プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

マリエッラ・デヴィーア、イタリアの宝!!続き

「マリエッラ・デヴィーアも衰えた」と言う方もいらっしゃいます。「レオ・ヌッチも往年の輝きはない」と言う方もいらっしゃいます。確かに...... でも、この二人に言えるのは、その衰えた部分をそれぞれ表現力で補っていると思います。補って余りある.....というべきか。

デヴィーアはいつも日本に来ると長く滞在するようです。これは藤原関係の昭和音大でのボイストレーニングレッスンをすることなどもあるためらしいですが、イタリアではデヴィーアのスケジュールほどわからないものはない、(事実僕も去年キャンセルくらいました)というのに、日本での公演をキャンセルしたというのは聴きません。日本のファンはラッキーだと思います。

この日歌ったのは....

ヘンデル :《ジュリアス・シーザー》~“優しい眼差しよ”
     :《リナルド》~“涙の流れるままに”
ラベル : 5つのギリシャ民謡
リスト : 3つのペトラルカのソネット
シューベルト :《捨てられたディドーネ》~“どれほど慕っていることか
モーツァルト :《イドメネオ》~“オレステとアイアーチェの苦悩を”
     :《ドン・ジョヴァンニ》~“恋人よ、私を不親切な女と思わないで”
ドニゼッティ :《連隊の娘》~“私は出発します”
     :《ロベルト・デヴェリュー》~“生きるがいい、裏切り者よ…..あの流された血は”
そして、アンコールはトスカとマノンから......

みんな良かったんですよ。だけど、なかなか聴けないラヴェルの小品が素晴らしかった。それと最後のロベルト・デヴェリュー。凜として気品があって、これも素晴らしい。グルベローヴァが何度も歌っていて、2011年のバイエルン歌劇場での来日もまだ記憶に新しいのですが、デヴィーアのエリザベッタは、ホント気高いです。彼女の歌は、歌詞が宝石のように出てきて、音程が正確。声はあくまで自然に、たおやかに、でも他を寄せ付けない孤高の山のような美しさがあります。マリア・ストゥアルダとかも聴いてみたいですね。過去のリサイタルでは、Casta Divaも歌っていますね。今回は、ヘンデル、ラヴェルを入れて新境地を見せたという感じなんでしょうか。

彼女の昭和音大でのレッスンは公開されていますが、すごいらしいです。まず、ほとんどの生徒がイタリア語の発音の瑕疵を指摘されて、歌のレッスンまでなかなかいかないとのこと。いやー、おっかない先生でしょうね。

アンコールのトスカ、リサイタルでは良く歌われているみたいですが、僕は初めて聴いたので衝撃を受けました。ベルカントのトスカ!(前のブログに書いた通り)

プロムジカは頑張ってます。本当に音楽が好きな人が集まった事務所。学生に無料で桟敷席を開放しています。Bravissimo!!ですね。


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マリエッラ・デヴィーア、イタリアの宝!!

昨日は、オペラシティでデヴィーアのリサイタル。やっぱり凄かったぁ!今日は、速報(速くないけど)だけです。アンコールは2曲、トスカとマノンから。Vissi d'arte, Vissi d'amore が出るとは思わなかった。トラヴィアータで歌った3幕のアリアかと期待してたんですが。

しかし、このトスカは凄かったです。ベルカントで、泣きの入らない「歌に生き~」なんて初めて! 戦慄が走りました。美しい。今まで聴いたどのトスカより、このアンコール一曲で感動しました。もし時代がいっしょだったら、デヴィーアはスカラ座の横のカフェでテバルディの代わりにカラスと喧嘩したのでしょうか?

昨日のデヴィーアはイタリアの歴史を背負っていました。テバルディ、スコット、フレーニ.... 

