プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ザルツブルグ音楽祭、ゲルギエフの”春の祭典”

今回のザルツブルグ音楽祭、唯一のバレエが、ストラヴィンスキーの「春の祭典」、「火の鳥」、「結婚」の三部作。音楽祭のテーマの"自己犠牲”は「春の祭典」がそのコンセプトをカバーしますが、あとの2つのプログラムも素晴らしいものでした。すべて、19世紀末から20世紀初頭にパリで一世を風靡したバレエ団「バレエ・リュス」の振り付けに沿っています。

なにしろ、マリインスキー劇場の総裁、ヴァレリー・ゲルギエフが、自身のオーケストラを指揮するのであるから、コンサートとして聴いても損は無い。ダンサーもすべてマリインスキーでキャスティングされている。ノルマはS席で400ユーロもしたが、このバレエは前から15列目のA席で99ユーロ、これはお得だった。ゲルギエフの切れのあるストラヴィンスキー、緊張感に溢れて、これだけで感動。

「結婚」はマイナーな群舞の作品だが、ニジンスキーの姉のブロニスラヴァの不思議に溢れる振り付けは、魅力的だ。

そして、「春の祭典」はマリインスキーならではの、ニジンスキー版、着ぐるみの熊他、不思議な動物が現れるのだが、とにかくすごい跳躍の連続、クラシックではないので、フェッテとか、リフト、ピロエットなどはないのだが、運動量がすごい。音楽とバレエの融合に恍惚。ちょっと、もののけ姫みたいな感じです。
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そして、最後が「火の鳥」これは20世紀初頭にマリインスキー(キエフバレエ)のソリストだった、ミハイル・フォーキンの振り付け、モダンとクラシックの融合。長いプログラムでしたが、美しい衣装と、巧みな踊りで飽きさせません。火の鳥を演じたのは、セカンド・ソリストのアレクサンドラ・イオシフィディが超絶技巧を見せます。この人、背が多分175cmくらいある。これでは、普通のクラシックでは主役ができないのでは。火の鳥では、その体が生きました。

マリインスキーは5月2日に、ゲルギエフがその生涯を掛けたと言われる新しい大劇場がオープンしたばかり。その力を音楽と踊りで余すところなく披露してくれました。

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ザルツブルグ音楽祭、バルトリ渾身の“ノルマ”

今年のザルツブルグの聖霊降臨祭音楽祭の目玉は、何と言ってもバルトリが伝統的にカットされてしまった部分を直し、音楽監督として演出にも参加した新しい”ノルマ”です。チケットは販売開始当日に瞬間蒸発、この夏の音楽祭の席も既に満席。僕は家内の分と2枚、ラッキーなことにエージェントも介さずにインターネットで取得できました。それも2階の最前席!(実は1階の最前席かと思ってましたが)

バルトリは一幕目はやや緊張気味で、Casta Divaは最高の出来とは行かなかったようです。2番を唄うときに装飾を少なくし、音もだいぶ下げていました。バルトリは序盤にこのようなことはままあるようで、17日のプレミアでもCasta Divaはやや本調子ではなかったと英語版のブログに書かれていました。

しかし、それを歌い終えて、安心したかのようにその後がすごい。僕は、ノルマを生で見るのが初めてなので、この日に備えてCDとDVDで、カラス、チェドリンス、テオドッシュウ、アンダーソンの全幕を見て予習をしてきましたが、全く別世界の展開でした。アダルジーザとの2重唱、ポリオーネも入っての3重唱、バルトリはどこのパートでも、ものすごい存在感。超絶の歌唱技法と表現力、演技力で他を圧倒します。メインのパートでなくても、声が小さくても、その歌声はまっすぐ耳に飛び込んできます。2幕目のポリオーネとの2重唱(愛を唄っていないからロマンツァではないか。)は、Casta Divaを超える迫力。そう、オペラ全幕物でバルトリ生で初めて、このノルマで聴いて感じたのは、軽さ、技巧もありますが、その迫力です。声の表現力と体の演技力で、ノルマの苦悩と悲しみ、怒りが爆発しているのです。こんなに凄い表現と演技ができるとは.......バルトリも女優になれそうです。

