プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

2013年前半を振り返って、後半の観劇予定

2013年も半分終わってしまいました。半年でオペラが14公演、バレエが2つ、コンサートが3つ、ライブビューイングが2つに行きました。ハイライトは、やはりザルツブルグの音楽祭。バルトリのノルマ、聴いた時もすごいと思いましたが、時間が経つにつれ、もっとすごいと感じられます。で、音楽祭と同時に発売されたCD(演奏会方式で、アダルジーザがスミ・ジョーになっている)が今月初めに届き、これを聴いたら、完全に興奮が蘇りました。

今年前半のベストですね。というか、僕が見たなかでは、ここ数年のベスト公演かも。見た時は、やや抵抗のあった、ナチに引っかけた演出も、時間が経つと、ストーリーの必然性を出すためにはベストの演出と思ってきました。ノルマって、今年のを見るまでは、どの演出見ても、やや「退屈なおペラ」と思っていたんですが、バルトリは「衝撃のオペラ」にしました。すごいです。

ザルツブルグでのバレエ「春の祭典」も良かったです。ゲルギエフ指揮、マリインスキーバレエ。ぜいたくでしたね。これは、今度新国立でも同じプロダクションやりますから見に行こうかな。

あとは、2回見てしまった、フェニーチェのオテロ、同じく2回聴いたバッティストーニのローマ3部作が続くかなぁ。これは、ハーディングのラ・ヴァルスを聴いた時と同じような観劇がありました。

そして、この前のいずみホールのシモン・ボッカネグラです。堀内さんが日本でヴェルディをたくさん歌ってくれるなら、海外に行かなくてもいいと思いました。

やや残念だったのは、新国立のナブッコ。

新人では、藤原で「仮面舞踏会」を振った、成田真郁。彼は良かったです。歌手では、グレゴリー・クンデにはやられました。

さて、今年後半は、今のところこんな予定です。

2013/7/10 アントニオ・シラグーザリサイタル
2013/8/17 交響楽ヒロシマ
2013/9/7    トラヴィアータ(藤原)マリエッラ・デヴィーア
2013/9/5    トラヴィアータ(藤原)佐藤亜希子
2013/9/11 スカラ座リゴレット レオ・ヌッチ、エレーナ・モシュク
2013/9/8    スカラ座ファルスタッフ(まだチケット買っていない。もう少し安くなるのを待ってます。)
2013/9/23 マリエッラ・デヴィーアリサイタル
2013 /10月 パルマ音楽祭行き? (行きたいなぁ、行けるかなぁ)
2013/10/30 ムーティーのヴェルディ序曲コンサート(これは絶対行かねば)
2013/11/3 レクイエム(ルイゾッティ、これも行かねば)
2013/11/10 シモン・ボッカネグラ(N響演奏会方式)
2013 /11月  バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イブニング (新国立)
2013/12/1 ホフマン物語 新国立 幸田浩子
2013/12/7 トリノ王立仮面舞踏会 ノセダ指揮、ラモン・ヴァルガス
2013/12/10 堀内康雄&佐野成宏リサイタル

期待しているのは、リゴレットと仮面舞踏会ですが、心配なのはリゴレットの指揮のドゥダメル。どうかなぁ。高いチケットだから頑張って欲しい。その点仮面舞踏会は間違いないと思います。

10月のパルマ、ブッセートのヴェルディフェスティバル是非行きたいです。なんと、レーナードブルゾンがファルスタッフで歌うんですよ。もう78歳くらいではないか? しかし、年に2回海外にオペラ聴きに行くのは、なかなかファイナンス的にはきついものがありますね−。まだ、マイレッジが残っているのでフライトはそれで取れそうですけど。。

家内が8月に仕事でシドニーに行くようなので、同行してシドニーのオペラハウスで何か見ようと思いましたが、ここはほとんどオペラやっていない。でも8月はトスカをやります。あまり魅力的な内容ではなさそう。むしろ、オーストラリアバレエのほうが良いかと思ったのですが、メルボルンなんですね。ルシンダ・ダン、好きなんですが。