詳細は週末に。。

久々のヴィヴァルディ

9月20日、東京フィルハーモニーの定期公演のお誘いを頂き、サントリーホールに行って来ました。ヴィヴァルディの四季を生で聴くなんて、昔イ・ムジチで聴いて以来20数年ぶり。ヴァイオリンソロは2009年に16歳で権威あるハノーファーのコンクールで優勝した三浦文彰。東フィルコンサートマスターの三浦章宏氏の息子さんということで、今回初めて親子共演を果たしたそうです。お父様は、演奏終了後文彰氏の握手に応え、ハンカチで汗をぬぐっていましたが、きっと涙していたのでしょう。感動のシーンでした。

文彰氏の演奏、素晴らしいです。清冽という感じで、ヴィヴァルディの指揮を絵画的に表現していきます。これがまた、イケメンでかっこいい!まるでのだめカンタービレの千秋みたい。人気出るでしょうねー。ヴァイオリンはがダニーニ、ストラスヴァリウスと違って、渋めの音ですが、やはり良いです。

僕が初めてクラシックに脚を踏み込んだのは、良くあるパターンで、Jazzからグレン・グールド経由バッハでした。20代前半のころ。それまでは、ボサノバ、ジャズファン(今でも)でした。初めて聴いた無伴奏チェロは、論・カーターでしたから。それで、バッハの有名な曲を聴きまくっていたら、CDなるものが登場。初めて買ったCDは、オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲BWV1044、トレヴァー・ピノック&イングリッシュコンサート盤でした。¥3,500-しました。今なら¥10,000-くらいの価格感ですね。70年代後半から、イタリアンバロックの小ブームがあって、イ・ムジチやイタリア合奏団、ローマ合奏団とか流行ましたね。でもイタリアンバロックと言っても、ヴィヴァルディが7割くらいで、あとはスカラルッティ、コレッリ、アルビノーニくらいで、やたら四季ばかり演奏されてました。あの時は「もういいや」と言う感じましたが、今改めて聴く機会を得ると、素晴らしい曲です。ヴィヴァルディはヴェネチアの司祭だったのですが、曲にもヴェネチアの空や夕陽のイメージが感じられます。

目をつぶっていたら、僕の20代が戻って来たような感じでした。

で、余談ですが、その後ボッケリーニに取り憑かれるんですが、これはイタリアンバロックからの当然のルートというと、バッハの無伴奏チェロでカザルスを聴いて、カザルスが世にだしたとも言えるボッケリーニにたどりついたとも言えます。ボッケリーニのチェロ協奏曲変ロ長調G482第1楽章アレグロモデラートを聴くときは背筋を正します。カザルス盤の試聴サイトは見つからないんですが、これ是非聞いて下さい。チェリストのStéphane Tétreaultは、録画touji82007年)なんと13歳:http://www.youtube.com/watch?v=cJhIX5M8lyI
これ聴くと、かなりロッシーニに影響与えているんじゃないかと思います。オペラよりもロッシーニの室内楽聴くとそう思います。

それからレスピーギに行き、でヴェルディという感じでしょうか?

イタリアンバロックの旅ってのを開催してくださいと、ある旅行社にお願いしましたが、3人位しか集まらないだおろうから無理と言われました。今、室内楽だと何が流行っているんでしょうかね。

実は今日も、同じ東フィルでストラヴィンスキーのバレエ曲「プルチネルラ」をやるので行きたいんですが、仕事で無理そう。これ、バレエは見たことないんですけど、音楽が大好きです。

と言うわけで室内楽を聴きたいなぁと思っていた時に、タイミング良く素晴らしいヴィヴァルディを聴くことができました。

さて、本年度もあとワンクォーター

さて、スカラ座も帰りました。あれ、まだだ。アイーダが残っていた。興奮しまくりの10日間でしたが、冷静に思い直してみても、やはりファルスタッフは良かった。歌手は6日、指揮は14日が良かった気がしますが、少なくともオペラに関してはハーディングのほうがドゥダメルよりもクォリティが高かった思います。GALAはどうだったのでしょうね。一方、レオ・ヌッチは、こんなすごいリゴレットを聴くと、なんとか後ナブッコとフォスカリをヨーロッパに行ってでも聴きたい!と思うばかりです。なにしろスカラでもローマでもナブッコを歌っていますし、フォスカリは去年のパルマで聴き損ねましたが、それでも時々歌っています。あー、来年のローマ歌劇場来日でナブッコ歌ってくれればなぁ。(シモンは聴いたし、フリットリがいるので、どちらかと言えばナブッコを聴きたいのです。)

