プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

追悼:若杉弘氏

新国立劇場のオペラ芸術監督、若杉弘氏が昨日亡くなられたとのこと。先日のシーズンエンディングパーティにも病気療養で欠席されていました。昨年のアイーダをグランドオープンに、若杉さんのオペラパレスがこれから育って行くところだったのに、残念です。哀悼。
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カルメン 佐渡裕 プロデュース

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ただ今カルメン観劇より帰還。な~んか満員電車で祭日(今日は海の日)のディズニーランドから帰って来たような疲れがあります。いや、オペラが非常に不出来というわけではないのですが、下記の要素がそのような感じを僕に与えたのだと思います。

1.文化会館の席が悪かった。3階R4-1は斜めに前の観客を縫って舞台を見ることになり、これで既に疲労。もうちょっと良い席取れば良かった。

2.ジャン=ルイ・マルティノーティの演出は、その意図は良くわかるのだが、とにかくただでさえ狭い文化会館の舞台の3/4くらいを、立派(すぎる)な舞台装置に使ってしまい、ステージは大勢の出演者が肩がぶつかるような混み具合。朝の田園都市線みたい。 おまけに蚊帳のような薄い幕を多用して背景を切り替えるので、見ていて疲れる。全体にミュージカルを意識していると言うことだが、まったく日生劇場のミュージカルに、規定の倍の出演者を詰め込んだみたいでした。狭い舞台をより狭く使うというのは、2月のトラヴィアータもそんな感じで、二期会の最近の方針?

3.佐渡裕の指揮、、、指揮、音楽については、あまり断定的なことを言えるほどカルメンを聴きこんでいるわけではないのですが、なんか今日の演奏はドンシャリスピーカー的にド派手すぎてやや聴いていて疲れました。しかも盛り上がるところではテンポがちょっと速すぎるのではないでしょうか? 3-4幕では、木管や合唱が遅れる場面が目立ちました。

ですが、歌手のほうはとても良かったのです。特に、佐野 成宏のドン・ホセは素晴らしい!ヴェルディ、プッチーニしか聴いた事無かったのですが、ビゼーの繊細な音楽性と、悩めるドン・ホセを素晴らしい声で表現していました。圧巻です。

カルメンにしてはやや可愛らしすぎる林美智子。かなりメイクで "カルメン”になっていましたし、演出もむしろ彼女の可愛さを出すようにしていたので、思ったより違和感はありませんでした。いつもとはちょっと違う声の出し方で凄みもあり、また媚びるような甘さも良くでていて、新しい林美智子を聴いたような気がします。ただ、演技もかなりハードなものを要求されていて、ステージ上を寝転びながら歌ったりして大変そうでした。4幕目で、衣裳がちょっと東洋風になりましたが、これは2月の「ダイドーとイニーアス」のダイドー役の時の衣裳みたいでした。6月の「チェネレントラ」のカサロヴァと、今日の林美智子と役を入れ替えたらどうかなぁ、、などと、ちょっと思ってしまいまいした。怖いシンデレラと、可愛いカルメンですから。。

ミカエラの安藤 赴美子も非常に良かったです。2月の「ラ・トラヴィアータ」のタイトルロールも素晴らしかったので、当然でしょう。出番が少なくてちょっと残念なくらい。

あと、演出は全体にグランドペラのレチタティーヴォ版よりも、オリジナルのオペラコミック版に近くしてあるとありましたが、長いフランス語のセリフを一番駆使する佐野 成宏さん、フランス語がちょっとは解る家内に言わせると素晴らしい発音だそうです。歌もセリフも良くて「ドン・ホセのカルメンね!」という感想。全く同感です。しかし、よくまあ覚えたなというくらい長いセリフばかりでした。

しかし、この長いセリフの後に、佐渡指揮のドカーンという音楽が来るのが(これも演出のようです)、やや疲れを増やしました。カルメンというとプルートルの若い頃のしかCDで持っていないので、あまりにも違うのでそう感じるのでしょうか? 個人的にはレチタティーヴォ版のほうが好きだなあ。

さて、これから9月のスカラ座来日までオペラ観劇の予定がありません。スカラ座はアイーダは取りましたが、ドン・カルロは抽選待ち。8月は、今のところ世界バレエのBプロしか取れていません。タマラ・ロホの白鳥の湖でグラン・フェッテ見たいのですが、切符はオークションではりこまないと取れそうにありませんね。