バルトリの話ばかりになりましたが、オロヴェーゾ役のペルトゥージは一幕目から素晴らしい声を聞かせました。また、ポリオーネのオズボーンも軽めの声でありながら表現力たっぷりで聴かせました。若い(25歳)メキシコ人ソプラノのレベッカ・オルヴェーラも、個性のある素晴らしい声でした。ただ、一幕目出だしはバルトリ同様に若干緊張気味で、音程の正確さに欠けましたが、二重唱あたりからどんどん暖まってきて、二幕目は素晴らしい出来だったと思います。

ノルマとしては珍しく、読み替え演出です。バルトリはインタビューで、「ノルマには何かストーリーと人物描写に不足がある気がしていた」。と言っています。「本来ノルマはカルメンよりも情熱的なオペラのはず、それが現れる舞台にした」とのこと。

序曲とともに幕が開き、小学生が学校で教師に集められて、“On y va”(Let's go)とフランス語で教室に入るように促されるところと、その後ナチスのヘルメットをかぶった兵隊とポリオーネが学校に検閲に来ることで、場所の設定が占領下のフランス(おそらくはアルザス地方)ということがわかります。ただ、英文のブログを見ると、ここはイタリアのムッソリーニ統治下のレジスタンス地域と書かれているものもありますが、明らかに教師の一声はフランス語でした。(とフランス語のわかる家内が言ってました。)そして、一旦幕が閉まって、再び開くとそこはポリオーネの部屋、そしてそこが更にレジスタンス(元はガリア地方のドルイド教徒)の拠点となり、ノルマはレジスタンスの女神という設定。

今回、カットされた部分が再生されて、一番増えたのがアダルジーザの1幕目の歌と2重唱だそうです。そして、アダルジーザは1831年の初演時には20歳のソプラノが演じていたことから、若いソプラノを抜擢したとのこと。とは言え、バルトリは数年前からこのキャストで演奏会方式などでノルマをやっているので、もう"仲間”という感じです。ただ、子供達を殺そうとして逡巡するところ、最後でアダルジーザに罪をなすりつけるところから、自身に罪を着せる場面が、無かったような気がします。ここはもう一回聴いて確かめたいです。

いずれにしろ、このような演出により、登場人物の心の動きが自然に理解でき、また人物同士の関係(特にポリオーネとアダルジーザ)も、明確になりました。愛憎、悲しみ、名誉などがわかるように演出をしたと、バルトリはインタビューで語っています。

しかし、個人的には、読み替えにナチスを使うというのは、やや安易すぎる気がしました。また、歌詞に、ローマとか、神殿、神がたくさん出てくるので、例え設定をムッソリーニ統治下のレジスタンスとしても、ストーリーとの整合性に無理があります。また、全体が非常に暗い、陰鬱と言っても良い演出なので、短調の時は良いのですが、多く使われる長調のテーマの音楽になると、なにか舞台と合わない気がしました。読み替えでも、もう少し抽象的な舞台のほうが良いのではないか.....というのが本心。

最後の場面に、本物の火が使われて二人は焼死するという凄い演出です。高さ2mは炎が上がりました。 そのため、フィナーレのカーテンコールの最初のうちは、煙がホールに充満してけむいほど。怒濤のような拍手が10分は続いたでしょうか?ただ、演出のモーシェ・ライザーと パトリック・コリエ が登場すると、拍手と一緒にかなりのブーイングが。休憩時に家内とブーが出るのではと話していましたが、その通りでした。しかし、このブーイングも、バルトリは折り込み済でしょう。

最後に、指揮のジョバンニ・アントニーニ、ピリオド楽器を多用して、古楽風の素晴らしい音を出していましたが、演出に合わせて太く厚みのある音もところどころに入れていて、まさに舞台と一体化した素晴らしい指揮でした。