さて、先週末に、これから年末までの観劇予定を全部チェックして、整理し直しました。で、次の通りです。

2013/9/25 マリエッラ・デヴィーアリサイタル オペラシティ
2013/10/5 オベルト              テアトロジーリオショーワ
2013/10/12 高橋薫子ミニコンサート          シルバーマウンテン
2013/10/17 ファルスタッフ            ブッセートヴェルディ劇場
2013/10/18 群盗                 パルマ歌劇場
2013/10/19 ドンカルロ               ミラノスカラ座
2013/10/26 ムーティ講演会 オーチャードホール
2013/10/27 ヴェルディ特別演奏会 国立音大
2013/10/30 ムーティー指揮「ヴェルディの夕べ」 すみだトリフォニー
2013/11/3 ルイゾッティ指揮レクイエム    サントリーホール
2013/11/10 サンティ指揮シモン・ボッカネグラ NHKホール
2013/12/1 ホフマン物語 新国立
2013/12/7 トリノ王立仮面舞踏会 文化会館
2013/12/10 堀内康雄、佐野成宏リサイタル 紀尾井ホール
2013/12/14 交響楽ヒロシマ            東京芸術劇場

こんな感じでしょうか? まだチケットを取っていないのは、レクイエムと堀内康雄&佐野成宏リサイタルです。ちょっと自分の都合がまだわかりません。楽しみにしているのはもちろんイタリアでの3公演、特にヴェルディ歌劇場は滅多に行けるところではない(260名定員)ですし、そこでレーナード・ブルゾンがファルスタッフを歌うのですから今から興奮してしまいます。群盗も日本にいては聴けないでしょう。ドン・カルロはファビオ・ルイージ指揮、パーペ、サルトリ、セラフィン、グヴァノヴァ、カヴァレッティという豪華なキャストです。

国内の公演では、ムーティのヴェルディの序曲を集めたコンサートも楽しみなのですが、サンティ指揮のシモン・ボッカネグラ(演奏会形式)も楽しみです。これはチケットも高くないですし、(S席で¥8,500-、E席なら¥1,500-) 歌手もイタリアの若手が出てきます。お勧めです。

そして、僕の大好きな高橋薫子さんのミニコンサートが洗足学園のシルバーマウンテンであります。日本の歌曲とロッシーニをかなりたくさん歌います。これも大々的にお勧めします。シルバーマウンテン、今回初めてですが、新しい素敵な小ホールです。このコンサートのために先週ピアノもヨーロッパから届いたそうです。¥2,000-で、日本の屈指のベルカントソプラノが聴けるのですから、これは絶対行かなくては。。

で、もちろんトリノの仮面舞踏会。これは今年最後の大物です。今イタリアではミラノスカラ座かトリノ王立かと言われるくらい評判が良い。トリノの場合は指揮者ノセダの功績でしょう。ヴァルガスのリッカルドは良いと思いますよー。ノセダ指揮の音楽もすごく期待できます。音楽については正直、スカラ座公演より期待できると思います。残念なのはフリットリがトスカを降りた事ですが、フリットリファンとしては良い判断だったと思います。また、ファンティーニも全く悪くないトスカ歌いですし、ちょっと張り込むならこの2公演ですね。

あとは、できれば室内楽をひとつ、バレエをひとつくらい入れたいですね。これから調べます。998954_679862352037400_1257249264_n.jpg

スカラ座は偉大だ!

ここ10日間で、ヴェルディのオペラの公演に5回(トラヴィアータx2、リゴレットx1、ファルスタッフx2)も行ってしまいました。いくらかかったか計算するのも恐怖です。おかげで仕事が山積み(当然ですが...)。今日は台風でどこにも行けないので仕事してました。本当は、スカラ座の来日公演もまだ終わってなくて、今日はGALA、19日はアイーダの演奏会形式。アイーダのほうはだいぶ悩みました。新国立でのヘー・ホイのアイーダはまだ耳に残っています。それに、ファルスタッフで素晴らしいパフォーマンスをした、バルッチェローナとマエストリが加わるんですからこれは良いでしょう! GALAはドゥダメルの演奏を聴いてみたい気もしますし。

しかし、仕事しないとヤバイので涙を飲んで2公演パス。

それでも、今回はファルスタッフにスカラ座の凄さを感じました。カーセンの演出はスカラ座とロイヤルオペラの共同制作ですが、それでもスカラ座の新しい香りがしました。そして、何よりこれだけ豪華な歌手、指揮者を引っ越し公演で持ってこれるのはスカラ座ならでは。この後、このプロダクションはMETに行きますが、キャストはだいぶ違います。こんな感じ.....