ボックスもののCDを色々と買ったので、8月はそれを聴くとします。その感想はまた次ぎのブログで。。




ドビュッシーとラヴェル

木曜日の夜、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の定期演奏会に行ってきました

パスカル・ヴェロ(Cond)
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ/組曲「マ・メール・ロワ」
・リャードフ:バーバ・ヤーガop.56
・ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」

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オーケストラのコンサートに行くのは3月のハーディング以来。この時もラヴェルの「ラ・ヴァルス」やりました。要するにラヴェル好きなのです。

全体としてはとても良かったと思います。金管、木管が小音量で入る曲が多く、ちょっとグラグラするところもありましたが、いつもCDで聞いている曲を生で聴くというのは、けっこう感激モノ。しかも、僕はドビュッシー、ラヴェルは、同時代の絵画のイメージととても密接に頭の中でくっついているのです。先日、ブリヂストン美術感の「マチスとその時代」で見た絵を思い出しながら、幸せに聴いていました。その展覧会にはなかったけれど、デュフィのオーケストラの絵に入り込んだようでした。




ハリー・ポッターと謎のプリンス

今週、封切りです。早々に見てきました。正直、つまらなかった。。今までのハリポタシリーズの中では一番退屈で、途中少々寝てしまいました。

まあ、原作にしても7作中一番おもしろくないので仕方ないところか。。炎のコブレットあたりは、一番おもしろい作品じゃないかと思いますが、そのあとの不死鳥の騎士団と、今回の謎のプリンスは、最終章を盛り上げるための、準備作という感じが強いですね。不死鳥ではそれでもポッターとヴォルデモートの直接対決があったけど、謎のプリンスにはそれも無く、要は山場がない。。。

夜テレビでやっていた「不死鳥の騎士団」を見たけど、こちらのほうがおもしろかったです。

最終章「死の秘宝」もすでに映画はほぼ完成しているとのこと、これは原作は非常におもしろいのだけど、回送シーンや夢のシーンがとても多いので、うまく映像化してもらいたいものです。

マティスの時代展ブリヂストン美術館

5月から京橋のブリヂストン美術館でやっていた、「マティスの時代―フランスの野生と洗練」展にようやく最終日2日前に行ってきました。ブリヂストン美術館に行くのは改装されてからはもちろん、多分20年ぶりくらい。。

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僕は学生の頃、本気で画廊に勤めようかと思ってヨーロッパの美術館を50くらいヒッピーのように廻りましたが、ニース郊外にあるマチスの家に行った時のことはとても良く覚えています。絵の中で何度も描かれている鎧戸が印象的でした。

2002年に英米仏を回遊して開かれた「ピカソとマチス展」、残念ながら日本には来なかったのですが、TATE美術感で見ることができました。それも2日間も。。とても良かったのです。学芸員の構成力というのに感心しました。

今回のブリヂストン美術館の展覧会も、マティスの時代の他の作家、ルオー、ブラック、ピカソ、ボナール、ドラン、ドンゲン、マルケなども見せていて良いものでした。が、やはりあまりに規模が小さかったです。たった3-4部屋の展示にはややがっかり。

でもマティス中期の「青い胴着の女」を見ただけでも行った甲斐がありましたし、大好きなデュフィの初期の作品があったり、なかなか楽しかったです。

ただ、他の部屋の所蔵品展の中に、セザンヌのサント・ヴィクトワール山が無かったのは残念でした。あの絵が好きで、山の見えるエクサンプロヴァンスの町外れまで行ったことがあるのです。

オペラ、バレエに行くことが多く、美術展に行くのは年に2-3回。もっと見に行くようにしようっと。

コッペリアとシーズンエンディングパーティ

”ローラン・プティのコッペリア”、タマラ・ロホのスワニルダ、ホセ・カレーニョのフランツで見てきました。今回席は最前列。ちょっと前過ぎかと思いましたが、表情が良く見えて非常に満足。

僕にとっては、この二人のペアは、現在考えられる最高のペア。2年前のドン・キホーテ以来、再見を楽しみにしていた優雅でのノーブルなカレーニョと、超絶技術のロホ........という感じでしたが、あにはからんや、今回タマラ・ロホって技術も凄いが、表現力がものすごい!!というのに遅まきながらやっと気付きました。スワニルダのはじけた感じ、いたずらな感じを体の動きと表情で素晴らしく表現。

