プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ドン・ジョヴァンニ at 新国立

先月、今回のカバー歌手の演奏会方式のリサイタルを聴いたし、ドン・ジョヴァンニも何回か見たし、と思い、チケットを取っていませんでした。ところが19日初日の評判があまりに良いので、急遽電話してチケット取りました。金曜日のソアレ、B席に2枚残っていました。なかなか良い席でした。

とにかく、タイトルロールのマリウシュ・クヴィエチェンが素晴らしい。出だしのレチタティーヴォから他の歌手と格が違います。今まで、ジル・カシュマイユのジョヴァンニが一番と思っていましたが、クヴィエチェンがトップになりました。名前がもう少し覚えやすいといいんですが。かならず噛みます。さすがにMETでジョヴァンニを歌っただけのことはある、という感じですね。

ドンナ・アンナのアガ・ミコライも、ゴージャスで素晴らしい声。エル・ヴィーラのニコラ・キャンベルが、とても清楚でちょっとおとなしめだったのですが、配役逆のほうが良かったのでは、と思いました。日本人では、いつもながらバスの妻屋さんの騎士長が素晴らしい。晩餐の場面、非常に充実していて感動しました。

ちょっと勘弁というのは、オッターヴィオのダニール・シュトーダ。ただ一人のテノールがこれほど不出来というか、もともとダメなんでしょうね、こんな歌手を招聘するなんてなぁ。カバーの鈴木准さんの方がよっぽど良いと思います。

とは言え、あまりのクヴィエチェンの良さで、登場すると耳が釘付け。2回聴きに行く方も多いようで、僕も明日の公演行きたいと考えてます。

こういう人が、新国立に年に1回とは言わないけど、2年に1回くらい来てくれるといいんだけどなぁ。

ところで余談ですが、今回、アトレ会員での前売りは間に合わなかったので、アメックスでチケットを直接取りました。そしたらドリンク券がついてきました。シャンパンも飲めるチケットです。車だったので、ジュースにしましたが、前日にチケット取って、こんなおまけが付いてくるのは、得した気分です。
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デジレ・ランカートレ、セルソ・アルベロ デュオリサイタル

久しぶりのデジレ・ランカートレに惹かれてチケット入手。2010年のドニゼッティ歌劇場の"
愛の妙薬”のアディーナ、その前は、2007年のマリボール劇場ラクメかな?

今回、感じたのは、聴くごとに声が熟成してきて、高音は良く伸びるように、そして何より中音が素晴らしく豊饒な響きになってきたということです。もう若きベルカントの歌手というより、ベルカントを極めつつあるという感じですね。1977年生まれということですからまだ35歳。これからが楽しみです。ラクメのタイトルロールを唄った時には、色々な評がありましたが、喉をつぶしてしまうのではないかという心配がありました。

ところが今回、この5年、自分の声をワインのように熟成させたなぁと思いました。コロラトゥーラもより美しくなりました。



ベッリーニ: 歌劇『カプレーティ家とモンテッキ家』より「おお、幾たびかあなたのために」
ドニゼッティ: 歌劇『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
ドニゼッティ: 歌劇『愛の妙薬』より「そよ風に聞けば」
グノー: 歌劇『ロメオとジュリエット』より「私は夢に生きたい」
マスネ: 歌劇『ウェルテル』より「春風よ、なぜ私を目覚めさすのか」
ドニゼッティ: 歌劇『連隊の娘』より「何ですって? あなたが私を愛している?」
ドニゼッティ: 歌劇『ランメルモールのルチア』より「そよ風にのって」
ドニゼッティ : 歌劇『ランメルモールのルチア』狂乱の場より「あの方の声のやさしい響きが・・・・苦い涙をそそいでください」
ドニゼッティ: 歌劇『ランメルモールのルチア』より「わが祖先の墓よ」
ベッリーニ: 歌劇『夢遊病の女』より「そよ風がうらやましい」
《アンコール》
 越谷達之助/石川啄木: 初恋
 セレーナ: サルスエラ『ドン・ファン同盟』より「モレーナよ、君を想う」
 ビゼー: 歌劇『真珠採り』よりレイラとナディールの二重唱
 ベッリーニ: 歌劇『清教徒』よりエルヴィーラとアルトゥーロの二重唱


