鳴らしてくるのですが、なんだかちょっと粘っこくて、ヴェルディのように聞こえてしまいました。実際この指揮者はヴェルディとかロシアもののほうが良いですね。一年に何回も彼の指揮を聴いていると、やや一本調子なのが気になってきます。今の振り方だと、モーツァルトなどはまだ厳しいかなぁという気がします。

 それに比べて、シューベルトのザ・グレートは、軽快でいい感じでした。第1,第2楽章は、バッティにしては押さえた感じでしたが、第4楽章はバッティ節炸裂!特にトロンボーンが力強かったです。あまり聴くことのない、この交響曲を充分楽しみました。いつものように、アンコールは無し。繰り返しも無し。交響曲の後にアンコールが付くのが好きで無い僕には、とても良い終わりかたでした。

ロッシーニ/歌劇『アルジェのイタリア女』序曲
ロッシーニ/歌劇『チェネレントラ』序曲
ロッシーニ/歌劇『セビリアの理髪師』序曲
シューベルト/交響曲第8番『ザ・グレート』
スポンサーサイト

NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

 11月8日、NHK音楽祭の第三プログラムは、ハンブルグから、北ドイツ放送交響楽団が改名してNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団になってNHKホールにやってきました。今回のNHK音楽祭は、「新時代を切りひらくシェフたち」と銘打って、サイモン・ラトル、パーヴォ・ヤルヴィ、アラン・ギルバート、グスターボ・ドゥダメルというそうそうたる指揮者をそろえています。ドゥダメル&LAフィルハーモニック以外の3公演のチケットを取っていたのですが、10月1日のヤルヴィ&N響のカルミナ・ブラーナは、出張がはいってしまい、行けませんでした。残念。。ちなみに、この出張、ロンドンだったので、パッパーノ指揮のワルキューレをROHでやっているのを聴きに行く画策をしていたのですが、仕事が忙しくてダメ。何も聴けませんでした。海外に行ってオペラもコンサートも聴けないのは、10年ぶり以上。フライトのチケットを無駄にしているような気になります。

 さて、この日のプログラムの最初、ローエングリンの前奏曲。実に繊細で美しい。モンサルヴァート城の聖杯をイメージさせる旋律がピアニシモで演奏されると、うっとりとしてしまいます。この前奏曲は独立して演奏されることも多いのですが、困るのは、このように素晴らしい演奏をされると、続いてオペラ全体を聴きたくなってしまうことです。

 続いてはラヴェルのピアノ協奏曲、元々予定されていた、ピアニストのエレーヌ・グリモーが肩の故障で、アンナ・ヴィニツカヤに代わりました。彼女は2007年のエリザベート音楽祭で優勝しているので、まだ新進気鋭と言えるでしょう。芯がありながら、軽やかなタッチ、ややアンバランスに曲を少し崩して、表情をつけるところが新鮮です。ラヴェルが印象派でも水彩画のように捉えられています。ただ、このピアノだけでなく、全体に言えるのですが、NHKホールの音響が悪く、ピアノの音が3階まで届いていないような感じがありました。7月に東フィルでロレンツォ・ヴィオッティの指揮、小山実稚恵のピアノで、同じ演目を聴きましたが、こちらは、ちょっと重めのラヴェルで、ジャズっぽく、キュビズムのようでした。

 そして、ブラームスの交響曲第4番、NDRの十八番とも言える演目だそうですが、真面目に音楽に向き合っているという印象。第3楽章、第4楽章と盛り上がり、弦の音に深みがあって、実に素晴らしい。ブラームスは僕はとくに好きというわけではないのですが、このように「良いブラームス」は心に染みます。

さて、来週はバッティストーニウィークです。東フィルの定期公演でロッシーニと、そのあとは、アリーゴ・ボイトのオペラ「メフィストフェレ」….楽しみです。

今日の公演内容

ワーグナー/歌劇「ローエングリン」から 第1幕への前奏曲
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調 作品83
ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 作品98

アンコール:
ピアノソロ 
ドビュッシー:前奏曲集第一巻から 「亜麻色の髪の乙女」「ミンストレル」

オーケストラ
ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番
成田為三(編曲 S・ガンドット):浜辺の歌