だらだらと書きましたが、今年後半、こんな感じかなぁと思っています。
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シモン・ボッカネグラ いずみホールの勇気、堀内康雄の輝き

ああ、やっと“シモン・ボッカネグラ”を日本で聴くことができました。それも素晴らしいシモンでした。僕自身はヴェルディの最高傑作だと思うこの演目、海外では最近、ブームというほどに頻繁に公演されているのに、日本ではさっぱりです。ですので、しかたなく、海外にシモンを見に行く旅を何度もしました。チューリッヒでのレオ・ヌッチ、METでのドミンゴ、サンフランシスコでのホロストフスキーなど。

 先日、新国立のホワイエで開催された加藤浩子さんと山崎太郎さんの、「ヴェルディとワーグナー対談」、これはとてもおもしろかったのですが、対談中にシモン・ボッカネグラの話題になった時、加藤さんがいきなり横を向いて、勢揃いした新国立のスタッフに向けて、「どうして、ここではシモンを全然やってくれないんでしょうねぇ。」と言っていましたが、全く同感。

 今回のいずみホール主催のシモンは、タイトルロールが堀内康雄。彼は何度も聴いていますが、いつもジェルモンだったりアムナズロだったり、主役で長い時間歌うのを聴くのは初めてです。彼のシモン、とにかく素晴らしかったです。プロローグこそやや堅い感じがしましたが、一幕目に入ると完全に役に入り込み、素晴らしいヴェルディ・バリトンを響かせます。やっぱり、この人は世界に一流です。輝かしい高音域と、表現力に満ちた中低音域。ホロトフスキーのシモンなど目じゃないです。3幕目で毒をあおってからの、演技力、表現力は鬼気迫るものがあり、完全に引き込まれました。素晴らしい歌手が歌うシモンの3幕こそ、ヴェルディの「泣けるオペラ」の頂点だと思います。

 そして、この演目で、とても重要なのがパオロ。プロローグでシモンが出てくるまで、彼がオペラを引っ張ります。そして2幕目の終わりも彼のうめく声で終わります。この日のパオロは、“イル・デーヴ”でおなじみの青山貴、これも良かったんです。短い序曲が終わってすぐにパオロの第一声が入りますが、これが悪いともうそのシモンはダメ。でも、彼は素晴らしかった。歌手陣ではこの二人が引っ張りました。ガブリエーレの松本薫平も初めて聞きましたが、なかなか良かったです。

 いずみホールはクラシック専門ホールですが、オペラをやるようには出来ていません。そのため演奏会方式のように、オーケストラと歌手が同じステージに上がります。演奏会方式と違うのは、オケの後ろに小さなひな壇のようなステージが作られ、そこで歌手は演技もするのです。スペースは限られますが、ストーリーの流れや、各ロールの性格や立場も良くわかります。

 オーケストラには正直、それほど期待していなかったのです。カレッジ・オペラ・ハウス管弦楽団という名前からして、音大生主体かなと思って。ところが、これが、なかなか良かった。音自体は荒いところもありましたが、河原忠之の卓妙な指揮で、実にイタリアっぽく直情的な演奏を聴かせました。

 ただ、音響的には、歌手が壁にはりつくような感じで歌うので、反響がやや大きすぎました。また、合唱団が入るスペースが無いので、二階の脇で歌うシーンでは、音楽との一体感に欠ける感じがありました。しかし、この狭いスペースで良く、ストーリーの難しいシモンを表現したと思います。

 小さいホールですが、客席は満席。おそらく定期会員も多くいるのでしょう。公演が終わってのカーテンコール(カーテンはないのですが)の間に席を立つ人が一人もおらずに、客質の高いことがわかりました。ただ、一人、フィナーレでフィエスコが「シモンはもう天に行ったのだ」と言って、終わるか終わらないうちに「ブラヴィ!」にはちょっとフライングですね。