バルトリは昨年12月にスカラ座でバレンボイム指揮のリサイタルを開いたときに、大ブーイングを受けまそうです。これは、過去19年間イタリアで公演していないことを、スカラの老人ブーマーがつるし上げた結果で、これにやり返したバルトリファンと5分を超えるがなり合いになったそうです。バルトリ自身はイタリアで公演したい気持ちはあるが、現状のイタリアオペラ界では無理、お金がない、スケジュールは決まらない。練習は出来ない、と嘆いているそうです。(この情報も家内が英語版のブログから探してくれました。)

しかし、ともあれ、今回のノルマ、頭をガツンと叩かれたような衝撃! 素晴らしいパフォーマンスでした。今後、色々な評が出るとは思いますが、歴史的な公演だったと思います。この晩は興奮さめやらず、遅くまで起きていて、寝たら火事の夢を見て起きました。

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ニュールンベルグのマイスタージンガー コンヴィチュニーとフォークト

5月17日、ハンブルグのスタッツオーパー(ハンブルグ国立歌劇場)で、コンヴィチュニー演出版の最終日を観劇しました。今回のコンヴィチュニー版は、この10年で3回目の公演とのことです。コンヴィチュニーの場合、すごく満足するのが半分、やや辟易するのが残りの半分。ですが、これは良かったです。1幕、2幕目は何も起こらないのですが、第3幕で、いよいよワルターが優勝してエヴァと一緒になるところあたりから、2幕目の火事と騒動で怪我をした住民が包帯を巻いたり、松葉杖をついて現れ、その後に、ワーグナーの他の演目のキャストがたくさん出てくるのです。ヴォータン、タンホイザー、ヴェーヌス、イゾルデ、3人のノルン、ミーメ、オランダ人、ブリュンヒルデ、いや、まったくディズニーのパレードみたい。そして、人物がすべて親指くらいのサイズの小人だったことが、後ろに巨大な草むらが出てきてわかります。アリエッティみたいです。で、最後の”ドイツのマイスタージンガー”を讃える合唱になる前に、オペラがストップして、何やらマイスタージンガーたちが言い合いを始めます。家内が英語のブログを探したところ、これは、ドイツの愛国主義をちゃかしているのだそうです。「ドイツ国歌なら3番を唄おう」、「この歌には3番はないんだよ」というような事。で、一列目のお客が「早く続けろ!」と怒鳴って、ホールのドアをバタンと閉めて出て行ってしまいます。これも演出。マイスタージンガーは、フィナーレがちょっと好きではないのですが、この演出は秀逸。楽しめました。
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さて、タイトルロールは、昨年の新国立のローエングリンで大好評だった、クラウス・フローリアン・フォークト。4月にも日本で演奏会形式で唄っていますが、この日も素晴らしかった。まったく「神の声」という感じ。この人声変わりしていないのでは。まあ、唄う役柄は限られると思いますが、ローエングリン、ワルター、タンホイザーあたりは、素晴らしいと思います。ジェームズ・ラザフォードのザックスも渋くて良かったですね。

でも、何より感動したのは、女性指揮者、シモーネ・ヤング。評判からは割と大味な指揮を予想していたのですが、あにはからんや、非常に緻密で、しかし太いところは太い、新しいワーグナーを感じました。今回のオケ、弦五部がやや薄かったのではないかと思います。ピットが深くてよく見えませんでしたが、楽団員が立ち上がった時にあきらかに少人数。これを逆手に取って、各所でまるで室内楽のような演奏を見せました。そして、独特のゆらぎ、これが音楽に表情を与えます。イタリアオペラとは違うもんです。

最後はスタンディングオベーション。実に満足な5時間半でした。

このスタッツオーパーも、近年中に新しく運河近くの開発地域に引っ越すそうです。全体に、お客はカジュアル。僕が行った歌劇場の中では、サンフランシスコオペラについでカジュアルじゃないかと思いました。市民に愛されているという感じです。

さて、これからザルツブルグです。

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スカラ座追加(?)公演決定

スカラ座来日公演のチケット、僕もリゴレットは取りましたけど、S席の62,000円は高いですねー。音楽監督も来ないのに。ま、ヴェルディの公演にバレンボイムが来られても困りますが。