<演奏>
指揮:アラン・ギルバート
ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ

管弦楽:NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

東フィルフレンチプログラム

しばらく、ブログをアップしていませんでした。その間に樫本大進のリサイタルとミュージカル”エヴィータ”に行って来たのですが、サボってしまいました。

それで、7月18日の東フィル定期公演にオペラシティまで行って来ました。ラヴェルとドビュッシー。なんか夏の夜に聞くには良いです。だいたい、僕は印象派好きだし。。。

この日のお目当ては、何と言っても東フィルを初めて指揮するスイスイタリアンの27歳のイケメン、ロレンツォ・ヴィオッティ!なかなか良かったですよ。バッティストーニの下の世代になりますね。最初のラヴェルの「道化師の朝の歌」スタッカートが強めで、もともとエネルギーに溢れたこの曲を更に持ち上げていました。ただ、ラヴェルの持つキラキラ感はやや弱く、水彩画というよりは油絵の印象。少しねっとりとした重みを感じます。ただ、それが曲にコアな部分を与えていて、単に耳障りの良いラヴェルではなく、聴衆に向かい合うことを求めるラヴェルに仕立ててくれています。

そして続くのは、ラヴェルの珍しい協奏曲。ピアノは小山実稚恵。同じラヴェルでも、道化師から20年以上経って作曲されたこの曲は、キュビズムのような感じ。ガーシュインを思わせるところもあり、ちょっとジャズっぽい。ヴィオッティは小山のバックで美しくキャンバスを彩っていましたが、ピアノの音色はラヴェルにはやや重い感じか..... ピアノソロのアンコールはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。美しく叙情的なこの演目のほうが小山のピアノがぴったりでした。

後半は、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と交響詩「海」。後者は、生で聴くのは初めて。牧神のほうは、ちょっと安全運転という感じで、曲の色が弱くしか感じられませんでした。それでも、オケを立体的に塊感のある音にまとめていたので、気持ち良く聴けました。「海」は実に良かった。道化師同様に、エネルギーをフルに注入した結果、波や風が頬をなぜるような迫真感がありました。

東フィルも、また若くて良い指揮者を連れて来ましたね!

指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

ラヴェル/道化師の朝の歌
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
ドビュッシー/牧神の午後ヘの前奏曲
ドビュッシー/交響詩 『海』(管弦楽のための交響的素描)

東フィル定期公演、バッティと小曽根

 しばらく前の公演の感想です。

これは、おもしろい試み(と言ってはいけないのかもしれないですが)でした。1960年代にベルリンで「三羽がらす」と呼ばれていたピアニストは、マルティン・タウプマン、イエルク・デームス、フリードリッヒ・グルダですが、そのグルダが作曲した、意欲的な作品「コンチェルト・フォー・マイセルフ」に小曽根真がピアノで入り、彼の仲間のエレキベースとドラムが加わり、東フィルをバッティが振るというものでした。コンテンポラリーな音楽か、と思ったら、なんと印象派、いや、むしろロマン派に近い、美しいメロディを持った作品。しかし、時にはピアノ線を直接たたいて不協和音を出すというようなところもあって、とてもおもしろかったです。ただ、初日ということで、ベースとドラムスがかなり緊張していて、楽譜から目が離せない状態で演奏していたのが、やや残念。ジャズっぽくもう少し爆発してほしかったですね。

東京フィルハーモニー交響楽団・第116回東京オペラシティ定期シリーズ
指揮:アンドレア・バッティストーニ

グルダ:コンチェルト・フォー・マイセルフ
 ピアノ:小曽根 真
 エレクトリック・ベース:ロバート・クビスジン
 ドラムス:クラレンス・ペン

ラフマニノフ:交響曲第二番

東フィル定期公演、シベリウスとグリーグ(ちょっと前の公演)

だいぶ前の公演なのですが、2月26日のオペラシティでの、東京フィルハーモニー定期公演、プレトニョフと牛田智大の競演について、やっと書きます。

指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:牛田智大*
シベリウス/交響詩『フィンランディア』
グリーグ/ピアノ協奏曲*
シベリウス/組曲『ペレアスとメリザンド』
シベリウス/交響曲第7番

 オールスカンジナビアプログラムですね。最初のフィンランディア、好きな曲なんですが、プレトニョフらしさがあまり出ていませんでした。なんか、ボワーっと鳴らしている感じ。曲の内面をえぐって音を出すということを期待していたのですが。。。。後の第7番がとても良かったので、ちょっと理解に苦しみました。フィンランディア、あまり練習しなかったのかなぁ。ペレアスとメリザンドはなかなか重い指揮でしたが、聴き応えありました。

 牛田智大、聴きやすいタッチのピアノを弾くという感じ。ただ、同じ若手のチョ・ソンジンの屈託の無い華やかさや、反田恭平の神経質とも思われるような技巧の繊細さに比べると、やや退屈な感じがしました。

 まあ、フィンランディアにしてもグリーグにしても、好みの問題が大きいとは思います。




FC2Ad