やはり、ルチアが圧巻でした。ドニゼッティ劇場でやはり2007年頃にルチア聴いていますが、凄みが増した感じ。

デジレ・ランカートレの話ばかりになりましたが、スペインのテノール、セルソ・アルベロ。正直なところ全然知りませんでしたが、とても良かったです。2週間前に聴いたラモン・ヴァルガスの「人知れぬ涙」より、こちらのほうが良かった? 情感の表現が抜群です。ですので、二人で歌う曲、特にアンコールの「エルヴィーラとアルトゥーロの二重唱 」素晴らしかった。

だいたい、こういうリサイタルで、ちょこっと入る曲、今回で言えば、真珠取りと、夢遊病の女などは、1年くらい先に、オペラで歌うことになるので、けっこう期待しています。ランカトーレの夢遊病の女は過去にもリサイタルで何曲もやっているので、そろそろオペラで聴きたいです。

ただ、ちょっと残念だったのは、これだけレベルの高いリサイタルなのに、1階、2階の後ろあたりに空席が目立ったこと。知名度が低いのでしょうか?オペラシティは値段もリーズナブル、音響も良いし、この公演コストパフォーマンス高かったと思います。

シモン・ボッカネグラ at チューリッヒ国立歌劇場

さて、いよいよ先週ヨーロッパで見て来たオペラの話です。

今回のハイライトは、何と言ってもレオ・ヌッチがタイトルロールを唄うシモン・ボッカネグラ。ヴェルディが前期にピアーヴェの台本に基づいて作曲した演目を、後年アリーゴ・ボイトが書き直した台本でヴェルディが曲を作り変えたものです。順番としてはオテロの前になります。

シモン・ボッカネグラは、僕が一番好きなヴェルディの演目なのですが、何故か日本では滅多に上演されません。この10年くらいは上演されてないんじゃないでしょうか?しかし、欧米ではかなりポピュラーな演目なために、僕は、今まで2回、アメリカまでシモンを見に行きました。一度目は2008年のサンフランシスコオペラ、シモンはドミトリー・ホロトフスキー、アメーリアにバルバラ・フリットリが予定されていたのが、直前にキャンセルされてしまい残念でしたが、演出が素晴らしく楽しめました。ホロトフスキーのタイトルロールも重厚感があって、なかなか良かったのですが、彼がジェノバの総督というのは、見かけ(銀髪)も低い声も、やや違和感があり、どちらかというとミンスクの総督という感じがありました。彼、銀髪がトレードマークですが、最近のMETのジェルモンでも銀髪というのはなんか違和感ありますね。染めちゃったらいいのに、と思いますが。

それで、次ぎにシモンを見たのは、2010年のニューヨークメトロポリタン歌劇場です。この時は、バリトンに声を落としたばかりのドミンゴ、フィエスコにはジェームス・モリス(まだいた!)という、グッとくる配役でした。ドミンゴはバリトンですが、やはりテノールっぽい華があり、ホロトフスキーの暗いシモンとは逆のシモンを演じてくれました。彼は、翌日の"ステュッフィーリオ”では、ドミンゴは指揮棒を振っていましたから、まさしく万能ドミンゴ、たいしたものだと思いました。シモンの時の指揮はレヴァインで、これも文句はなかったのですが、それでも僕としては最初にDVDで見た、アバド指揮、カルロ・グエルフィ版(2002年フィレンツェ歌劇場)のほうがしっくり来て、「これだ!」というシモンに今日まで生では出会っていませんでした。

しかし、どう考えてもシモンにぴったりなのは、レオ・ヌッチ、というかヴェルディのバリトンはレオ・ヌッチで決まりなんで、いつかヌッチのシモンを見たいと思っているうちに、ヌッチも、この4月で70歳になりました。最近は不調の時もあるとか、衰えたと聞き及ぶに至り、これは今のうちになんとかヌッチのシモンを聴きに世界の果てへでも行こうと思っていたところ、チューリッヒ歌劇場での公演を知ったわけです。