彼女のパンフレットの公式写真などが、なんか固い表情なので、孤高のダンサーというようなイメージがありましたが、今回イメージ変わりました。友人達と、コッペリウスの屋敷に侵入するところなど、”キャワイイ!!” (こうなるとこちらも単なるミーハーの追っかけのレベル。ホントは楽屋出口で終演後でたどたどしいスペイン語を駆使してサインでもお願いしようと思いましたが、がまんしました。)

この”ローラン・プティのコッペリア、ピーター・ライト演出などに比べると、最後にコッペリアの人形が完全分解して終わるという、ちょっと残酷な演出ですが、もともとプティ自身が踊ったコッペリウスは、逆にボロボロのじいさんではなくて、色気たっぷりのお洒落おじさんで、人形との踊りと早変わりがみものです。

2007年にやはり新国立でルシア・ラッカラ、シリル・ピエールのペア見ていますが、アクロバチックでシルクドソレイユ的なラッカラは、コッペリアのふりをするシーンはなかなかなものでしたが、スワニルダとしてはロホの今回の表現力が勝っていたと思います。ピエールとカレーニョは、もはや比較するというレベルではなかったと思います。

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僕は、このコッペリアを作曲したレオ・ドリーブという作曲家が大好きですが、コッペリアの他には、バレエ音楽のシルヴィア、オペラのラクメ、カディスの女くらいしか名の残る作品がありませんが、チャイコフスキーをして感嘆せしめた人です。このコッペリアも曲が素晴らしいのですが、今回、指揮に今ひとつメリハリが無かったのと、金管の音がモソモソしていた感があったのが気になりました。ま、二人のダンサーの素晴らしさに比べればたいしたことではないですが。。

 さて、それから1週間、7月4日に新国立の2008-2009のシーズン・エンディングパーティがあったので行ってきました。毎年やっているそうなんですが、今回初めて参加。250名がホワイエに集まって、やや挨拶の長いパーティ。でも、新国立バレエ団のトーク(寺島姉妹、湯川麻美子、本島美和、小野絢子)もなかなかおもしろかったですし、何より研修所の歌手によるミニコンサートが良かったです。先日の「カルメル会修道女の対話」で光っていたソプラノの中村真紀、木村眞理子の二人は特に、これからが楽しみ。

 ちなみに、250人もいて、2時からのスタートで多分参加者ランチを取っていなかったにもかかわらず食事が残るくらい豪勢なビュッフェでした。これはとても好感持てました。

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 2008-2009シーズンの新国立は、オペラは結局8演目のうち6演目プラス研修所公演、バレエは4公演ほど行ったことになります。新国立の今回のパーティのようなイベントのやりかたにも誠意が感じられます。特に一昨年NBSのアポロン会員に一年間なっていて、その時には全くそういうものが感じられなかったので、比較してしまいますね。

 でもって、取り損ねていて焦りを感じていた、世界バレエフェスティバルのBプロのチケット、ヤフーオークションで大激戦の末に遂に2枚獲得しました。今年はBプロのほうが人気高いようで、元値より2割ほど高くつきました。Aプロは元値を割っているチケットもあったので、そうなるとこっちも取りたくなってしまう。

 今年は、年内のバレエのチケットはこの世界バレエのBプロしか取っていません。あとはオペラ主体です。来年のアタマまで、現状押さえているチケットは次の通り。10,11,12月がやや寂しいので、何か取りたいと思っています。本当はできれば12月か1月はMETに行きたいものだと思っています。僕の大好きなシモンボッカネグラを、ドミンゴがバリトンでやるそうですから。

2009.7.16 東京フィル、ドビュッシー、ラヴェル
2009.7.20 カルメン (佐渡裕&林美智子)
2009.8.10 世界バレエフェスティバルBプロ
2009.9.4   アイーダ(スカラ座/バレンボイム)
2009.9.16 ヴェルディプロ(スカラ座/ガッティ) NHKホール
2009.9.20 オテロ    新国立
2009.10.3 愛の妙薬 ジーリオショーワ
2009.11.23 ヴォツェック 新国立
2009.1.28 愛の妙薬   ドニゼッティ劇場、デジレ・ランカトーレ
2010.2.20 ジークフリート 新国立
2010.3.27 神々の黄昏 新国立






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