 今年の、ヴェルディ生誕200周年、東京での公演の演目は、やたらトラヴィアータが多いです。そして9月は、スカラ座と新国立でリゴレット、あとはナブッコ、仮面舞踏会、ファルスタッフ、レクイエム、26あるヴェルディのオペラのうち、ほんとに名の知れたものしかやりません。先日の、ハンガリー国立歌劇場のトラヴィアータ、エヴァ・メイをタイトルロールにして手頃な値段でも、空席が目立ちました。一方、いずみホールのシモンは満席。東京の劇場もプロモーターももう少し考え方を変えたほうが良いのでは?200周年というこの時にこそ、ヴェルディのファンが見たいと思う作品をやってほしいものです。シモンはもちろんのこと、二人のフォスカリ、ルイーザ・ミレル、スティッフェーリオ、レニャーノの戦い。オベルト、アッティラまでやってくれとは言いませんが、そのくらいなら充分に客を集められると思うのです。

 ですから、今回のいずみホールのシモンの勇気には大拍手を送りたいと思います。ホールを貸しているのではなくて、自主公演!!堀内康雄さんも、この一日のために、多くの時間を費やして素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。だって、彼の持ち役でもないシモンを、プロンプターボックスもない劇場で、これだけの高い質で味合わせてくれたのですから、ブラヴィッシモ!です。

 藤原歌劇団も、ヴェルディの色々な作品を、彼のタイトルロールでやれば良いのになぁ、と思います。

 今、大阪から帰りの新幹線の車中。また、近い将来いずみホールに来ることがあるような気がします。

トスカ、フリットリ降板

まずは、これをご覧下さい。

トリノ王立歌劇場 出演者変更のお知らせ

トスカの切符をフリットリで買っている方には、かなりショックだと思います。私は、あまりプッチーニ派ではないので、仮面舞踏会だけまず押さえて、トスカはどうしようかなぁと考えているところでした。

もともとフリットリは長いこと、トスカは唄っていないのです。本人も唄う気はなかったようなのですが、トリノの音楽監督のノセダと大変親しいので、彼から懇願されて受けたという話しを聴いています。

しかし、その後の喉の調子など色々と考えての降板になったのでしょうが、ちょっと残念ですね。2011年にMET来日で、ドン・カルロが歌えなかった時の彼女のブログには同情しましたが、(切符取っていたので、すごく残念でしたが)、今回はちょっと理解に苦しむなぁ。

もともと、この役を受けるべきではなかったのでは? それをあえて受けたなら歌うべきでは。まして、日本の観客にはMETで借りがあるはずです。

歌手が、自分の声に合わせて歌うレパートリーを制限することには賛成です。バルトリ、フローレスあたりが、その象徴的な歌手でしょう。一方でベルカントからヴェリズモに近いゾーンをトライして成功した、この前のフェニーチェのグレゴリークンデのオテロみたいな例もあります。

しかし、プロであるならば、逡巡するのは出演を承諾する前にしてほしい。そう言う面で、今、日本のプロモーター、オペラファンは海外から軽く見られているのでは、と心配します。ジャパンアーツさんはかわいそうですが、交渉力はないでしょうね。

全く残念なところです。

で、秘蔵の写真を一枚。。。。

th_バティストーニ氏と

椿姫、ハンガリー歌劇場、その後

土曜日の椿姫、とても良かったことをブログに上げました。さて、他の人はどう思ったのだろうかと、ブログ検索しあましたが、全然検索に引っかかってこない。いつもは1日で、検索ロボットに拾われる、このブログでさえ引っかかってこない。こんなの珍しいですね。Yahoo!でもGoogleでも。

なんか、ハンガリーオペラは虐げられているんじゃないですか? かわいそうに。あんなに良かったのだから、もっと速くブログを検索で引っかかるようにすれば、空席も少しは埋まると思うのですが。プロモーターも頑張っているんですからねぇ。

今週末は、大阪いずみホールに、シモン・ボッカネグラ見に行きます。チケット料金は安いけど、新幹線とホテル代。、二人だとけっこうかかりますね。ヨーロッパに行くときより、なんか交通費が惜しいような気がする。kmあたりにするとすごい高い。でも期待してます、堀内さん。

新型エヴァ・メイの椿姫に落涙!