公演当日の4月12日、朝ウィーンから飛行機でチューリッヒに移動しましたが、チューリッヒはあいにくの雨、しかも寒い。ヌッチ降板なんてことにならないでほしいと祈るような気持ちで劇場に向かいましたが、良かった、ヌッチ予定通り登板(野球じゃないって)です。

指揮のカルロ・リッツィのいやに速い序曲で始まったプロローグ、パオロ役のマッシモ・カヴァレッティ、30代半ばでポップスも歌う歌手のようですが、なかなか締まった良い声でスタートしてくれました。最初のパウロが締まらないと、この演目、最初からずっこけるのです。しかし、ソプラノのイザベラ・レイは、高音をよいしょと持ち上げる感じ、フィエスコのカルロ・コロンバラは声が下がり切らない感じで、これはやはり天気のせいもあるかなぁと思いながら聴いていました。

で、いよいよシモン登場 "Um amplesso.."の第一声、すごい!他を圧倒、ホールをゆるがすような声、ヌッチの口からは星がキラキラと。。(joke) この日のヌッチは絶好調でした。一幕目終わりのカーテンコールから、満足そうな笑顔でした。

2幕目に入ってからは、レイ、コロンバラも明かに調子を上げ、また、ガブリエレ役のファビオ・サルトリが、これぞイタリア人テノールという美声で聴かせました。ただ、100kgはあろうかという巨漢で、見た目はやや難ありでした。アメーリアとシモンの仲を疑うところは、逆に真実実が出ましたが。

演出は、マリオ・デル・モナコの息子、ジャンカルロ・デル・モナコ。これは良い演出でした。全編にわたり、リグリアの海の香がするような演出。そして、プロローグの終了のところで、民衆にパオロをかつがせたりしない自然な流れ、圧巻はシモンが息絶えるシーン。通常は舞台の中あたりで寝台や椅子に寝たり、持たれたりして死んでいくのですが、今回は出演者の後ろにさがり、海の近くに倒れ込むようにして行きます。そうすると、舞台の最後にシモンが見えなくなるのですが、海賊だったシモンが海に帰って行くという感じが出て、僕は素晴らしい演出だと思いました。

一方、リッツィの指揮は、まずテンポがやや速い。特に序曲はアバドの倍くらいでスピード違反ではないか?それと、抑揚の付け方が時に大きすぎる気がしました。このオペラは、何となくリグリアの海のうねりと波音が基本にあると感じます。ですから、もう少し淡々としたところがあっても良かったというのが個人的な感想。ただ、この日我々が座ったところが、最前列の右端の方だったので、金管のセッションが大きく聞こえる(特にホルン)ということもあったかもしれません。余談ですが、パーカッションを受け持っているお姉さん、きれいな人でした。

でもリッツィさん、いいお父さんらしくて、バルコニーの最前席に奥さんと小さい娘さんを入れているのですが、プロローグと一幕目の間、演奏が止まっている間に、娘さんが一生懸命パパに向かって手を振るのに、困ったように、指揮棒を握り替えておなかのあたりで手を振って目をやっていました。なんかなごみますね。

で、シモンがパオロに毒入りの水を飲まされて、段々と弱っていく3幕目のの最後のところは、だいたいいつも涙ぐむのですが、今回は、最後の10分は涙ボロボロ、アゴがガクガクで、もう感動しっぱなしでした。シモンの最後は泣けます。椿姫の最後より、リアリティがありますし、最後に自分の敵を許して逝くところも感動敵です。で、付け加えれば史実としては、シモンが総督に就いてたのは5年に過ぎず、自身の死後には、許した自分の敵にボッカネグラ一族は滅ぼされてしまうんですよね。そんなことも考えると涙無しには見られないんです。

最後のカーテンコールでは、出演者が交互にヌッチにハグしに行き、彼も本当に満足そうでした。指揮者がステージに上がってからも拍手が鳴り止まず。しだいに、バン、バン、バンとアンコールを促すような拍手に。ついにリッツィがヌッチ一人で前に出てコールを受けるように押し出します。遠慮するヌッチですが、最後には彼一人にスポットがあたり、(下記一番下の写真)大拍手のうちに終演となりました。

歌手としては、もういつまで調子を保てるかわからない年齢になっているヌッチですが、僕が今まで何回も見ているヌッチの中でも最高のパフォーマンスだったと思います。僕達夫婦はラッキーでした。

この日は、遅くホテルに戻っても、興奮してなかなか寝付けませんでした。

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リグリアの海に戻っていくシモンの第三幕を終えたところ。

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出演者と満足そうにカーテンコールを受ける

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最後に指揮者リッツィや出演者に促され、一人でコールを受けるレオ・ヌッチ。大拍手!