ともあれ、チケットのほうはまずまず売れているようです。それで、NHKが追加のような形で、アイーダのコンサート形式を出してきました。

http://pid.nhk.or.jp/event/PPG0191481/

これは、キャストがなかなかよろしい。

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ヘー・ホイのアイーダは、昨年もコンサート形式で聴きましたが、素晴らしかった。そしてバルッチェローナのアムネリス、これは新鮮です。クンデのオテロみたいな感じですね。ロッシーニを歌い込んできたベルカントが、ヴェルディ後期の作品にいどむ。期待できますね。最近は、ヨーロッパでルイーザ・ミラーやドン・カルロに出て、大好評です。ラメダスのレオンは良く知りませんが、アモナズロのマエストリは、スカラ座来日でファルスタッフをやって、そのまま残るのでしょう。明るい良い声をしています。ドゥダメルの指揮で、料金はまだ発表になっていませんが、S席で¥38,000-になるもようです。このくらいの値段ならいいなぁ。

ただ、ここ1年でアイーダは生で2回、テレビのMETライブビューイングで1回見ているのでどうしたものかと考えています。

しかし、ヴェルディイヤーの今年、ヴェルディの作品の上演が多いのは良いのですが、とにかく椿姫だらけ。メジャーなものだけでも、二期会、藤原、ハンガリー、僕も4回見に行きますが。。

あとは、ナブッコ、リゴレット、オテロ、ファルスタッフ、仮面舞踏会あとはマクベス。最近はチケットの売れ具合が厳しいので、余計、安全な有名作品ばかりの公演になってしまうのでしょうが、9月に新国立のシーズンオープンとスカラ座来日が同じ週で、両方ともリゴレット、おまけに藤原のデヴィーアの椿姫もある、というのはちょっとゲップが出ます。

数年前までは、エルナーニ、運命の力、ルイーザ・ミラーなどの準メジャーな作品も日本で見られたのですが、今は、上記6作品。ドン・カルロもイル・トロヴァトーレもありません。

こういう年だからこそ、ベルディを愛する人達が見たい作品、見たことのない作品を上演したら良いのにと思います。そういう意味で、6月の大阪いずみホールの「シモン・ボッカネグラ」には拍手ですが、これも本来は新国立あたりでもやってほしい。そして、二人のフォスカリ、シチリアの晩鐘、群盗、オベルト、スティッフェーリオなど、海外では今年やられている作品の、せめて1つでも2つでもやってもらえないでしょうか? そのほうが客が入ると思うのです。新国立など、佳作をやるたびに、客がはいるか心配をしていますが、ルサルカ、ピーター・グライムズ、アラベッラ、ヴォツェック、どれも大成功じゃなかったですか。どうして、シモンを上演できないのでしょう?

来週、ベリーニのノルマを見るためにザルツブルグまで行くのですが、前回日本でこの演目が上演されたのは、江副浩正さんのプロジェクトで上演された2003年(?)の時です。

ヴェルディにしてこれですから、ロッシーニ、ドニゼッティファンはもっと苛々しているでしょう。

あーあ.....、と今日はため息。


逗子海岸映画祭

今日は、ちょっとオペラから離れた話題です。

ゴールデンウィーク連休に私の住んでいる逗子で、3年前から行われている、「逗子海岸映画祭」が今年も開催され、多くのビジターが訪れました。

これは、そもそも海岸から一本入った道にある、不思議な小さな映画館”シネマ・アミーゴ”とその周りの人々が発起人となって、完全に民間主導でスタートした映画祭です。

ですので、きちんと著作権関係もクリアしていると思います。

映画祭では、昨年のアカデミー賞受賞作品の、「アーティスト」や「グラン・ブルー」など数々の名画が上映され、JAZZのライブセッション、ボルダリングやスケートボードの実演、そして美味しい食事とBARが提供されます。最終日には、スペインのバスク地方(この映画祭と提携している)からシェフが来日し、バスク料理を提供しました。