ハンガリー国立歌劇場の椿姫に行ってきました。エヴァ・メイの椿姫を見るのは2回目。最初は伝説的になっている、2007年のチューリッヒ劇場来日でのメスト指揮の時だった。2幕目、3幕目が特に素晴らしく、ピアニシモに落涙。

普通、トラヴィアータで落涙するのは、一幕二場で、クラリネットの旋律で手紙を書くヴィオレッタのところに、突然帰宅したアルフレードとの熱烈な会話から、ヴィオレッタの絶叫の”Amami,Alfredo,Amami quant'io t'amo”(私があなたを愛しているくらいに、愛して)、そして”Addio!と舞台から去って行くところです。ここで、ヴィオレッタは事実上死ぬのですから。

カラスのジュリーニ盤を聞いていても、ここが一番グッと来ます。3幕目は静かなエンディング。ややオマケ的な幕というイメージもあります。そこを、このメイが唄うと、3幕目がキラキラと輝きます。何と言っても、彼女の消え入るようなピアニシモ、消え入るような声でありながらホールの奥まで届く美しい声。今回もこのソプラノは健在でした。

しかし、今回のメイが2007年と違ったのは、先ほど述べた"Amami,Alfredo",のところや、一幕目の夜会の場面で、凄みのある歌い方をしたこと。表現力がびっくりするほど出ているのです。メイというとベルカントで自然な声で歌うイメージですが、今日はスピントとは言いませんが、グイグイと引き込んでいく歌い方が諸処に聞かれました。また、演技もすごい!3幕目などベッドから落ちて転げ回るのですが、その演技はナタリー・デセイレベル。本当に熱演でした。デセイが正式に引退宣言をした今(知らない方もいらっしゃって「エーッ」かもと思いますが、6月10日メディアに出ました。下記ご覧下さい)

Natalie Dessay on ‘Becoming Traviata’—French Soprano bids ‘Adieu’ to opera stage

メイが演技派ベルカントの後をつぐのかも。ヴェルディはヴィオレッタしか唄わないのも、デセイとメイは似ています。

しかし、まあメイが良いのは織り込み済みとも言えます。メイは今、最高に油の乗ったヴィオレッタ唄いですから。

望外に良かったのはアルフレードと指揮です。テノールのペーター・バルツォ、名前も知らないハンガリーの歌手で、2011年にデビューした若手ですが、これが素晴らしいヴェルディテノール。乾杯の歌でびっくりしました。華がある中音域、かなり正確な音程、知的な感じのする表現力。これほど良いアルフレードは久々です。残念なのは、高音が弱い。Hi-Cを出したのは一度だけ。一幕目のヴィオレッタの幻想(?)の声を裏で唄う部分でも、Hi−Cは出さず、オクターブ下げていました。まあ、それも好感持てましたが。まだまだ荒っぽいところもありますが、これからが楽しみです。

3幕目のメイとのからみもすばらしく、「パリを離れて」はジーンと来ました。一幕目二場最初の「パリに金返しに行くぞー」のカヴァレッタも素晴らしい。ここは良くカットされるんですけどね。ペーター・バルツォ、名前覚えておきましょう。この人はイタリア語も非常に旨かった(と思う)です。

ジェルモンのミケーレ・カルマンディもなかなかでした。が、彼はヴェルディバリトンではない。低めのバスバリトンで、ホロトフスキーのようなタイプです。まあ、今ジェルモンを歌えるのはヌッチと堀内康雄さんくらいですから、しかたないですね。