ウィリアム・テル at チューリッヒ国立歌劇場

チューリッヒ最後の夜は、"ウィリアム・テル”でした。これも、あまりやらないロッシーニの作品だと思います。
僕は1988年のスカラ座のムーティー指揮、ジョルジョ・ザンカナーロのタイトルロールのDVDを見て、ちょっと勉強をしていきました。演出はロンコーニのクラシックなものでした。

この日も前から2列目ということで、良い場所で見られましたが、幕が開いてびっくり。完全な現代演出で、芝生に今風のベンチがおいてあり、向こうにはアルプスの山が見えるのですが、長い序曲の間に、介護されている老人と介護人、各国の観光客、サラリーマンなどが次から次に無言でステージに出てきます。40人くらいまでは数えていましたが、そこらでやめました。そして、序曲の最後のほうになると、工事をする人が出てきて、立ち入り禁止のテープで、舞台上の人を区切ってしまうのです。一体何を意味しているのか? でも、おもしろいスタートであったことは間違いありません。

そして、幕が開いてからも驚きは続きます。原作ではオーストリアと闘うスイスという設定ですが、この演出ではECとECに入っていないスイスの戦いということになっているのです。昨年も、マルタラーのこの演出は賛否両論とがあったということですが、納得できます。劇中にステージにいる人数がいつもかなり多く、時々、ロッシーニとおぼしき19世紀の衣裳の男性が楽譜のような書類を持って歩き廻るというのも不思議な設定です。

それでも、キャストは、アントニオ・シラクーザ、エヴァ・メイを主軸に、タイトルロールのヨッヘン・クプファー、そしてあとは僕には初めての歌手でしたが、粒がそろっていて、聴き応えがありました。特にシラクーザは最初から、きらめくような美声でした。メイは最初やや声量が出ない感じでしたが、高音までスッとあがる感じは素晴らしく、中盤からは軽く、高く、声量も充分で存在感を示していました。指揮者のジェルメッティはロッシーニを得意とするイタリアの指揮者だそうです。風貌はウィリアム・テルという感じ。

しかし、僕が下勉強していたDVDはイタリア語で、今回のキャストもイタリア人が多かったので、イタリア語の上演だとばかり思っていったら、なんとフランス語で始まりました。あとで教えられたのですが、そもそもこのオペラはフランスからの要請で作られたもので、元々フランス語、だからタイトルも"ギョーム・テル”。イタリア語版は、改訂版で"グリエルモ・テル"と呼ばれるということです。知らないとは恐ろしいことでした。

最近は、ウィリアム・テルがヨーロッパでは人気で、どうやら映画にもなるそうです。スイスの最後の夜には、ふさわしい演目でした。

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序曲の最初のステージ風景th-DSC00416.jpg
カーテンコールに答えるシラクーザとメイ

愛の妙薬 at ウィーン国立歌劇場

ウィーン国立歌劇場、初めて行きました。愛の妙薬は、ラモン・ヴァルガスがネモリーノをやるということで、こりゃ、ぴったりではないかと思い、チューリッヒ行きの前に寄ることにしました。

思った通り、適材適所。声の質から姿格好までネモリーノそのものという感じです。ヨナス・カウフマンはネモリーノはやらないでしょう。アディーナ役のスロバキアのソプラノ、アドリアーナ・クチェロヴァも表現力、歌唱力、演技力ともに素晴らしかったです。初めて知った歌手ですが、歌うアリーナ・コジョカルみたいです。カーテンコールでも跳ね回っていました。ちょっとファンになりましたね。まだ若いので、これから追っかけようと思います。そして、何よりウィーンフィルの音の素晴らしさ。特に弦楽器。やっぱり楽器が違うんでしょうか?