Conductor: James Levine
Nannetta: Lisette Oropesa
Alice: Angela Meade
Mrs. Quickly: Stephanie Blythe
Meg Page: Jennifer Johnson Cano
Fenton: Paolo Fanale
Falstaff: Ambrogio Maestri
Ford: Franco Vassallo

フリットリもバルッチェローナもいないんですね。ただ、元気になったレヴァインの指揮は聴いてみたいです。馬はコネチカットあたりから連れてくるのでしょうか?ちなみに、フリットリはミラノの公演では体調不良により降板していますので、このゴールデンキャストは日本だけへの贈り物ですね。

もうひとつの公演、リゴレットも凄かったですが、これはスカラ座が凄いというよりはヌッチが凄かった。スカラ座に拍手をしたいのは、演出を日本用にデフロで持ってきてくれたことでしょうか。あとは、ヌッチにbisさせてくれたこと。いや、させてあげたのか、ヌッチが勝手にやったのかは知りませんが。完全にイタリアにワープしました。

しかしやっぱりスカラ座すごいです。今年はフェニーチェもすごかったし......。イタリアの劇場は資金難ですが、その底力はすごいと思います。今度、スカラ座は総裁がリスナからペレイラに代わるとどうなるのでしょうか? 多くの人が、ペレイラのチューリッヒでの業績を思って期待しているようですが、あの人もオペラ人かというと? チューリッヒの功績はむしろメストにあるのでは。そして、あまり知られていませんが、ザルツブルグ音楽祭の芸術監督として故郷に錦を飾ったペレイラですが、2年でそれまで黒字だった音楽祭を真っ赤っかにしてしまったそうです。

その点では、負債を半額にしたリスナのほうがコストカッターとしては優秀かも。。

10月には、パルマ、ブッセート、ミラノにViva Verdi 200歳おめでとう観劇(という名前が付いているわけではなく、自分でそう言っているだけです)に行きます。スカラ座では、ドンカルロ見ます。指揮がルイージというのがいいです。 パーペ、サルトーリ、セラフィン、 グバノヴァ、カヴァレッティ。最初の二人以外は初めて生で聴きます。これも楽しみ。ただ、僕はパーペのフェリペ2世ばかり3回ほど聴くことになります。本当はフルラネットあたりで聴きたいなぁ。マルティナ・セラフィンはスピントっぽいみたいですが、なかなか評判良いですね。この人、トゥリオ・セラフィンの娘かなぁ。

スカラ座、やっぱり特別なオペラハウスです。なんかワクワクします。

ファルスタッフ2回目

スカラ座のファルスタッフ最終日のチケットをオークションで入手して行って来ました。上野駅の横断歩道を渡ったら、楽屋口で入り待ちをする友人と会いました。僕は無精なので、入り待ちも出待ちもしないんですが、ちょっと話していたらマエストロが黒い車で到着。プログラムにサインしてもらいました。ハーディングは感じいいですねー。この前のサッカーの試合の告知もとても良い感じだったし、今日も " How was the football match?" と聞いたら、""Oh it wwas very good.”と返してくれました。ま、当たり前と言えば当たり前ですが、公演前はピリピリしていてサインに応じない指揮者も多いそうですから。

今日は最終回ということで期待していましたが、ちょっと歌手の皆さんお疲れ気味のようでした。特に男声が。マエストリは少し声がかすれそうになったり、音程がゆらぐところがあり、ポーリも高音の抜けが悪いように感じました。それに比べて女性陣は、パワフルでしたね。今日は2回目の観劇なので、歌手の表情や衣装に気を取られずに歌とオケに集中しました。やっぱりフリットリの柔らかく明るい声、素敵です。来年のローマ来日の際のシモンボッカネグラでのアメーリア、考えただけでワクワクしますね。シモンがヌッチだったら言うことないですけど、それじゃギャラが高くなりすぎますよね。ムーティの指揮だし。

ところで、スカラの皆さん、東京のイタリア大使館のパーティで歌いまくってるんですねー。こりゃ楽しそう。ここに招待してほしい。でも、これでくたびれちゃったんじゃないかなぁ。

ハーディングの指揮は、こちらにちゃんと聴く余裕が出たからかもしれませんが、6日よりも自由に振っていた気がします。特に3幕目は良かったなぁ。

ただ7日は、馬がマエストリの歌に合わせて絶妙なタイミングで”ブヒーン!”と鳴いたのに、今日は曲に乗り遅れたのか、不発でした。

そして、じっくり見てやっぱり凄いなぁと思ったのは、カーセンの演出。本当に洒落ています。ヴェルディの最後の作品をよーく理解して作ったことがわかります。ヴェルディは晩年ミラノのメインストリート、マンゾーニ通りにある"グランホテル エ ミラン"に住み込んで、暮らしていたそうですから、そのイメージもいれたんじゃないのでしょうか?