スクリーンショット 6


びっくりしたのは、指揮のヤノーシュ・コヴァーチュ。東フィルの首席客演指揮者も務めているので日本でもおなじみの指揮者ですが、あまり聴いていないこともあって、特に印象はありませんでした。東欧の歌劇場の演奏に感心したことはあまりなく、今日も無難に"伴奏”だろうと思っていました。序曲は、無難なズンパッパで始まりましたが、1幕目から、舞台を引っ張っていくのです。「場を作る」という感じ。得に金管、木管を効果的に鳴らして、生き生きした音楽を作り出します。これは、老練な技というのか、遊びもあると感じました。指揮でもかなり楽しみました。しかし、肝心のオケ、特に弦のほう、もっと細かく言うとバイオリンの技術がいまいちで、これが残念。それに今日はものすごい湿気でただでさえ音響効果の悪い県民ホールで弦の鳴りには、悪い環境がそろっていたとは思います。

演出は、アンドラーシュ・ベーケーシュ、この人も知りませんが、クラシックながら要所に芸のある良い演出でした。一幕目と三幕目の序曲の間は、葬儀屋らしき黒服の人々が、ヴィオレッタの遺品を値踏みして持っていく、それを見ているアルフレードが壺を買い戻す、というシーンを作り、オペラ全体がアルフレードの回想というスタイルを取っています。この演出方法はゼッフェレリの映画版(レヴァイン指揮、ストラータス主演)を初め、いくつかあるスタイルなので、目新しさはありませんが、あまりしつこさがなくて(僕はゼッフェレリ版は嫌い)舞台のスパイスのようになっていて良かったと思います。

しかし、その程度だと、初めて「椿姫」を見る人には、何のことだかわからない可能性もありますね。このところはプログラムでフォローしてほしかったと思います。

二幕目のジプシーの場面では、ハンガリーバレエ団が素晴らしいバレエを見せました。フェッテまで入って、バレエが終わったところで大拍手。これは珍しいですね。ヴィオレッタの二幕目からの黒のドレスなど、衣装も素晴らしかったです。エンタテイメントとしても良くできてました。

いやー、今日の公演、S席¥22,000-で見ましたが、チケットポンテで半額になっていました。実際空席も多かったです。半額で見た人は得したと思うなぁ。椿姫、今年だけで5−6公演ありますよね。さすがにエヴァ・メイでも客を集めるのに苦労しているのでしょう。だとすると、藤原のBキャストあたりは相当厳しいのでは。そう言いながら、僕は今年4公演行きます。

さて、来週、土曜日22日はは大阪まで一泊二日の旅で、いずみホール主催の「シモン・ボッカネグラ」を見に行きます。関西地方の方にはこれはお勧め。同じ日にマチネでもう一回エヴァ・メイのトラヴィアータもあります。皆様、是非!

この週末はオペラのバーゲンだ!

この週末、土曜日(15日)はオペラのバーゲンです。バーゲンというと聞こえが悪いけど、非常に良いオペラが廉価で見られるのです。

ひとつは、ハンガリー国立オペラの「椿姫」、なんと言ってもエヴァ・メイのトラヴィアータが聴けます。彼女が日本でタイトルロールを演じるのは2007年のチューリッヒ劇場以来。あの時は素晴らしいピアニシモで、彼女が今のベストなトラヴィアータ唄いの一人であることを証明しました。あまりにも椿姫公演が多い今年、PRが足りないのか切符が余っています。(私は正価で買いましたが....)

横浜の神奈川県民ホール、15時からの公演のS席、A席が半額です!20,000円のところが10,000円で見られる。これは安い! チケットポンテにお問い合わせ下さい。 http://www.tponte.com/item_list.php?gid=3


もうひとつは、新国立劇場の「コジ・ファン・トゥッテ」。これは15日の14時からですから(要チェック)椿姫とのハシゴは出来ませんが、これも席が余っています。2011年に公演されてから日が浅いことが原因と思いますが、今回聞いた方々の信頼できる情報によると、今回は素晴らしいそうです。前回、ペーター・シュナイダーを指揮にかつぎながら、もったりしたモーツァルトで落胆しましたが、今回のアベルの指揮は素晴らしいそうです。歌手陣も前回とは一新、フィオルディリージ役のミア・バージョンを初め高レベル!行きたい!しかし、行けない。残念です。S,A,B席が残っています。B席で12,600円。もしかすると当日券でZ席も取れるかも。事前予約、もしアメリカンエクスプレスをお持ちなら、直接新国立に電話で予約されると、¥1,500-のシャンペンが飲めるチケットが着いてきます。もちろん他のドリンクも飲めます。

