プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

神々の黄昏 at 新国立

2年に渡った第2回目のトーキョーリングもいよいよ最終の「神々の黄昏」。前回(2004?)の時に、「神々の黄昏」だけは見ていたので、何となく予習しなくても良い授業を受ける感じ。

今回はなんと言ってもブリュンヒルデ役のイレーネ・テオリンが圧巻でした。迫力ありますね。第3幕でみんながガヤガヤという感じで歌っているところに登場すると、ビシッとしまりました。ジークフリートのクリスティアン・フランツは第2夜の””ジークフリートに続いての登板。前回はやや不安定なところがありましたが、今回はなかなか良かったのではないでしょうか?

期待はずれだったのが、ハーゲンのダニエル・スメギ。つぶしたような声の割には凄みがなく、一本調子で浄瑠璃でも聞かせれている感じ。これは2004年の時の長谷川顕のほうがダントツに良かったです。何もこのレベルの人を海外から呼んでこなくても、、という気がしました。

ヴァルトラウテのカティア・リッティングも同様で、ブリュンヒルデを引き留めようという迫力がありません。これも藤村実保子の時が非常に良かったので、”落ち”具合が目立ちました。

反対にノルンは3人ともとても良かったと思います。ソプラノ、メゾというのはやや音が高いかなと思いましたが、そう感じさせませんでした。

「神々の黄昏」は4つのリングの中で最も長く、休憩入れて6時間15分。お尻が痛くなります。もっとも、同じ日にさいたま芸術劇場で行われていた「ヘンリー6世」は8時間10分!とのこと。アメリカ西海岸までのフライトタイムですね。
「神々の黄昏」の舞台は4つの編の中で最もシンプルですが、記号性が強く詩的なイメージを出していて好きです。2幕目の後半あたりからは、かなり感動です。ただ、当方トールキンの”ロード・オブ・ザ・リング”の大ファンでもあるので、指環をラインに戻すあたり、どうもイメージがダブってしまいます。

指揮のダン・エッティンガー、今日はすごい拍手が起きていましたが、ブーも入ってました。正直この演目、聞き込んでいるわけではないので、何とも言い難いのですが、歌のほうがブリュンヒルデを中心にそこそこまとまって締まっていたのに対し、金管を中心としたオーケストラが、なんかバラけるというか、ボワーとしているというか、締まらないような気がしました。ジークフリートの葬送行進曲の時は非常に盛り上がっていて、ここは締まっていたので良かったかな?

ところで、1幕目のジークフリートの家で、前回のリングの時はジークフリートがスーパーマンのTシャツを着ていましたが、今回はブリュンヒルデが着ていました。ただ、サイズがなかっただけか? それとも今回の方が、ブリュンヒルデが強いとか、6年の間にはTシャツは取っ替えひっ替え着るようになったとかいう、演出上のジョークがはいっていたのでしょうか?

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”ファルスタッフ”新国立研修所公演

新国立劇場オペラ研修所公演の「ファルスタッフ」を見てきました。ヴェルディ好きを自負しているのに、ファルスタッフはまだ見たことなかったのです。ヴェルディ最後の傑作なんだそうですが、滅多に公演されないです。

主なキャストは。。。

ファルスタッフ:町英和(第6期修了生)
フォード:駒田敏章(第11期生)
フェントン:糸賀修平(第10期生)
医師カイウス:セルジョ・ベルトッキ(賛助出演)
バルドルフォ:村上公太(第6期修了生)
ピストーラ:後藤春馬(第12期生)
フォード夫人アリーチェ:中村真紀(第10期生)

町は、なかなかの出来でした。中劇場ということもあったとは思いますが、声量も充分。そして、個人的に研修生として応援している中村真紀も良い出来でした。テノールの美しい声を持つ糸賀修平、ずいぶん良くなってきたとは思うのですが、それでも今ひとつ締まりがないというか、ダラダラと唄っている感じがします。これだけの美声を持っているので、将来に期待。

演出は現代演出でしたが、意図がわかりやすく良かったと思います。エンディングにドラムを持ち出してきて、ビートルズのサージェントペッパーズのアルバムの写真をもじっていたのが洒落ていると思いました。

いずれにしろ、この研修所公演は見に行ってがっかりしたことは一度も無し。やはりかなり練習をしているという感じがするのです。

満足な公演でした。

サカリ・オラモ指揮 ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

サカリ・オラモと言っても知らない方が多いと思うが、シベリウスを振らせたらかなりのフィンランド人指揮者で、ここ10年間はバーミンガム市交響楽団の主席指揮者を務めていた。

1965年生まれというからまだ45歳。

今日の曲目は次の通り

シベリウス交響詩「エン・サガ(伝説)」作品9、
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23、(ピアノ アリス=紗良・オット)
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95《新世界より》

実にソフトだが、色彩豊かな絵画的な指揮でとても気に入っています。今日はやらなかったけど、シベリウスの第2番などをやると、他の指揮者の時よりアンプのボリュームを上げなくてはいけないような、静かな入り方。

でも、表情がとても豊かなのです。

交響詩「エン・サガ」は初めて聴きましたが、幻想的で素敵な曲でした。

なんか北欧に行きたい気分になってきた。。

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