しかし、ウィーンだったら、ウィーンぽいオペラ聴きたかった気もします。ちょうど10日ほど前だったら、バラの騎士が聴けたみたい。

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ボックス席でした。ムードは最高ですが、ずっと身を乗り出して聴いているので疲れました。

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カーテンコール、薬売りのドゥルカマーラ博士(歌手の名前忘れました。すみません)はちょっと真面目すぎた感じ。






ジュエルズ at ウィーン国立歌劇場

今回の旅行では、ひとつだけバレエを入れました。ウィーンに3泊したのですが、オペラは「愛の妙薬」しかやっていなかったし、4晩連続オペラというのも、ちょっと疲れそうだったので、"Juwelen der Neuen Welt II"というモダンバレエを入れました。正直、このバレエについては、何も知りませんでしたし、見た後の今でもあまり良くわかっていません。良く世界バレエフェスティバルで、”ジュエルズ”のパ・ド・ドゥだけが踊られますが、あれはバランシンの振り付けの半古典と言うものでしょうか?今回は、バランシンの、このジュエルズに加えて、 フォーサイス、ノイマイヤー、サープという現代を代表する振り付けによる、4部構成によるオムニバスのようなバレエになっていました。

正直バレエは、そんなに見ていませんし、どっちかというと、AKB48の追っかけ的に、パリオペラ座のオレリー・デュポンとロイヤル・オペラハウスのタマラ・ロホ、ボリショイバレエのナタリーヤ・オシポワは、来日すれば見に行くという感じです。それと、オペラのラクメを作曲したレオ・ドリーブが好きなので、彼の代表的バレエ作品である、コッペリア、シルヴィアは時々見に行きます。

今回は、一昨年からパリ・オペラ座を引退し、ウィーン国立バレエ団の総監督になったマニュエル・ルグリ(デュポンの長年の相手役でした)が、どのようにウィーンのバレエに新しい風を入れたかを見たかったこともあります。

そんな程度の僕のバレエの知識ですから、今回のダンサーのことも良く知りませんでしたが、この4つの場面から構成されるバレエ、まあ踊りまくること、踊りまくること。クラシックのように休む場面は皆無で、体力的には相当大変だったと思います。

特に男性のダンサーは筋肉隆々系の人が多かった感じ。

キャストを調べようと思ったら、すでにウィーン歌劇場のホームページから削除されてまして、すみません。こんなブログになりました。しかし、ウィーン国立歌劇場のホームページって使いにくいですよね。なんとかなりませんか。

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ヨーロッパ オペラツァーに出かけて来ました。

今年の最大の楽しみ、ウィーンとチューリッヒでのオペラ鑑賞ツァーに4月9日から16日まで言ってきました。ツァーと言っても、団体で行くのは好きじゃないので、個人でフライト、ホテル、チケットを手配。前回5年前のミラノスカラ座行きの時は僕がほとんどやりましたが、今回は家内がすべてやってくれました。ちなみに、前回は結婚20周年で、今回は25周年=銀婚式記念というようなわけです。とは言っても最初は、今年の正月休みに、ネットでチューリッヒ歌劇場のシモン・ボッカネグラの上演予定を見つけて、衝動的にブックしてしまったのがきっかけで、銀婚式記念というのは後付です。

ヨーロッパ行きのフライトは、前回はアリタリア航空のビジネスクラスで行ったのですが、今回は公演も4回行くし、サーチャージも高い! インチョンで乗り継ぎとかすれば安くなるけど、それも面倒ということで、最近流行のプレミアムエコノミーを試してみました。ヨーロッパ行きはプレミアムエコノミーの設定がある航空会社が多いのですが、オーストリア航空、スイス航空には無いので、結局エール・フランスで、できたばかりのプレミアムボヤジャーというチケットを取りました。普通のエコノミーが15万くらいのところが、25万くらい、ということで値段的にもクラス的にもエコノミーとビジネスの間くらいです。