1万円で良いオペラを見る絶好の土曜日です。

http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000598_opera.html

アジアアメリカ交響楽団50周年記念

先週木曜日からロサンジェルスに行ってきました。マリーナデルレイに叔父と叔母など親戚が住んでいるのですが、大叔母が91歳で亡くなり、そのお墓参りに娘二人を連れて行ってきました。ちょうどその時に、叔父のTed Tokio Tanakaが15年間会長をやっている、Asia America Symphony Associationの50周年 "Bravo Award" コンサート&パーティがあったので、これに出席してきました。現在の音楽監督は,David Benoit(デヴィッド・ベノワ)、Snoopyの映画のJAZZ音楽の作曲家、ピアニストとしても知られ、日本にも良く来て、コットンクラブでライブをやっていますが、実はジュリアード音楽院を卒業し、クラシックをやっていました。

ですので、この交響楽団は、彼の作曲した交響曲を主に、日本、韓国、中国などアジアのゲストを呼んで、定例のコンサートを開く傍ら、日本での阪神大震災や、東日本大震災に楽器をたくさん送るなどのチャリティ活動を行っています。この日は、昨年、その役目を終えてロサンジェルスに到着したスペースシャトル”エンデヴァ−”をイメージした交響楽が発表されました。

日本の総領事以下、ロサンジェルスに住む日系の企業のトップやミュージシャンが集まり、とても楽しいイベントになりました。th_th_DSC02097.jpg
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ドイツレクイエム バルトリ&パーペ

ちょっと前になりますが、5月21日のザルツブルグの祝祭劇場で行われた、バレンボイム指揮のドイツレクイエム、「自己犠牲」をテーマにした、この音楽祭の最後を飾る豪華な歌手陣、ルネ・パーペとチェチリア・バルトリ。こういうコンビを聴くのは、バルトリとフローレスを生で聴くより難しいのでは?と思いました。

ブラームスはあまり知らないのですが、この曲は予習していきました。しかし、レクイエムって生で聴くと迫力がすごい。しかも僕達が座った席は一列目のほぼ真ん中、バルトリまで2メートル、バレンボイムまで4メートル、パーペまで5メートルくらいのところでした。ベストシートかどうかは?ですが。音が上を飛んでちゃうんですね。サントリーホールなんかもそうですが。

でも、この3大音楽家の表情を間近に見られたのは良かったです。バルトリは演目の最初、緊張しがちだと聞きましたが、その通りで、座って歌い出しを待つ間、かなり緊張して唇のぬれ具合を気にしていました。それに対して、ルネ・パーペは泰然自若。この人かっこいいですねー。この前のMETライブビューイングのパルシファルのグルネマンツ役でもそう思いましたが、燕尾服を着て、とどろくようなバスで唄うパーペはかっこいい。もちろん、バルトリもすごかったですが、音量の点ではやや不利でしたね。
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バレンボイムもブラームス振るのは得意でしょうから、とても良かったのですが、なんと途中でズボンのサスペンダーがはずれてしまったようで、ズボンがずり落ちてきて、それを指揮しながら一生懸命押さえてました。楽章の間になんとか、もう一度サスペンダーをはめようとして、ついに観客の失笑を買いました。口の悪い英国のブログには、He is loosing his pants.なんて書かれてました。

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公演が終わると、外は雨。僕達が去ったあと、ザルツブルグは大雨で洪水になったのですが、この時の雨はすぐに小降りになり、バーで一杯やってザルツブルグ最後の夜に乾杯しました。

話題のナブッコを聴きに(見に?)行ってきました

今、好評、不評で話題になっている、新国立劇場の「ナブッコ」を聴きに行ってきました。話題になっているのは演出ですが、これは後回しにして、まず指揮者のパオロ・カリニャーニは望外に良かったです。望外というのは、ただ今までに聴いたことが無いというだけの話しで、2011年に二期会でパリアッチを指揮したそうです。