自治体主導でなく、若い逗子の有志によって、こういう素敵なイベントが出来上がったことは、とても嬉しいです。うちの次女も知らないうちに、ボランティアで毎日朝から晩までスタッフとして活躍しています。

詳しくは下記を。そして来年は、是非逗子にいらしてください。

http://zushifilm.com/schedule/

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スティッフェリオ 2012 パルマ歌劇場

これもTUTTO VERDI 26全ヴェルディ オペラ演目ブルーレイディスクからです。

 ロベルト・アロニカ(T スティッフェリオ)
 ユ・ガンクン(于冠群)(S リーナ)
 ロベルト・フロンターリ(Br スタンカル)
 ガブリエーレ・マンジョーネ(T ラッファエーレ)
 ゲオルギー・アンドグラーゼ(Bs ヨルグ)
 コジモ・ヴァッサッロ(T フェデリーコ)
 ロレライ・ソリス(S ドロテア)
 パルマ・レッジョ劇場管弦楽団&合唱団
 アンドレア・バッティストーニ(指揮)

これは、何と言ってもバッティストーニの指揮が凄い。火を噴くようなオケを引き出しています。1987年生まれですから、25歳! イタリアオペラをこれから引っ張っていく天才でしょう。ただ、多少天狗になっているようで、ドタキャンやら、オーケストラとのコミュニケーションの問題が生まれることもあり、時々ブーイングもくらっているようです。しかし、そのくらい生意気でなければ25歳で指揮者としてやっていけないでしょう。

僕は、この演目は、METでホセ・クーラのタイトルロール、ドミンゴの指揮で見ました。これも大変良かったですが、音楽はこのパルマのほうが良いですね。

このスティフェリオは、プロテスタントの牧師、妻が不倫をして、悩んだあげくに許すという物語です。おそらく、イタリアのオペラの中で唯一プロテスタントを登場させたオペラではないかと思います。そのせいで、初演こそトリエステでやっていますが、イタリア国内での上演はあまり多くありません。最近は、前述のホセ・クーラがこれを得意にしていて、つい先々週も、フランスのモンテカルロ歌劇場でタイトルロールをやり、これは非常に良かったようです。

パルマでのタイトルロールは、スピントの実力者ロベルト・アロニカです。この人は、あまり高音が出るタイプのテノールではない。バリ・テノールに近い感じです。ボローニャ歌劇場で来日した際のエルナーニのタイトルロールを、亡くなったリチートラの代わりに演じましたが、その時も中音は素晴らしいし、表現力もあったのですが、高音が魅力に乏しかった。この印象は変わりません。その点はクーラのほうが上だと思います。

ユ・ガンクンは初めて聴く韓国のソプラノですが、やや重めの声で中音から高音まで良く伸びてなかなか良いと思いました。ただ、声の表現力がもう少し欲しい。一本調子な感じがあります。

今回、良かった、というか見直したのは、義父役のスタンカーのロベルト・フロンターリ。この人は生でもDVDでも随分聴いていますが、あまり良いという印象を持ったことがありません。印象が薄いというか.....しかし、今回の熱演はなかなか素晴らしい。聴かせます。もちろん、ヌッチにくらべれば落ちますが、それでもブラボーです。

演出はMETの時もそうですが、プロテスタント、それもどうもアーミッシュ派あたりの厳格な宗派(ではないかと思ってるんですが。)を扱っている題材のようで、パルマの演出も暗く質素です。でも、やや現代っぽい象徴的な演出(巨大な聖書など)が、効果的で、ラストは素晴らしい。

それにしても、このパルマの劇場、定員は600か800くらいでしょうか。素晴らしい劇場ですね。今年のヴェルディフェスティバルはいつも通り10月、演目はシモン・ボッカネグラ、群盗、レクイエムです。まだキャストはレクイエムしか決まっていませんが、指揮はガッティ、歌手はチェドリンス、バルチェローナ、メッリ、ペルトゥージと夢のような面々。すごいですね。METだって、こんなにそろえるのは大変。今年こそ現地に行きたいと思っています。スクリーンショット3




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