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こんな感じのシートですが、幅も前後もエコノミーよりはだいぶ広く、一昔前のビジネスクラスくらいあるのですが、ややシートが薄くお尻が痛くなりました。それでも帰りは食事もせずにずーっと寝ることができました。で、往きはラッキーなことに、ビジネスクラスにアップグレードされ、エールフランスの美味しい機内食(特にデザート)とフルフラットのシートでラクチンでした。

昼過ぎの成田発のフライトで、パリで乗り継ぎ、夜ウィーン着。オン・タイム。さすが北ヨーロッパ系ですね。アリタリアの時は出発から8時間遅れましたから。

ウィーンは、空港は何回か乗り継ぎで止まりましたが、滞在は初めて。なかなか荘厳な街です。やはり王宮がある街は違いますね。ちょうどクリムトの生誕150年ということで、クリムトの特別展がヴェルヴェデーレ離宮で開かれていました。クリムト、個人的にはものすごく好きというわけではないですが、ウィーンには合います。音楽的にはリヒャルト・ストラウスにぴったりという感じ。

オペラに行く前に、ニューイヤーコンサートで有名なウィーン楽友協会劇場へ行って来ました。ここのメインホール、ゴールデンホール、すごい装飾と貫禄。

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びっくりしたのは、クラシックな内外装の劇場の地下に、2階分超モダンで近代的音楽装置を備えたホールがあることです。特にゴールデンホールの下には、全く同じ大きさのホールが造られていました。ちょうどリハーサルをやっていた小ホールではJAZZコンサートも開かれるとのこと。街でもいたるところで、楽器を持った人を見かけますし、ここは本当に音楽の都です。

ウィーンでオペラとバレエを二晩連続で見てからチューリッヒに飛びました。チューリッヒは35年ぶり!相変わらず清潔で綺麗な街です。ホテルはオペラ評論家の加藤浩子さんのアドバイスで、国立歌劇場から歩いて5分のNIMOという小さなところに泊まりましたが、ここがインテリアのショールームのように素敵なホテル。部屋数も少なく、写真のダイニングもいつも二人でコーヒー(無料)を飲んだりして自由に使えました。
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チューリッヒの美術館も印象派から現代までを主にカバーした素晴らしいものでしたが、ベルンまで脚を伸ばし、大好きなパウル・クレーの美術館、クレー・センターに行って来ました。35年前は小さな美術館でしたが、今は、レンゾ・ピアノ設計の巨大な、まるで関西空港のような素晴らしい建造物。
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自然に調和させるために、建物の半分は芝生の下に埋まっているんです。ここでクレーを久しぶりにたっぷり見ました。

では、次ぎの項で今回の観劇のレポートを致します。






ドン・ジョヴァンニ 演奏会形式

公演から日が経ってしまい、やや記憶が薄れてしまった感もある、新国立中劇場"尾高忠明芸術監督による特別企画" ドン・ジョヴァンニだが、4月19日からオペラパレスでの公演の、いわゆるカバー歌手を中心にキャスト構成をされていました。しかし、これがなかなかの好演。演奏会形式にしたのは、歌手が歌に集中できることと、コスト面でも大変効果的な方法だと思います。前回3月の中劇場での研修所公演、「スペインの時、フィレンツェの悲劇」が、やや凝りすぎの舞台だっただけに、シンプルな演奏会形式の良さが際たっだた感じです。

今回は、特にタイトルロール役の与那城 敬が良かったですね。たしか、与那城はオペラ研修所の5期生、僕の好きな中村絵里と同期だと思います。非常にクリアなバスバリトンで、カバーにしておくのはもったいない。ドンナ・アンナの吉田 珠代も初期の研修生だと思いますが、ヨーロッパで活躍しているソプラノ。なかなか聴き応えありました。その他のキャストも新国立研修所の卒業生を中心に揃えていましたが、なかなかたいした実力です。もっと、どんどん、本公演にもデビューさせて欲しいと思いました。

【ドン・ジョヴァンニ】与那城 敬
【騎士長】大澤 建
【レポレッロ】北川 辰彦
【ドンナ・アンナ】吉田 珠代
【ドン・オッターヴィオ】鈴木 准
【ドンナ・エルヴィーラ】佐藤 康子
【マゼット】町 英和
【ツェルリーナ】鈴木 愛美

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