序曲は、ややテンポが変わるところがあって、オヤっと思いましたが、これは多分、ステージ上のダンスに合わせたのだろうと思います。いざ、幕が開くと、実に力強い指揮で、かなりオケを鳴らします。ヴェルディの初期—中期、トロヴァトーレあたりまでは、鳴らすところは鳴らしてもらわないと、ヴェルディは堪能できない気がします。昨日聴いたバッティストーニの昨年のナブッコに
比べると、やや単調な感じはしますが、目をつぶって曲だけを追っていくとなかなか良いと思いました。

歌手では、先日新国立でアムネリスを唄ったばかりの、米国人メゾのマリアンネ・コルネッティのアビガイッレに期待したのですが、どうもアイーダの時のような気品のある声が聴けませんでした。声を張り上げているのはまあ許せるとしても、高音が安定しないのです。アムネリスで出していた表現力にも欠けるような気がしました。まあ、演出で舞台上を転げ回ったりさせられて、歌に集中できなかったのかもしれません。ルチオ・ガッロはナブッコのロールデビューとのこと。この人の美点である表現力は素晴らしいナブッコを作っていましたが、彼もまたもともと中高音域での音程がぶれるのが、かなり出てしまっていました。その代わり低音域では、こんなに美しく歌えるのかというパフォーマンスを聴かせてくれました。そう言えば、ドン・ジョヴァンニの時はすごく良かったですから、彼はヴェルディ・バリトンというより、バスバリトンなんでしょうね。大の日本ファンで、終演後は天ぷら食べに行ってたようです。

ただ、この二人の音程のぶれ、不安定は、今日だけだったかもしれません。ずーっと不安定だったわけでも無いですし。


良かったのは、フェネーナの谷口睦美。中音から高音までスーッと声があがり、悲しみのこもった声の表現力は素晴らしかったです。この人、脇役でしか聴いた事ありませんでしたが、すごい実力ですね。まもなくカルメンでタイトルロールを唄うとのこと。聴きに行きたいです。そして、アンナになんと安藤赴美子。唄うところが少ししかなくてもったいない。フローラみたいな役ですよね。でも光ってました。

まあ、多少歌手陣に難もありましたが、音楽と歌は充分鑑賞に堪えました。

僕が好きになれなかったのは、演出。これは生理的にも理屈的にも受け入れられませんでした。もうすでに色々な方がブログに書いていらっしゃりますし、褒めていらっしゃる方もいるので、あくまで個人的に嫌いということで、簡単に記します。

まず、幕の初めや、切れ目で、流れる日本語の大音量のアナウンスの説明。これは原作にはあるそうですが、今までナブッコの公演で聴いたことがない。ソレーラの脚本には無いと思います。宗教的なことを、場内アナウンスの感じで流されるので、まるでオウム真理教の講演にでも来た感じで、僕は不快でした。そして、グラハム・ヴィックの決めつけ。唯一神に対する日本人の考え方についてのべている、プログラムの12頁目も苛ただしいですが、次の頁に「ところで21世紀の今日、我々はどんな時に神からそっぽを向かれるでしょうか?私はそれを「人間がショッピングに走る時」だと感じています。」(原文のまま)を読んで、目が点になりました。それで、舞台をショッピングセンターにしたの?そういう極端な偏見を観客に押しつけるのはやめてほしいものです。読み替え演出は、ある程度、観客にも、どう読むかの自由を与えてほしいものです。それをアナウンスと、ショッピングセンターでのテロリズムという演出で、一切封じてしまったヴィックの姿勢。オペラには向かないと思います。小説でも書いたらよろしい。

そして、直訳すれば「ユダヤの民」、「イスラエルの人々」となるところを、字幕では、単に“人々”としてしまうというのは、ヴェルディとソレーラに対する冒涜だと思います。読み替えは良いです。でも、セリフまで変えてはいけない。先日のザルツブルグのノルマの読み替え演出でも、内容がややちぐはぐになっても、「ローマの人々」、「ローマが責めてくる」という脚本のセリフはそのまま使っていました。それをどう解釈するのかは、オペラを聴くものの自由ですが、その自由も与えずに、元の言葉を変えてしまってはいけません。これは、村上春樹の本の外国語版を、日本語の原作と変えてしまようなことです。

あとの細かいことは省きますが、この演出だけは好きになれません。まあ、オペラに正解は無いので、好き嫌いの問題です。私は嫌いということで、このオペラを好きな方にはお許し願いたいと思います。

オペラが終わった後、小劇場の前の池に鴨が子供を連れて泳いでいました。これが今日の慰めでした。

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バッティストーニ、ローマ三部作の幸せ

バッティストーニ&東フィルのローマ三部作、30日のオペラシティ、31日のサントリーホールと2夜連続で行って来ました。

初日:ローマの祭り、ローマの噴水が終わったところで20分の休憩。もう興奮して席から立つのにふらつく始末。ロビーに出て知人に会うと、思わずハグしたくなりました。何故かって、バッティストーニのタクトから出てくる音楽が奇蹟のように素晴らしかったんです。こんなレスピーギは聴いた事がない!音が風になり、香りになり、声になり、地鳴りになり、太陽になり、水になり、客席まで迫ってくるのです。そこはもうオペラシティではありません。レスピーギが見たローマそのものに、聴衆は立たされているのでした。まるで、”テルマエ・ロマエ“の時空間移動を体験したみたいです。

確信を持って指揮をしています。鳴らすところは、きっぱりと躊躇無くオーケストラを躍動させて鳴らします。ローマの場合、大音響になった後に、いきなりまた静かなトーンに戻るところが多いです。しかし、バッティストーニは、もう戻れないのではないかというところまでオケを持っていってしまって、その後平気で美しく着地します。とても知的で洗練されています。これが並の指揮者と違う。指揮をしている姿も魅力的。ビシッと立って、腕でオケの中からレスピーギの魂をつかみ取ってくるようです。何か、ムーティーを思い起こされます。

目を閉じたらもういけません。変な言い方かもしれませんが、まるで「ローマの三部作」というテーマパークのライドに乗ったように、体が宙を浮きます。

はじめて聴いたのは昨年の二期会のナブッコでした。その高い評判は聞いていましたが、序曲が始まると、その立体的な音楽にびっくり。序曲が終わったところで、客席からは大拍手とブラボー!すごい体験でした。その後、DVDでスティッフェーリオやアッティラを聴きましたが、やっぱり凄いなぁと思っていたのを、また今回のライブで再確認させられました。

オペラシティから帰宅して、すぐに金曜のサントリーホールのチケットを2枚、家内の分も一緒に取りました。

2夜目はCD録音があったとのことですが、木曜日とはまた違った指揮になりました。「祭」はやや突っ込みすぎたのか、テンポが上がりました。が、その分躍動感は素晴らしい。「松」は音の広がり感と休止符の美しさが目眩を起こさせるかのように降り注ぎ、出来は木曜日以上。もう大感動です。おまけにアンコールのなかった木曜に対し、金曜は、ラストの「アッピア街道の松」をもう一度演奏してくれました。これは、もう黄金演奏!もともとレスピーギ大好きなんですが、彼の音楽の本当の魅力を今知った感じです。

演奏が終わった後、オーケストラの皆さんが満足そうな表情で、笑っていたのがとても素敵でした。パートごとに丁寧に紹介して拍手を受けさせるバッティストーニ、とても26歳とは思えない落ち着いた仕草です。

この日は終演後、知り合いがちょっとお仲間とバーに寄るというので、家内ともど混じらせてもらいました。皆さん、何か話しをしないでは家に帰れない様子で集まりました。良い音楽は人を幸せにし、人と人をつなぎます。この2日間、僕はバッティストーニに幸せにしてもらい、新しい友人を得ました。

初日の終演後に、ほんの少しですが本人と話しをして握手する機会を頂きました。暖かい手でした。有難うバッティストーニ!また、すぐに会いたい! 

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