話がだんだん広がってしまうのですが、ヴェルディにこんな洒落た、自分をジョークの種にするような作品をかかせたのは、きっかけはリコルディですが、実際にはアリーゴ・ボイートがいなければこの作品も、その前のオテロも、そしてシモンの改作も出来なかったでしょう。自分自身がオペラ作曲家で、「メフィストーレ」という作品(失敗と言われていますが)を作曲し、どちらかと言うとヴェリズモの一人としてヴェルディを批判していた彼が、なぜ気むずかしい老人相手に3本も脚本を書いたのでしょうか? ピアーヴェみたいに従順だったとは思えませんし。 そして、また、ヴェルディも最初はイヤイヤだったのですが、最後はボイートと二人三脚でファルスタッフを仕上げています。これもおもしろいですね。ここらへん、もっと知りたくなってきました。

スカラ座は、まだ東京でGalaとアイーダの演奏会形式がありますが、僕はこれは仕事の都合で行けません。今日が最後です。でも来月中旬には、ミラノに行くので"ドン・カルロ”が聴けます。僕の好きなサルトリが出るので楽しみです。

今回のスカラ座来日、音楽監督、主任指揮者不在が、やはり不満な面はありましたが、全体としては「やっぱりスカラ座はすごーい!」というイメージを持ちました。イタリアオペラファンとして、またヴェルディ生誕200年の今年の公演として、とても嬉しいことでした。

さて、10月10日はヴェルディの200歳の誕生日。これも楽しみです。

スカラ座 "リゴレット” ヌッチに後光が!!(続き)

いやぁ、すごいことになっています。何がって、フェイスブックやブログその他ネット関係すべて、オペラ好き、評論家、声楽家、音大生、音楽関係マスコミの方など、皆さんがスカラ座の公演についてジャンジャン投稿。コンピューターのお知らせ音が鳴り放し。中には、出演者、指揮者全員と頬をくっつけて写真を撮った猛者もいます。

しかし、今回ほど指揮に関して意見が分かれる公演も珍しいのでは。。歌手の評判も一部分かれていますね。しかし、ヌッチについては皆、ベタ褒め。今回のヌッチはここ数年でも最高です。

それと、おもしろい話を少し。。発表していいことだけ。

ハーディングが10日に、サッカーの試合をやろうともくろんで、自身で発表の様子を動画アップしたんです。「皆さん、明日夜8時から、リゴレットチームとファルスタッフチームで試合やるから見に来てくださいねー、場所はあとでツィッターで」

ところが、場所の発表無し。どうやら参加者が少なすぎて、室内でフットサルをなんとかやったのだけど、観客は入れられなかったとのこと。盛り上がってたのは、大のサッカー好きのハーディングだけだったみたいです。そりゃそうだよね。前の日も翌日も公演があるんだから。

あとは、ご存じでしょうが9日のリゴレットはNHKの録画が入っていましたので、BSで放送されますね。

あーー、また、フェイスブックがピンポンなっているぅ!

追記しました。「スカラ座 "リゴレット” ヌッチに後光が!!」

ただ、オーケストラはとても良かったのです。さすが、スカラ座のオケ。これはファルスタッフの時も感じましたが、弦の音、金管の音が通常ではない!のが、すぐにわかります。それから打楽器も明らかに音が日本のオケと違う。木管は僕の性能の悪い耳ではあまりわかりませんでしたが。昔、スカラ座のオケは、来日公演の合間や終了後に、「スカラ管弦楽団」と銘打って、指揮者無しで15人くらいの編成プラスバンドネオンなどを入れて、素晴らしい演奏会を紀尾井ホールでやっていました。これを聴くと、指揮者なくてもここまで出来るんだと思いましたが、昨日も指揮者のオペラ下手(あくまで個人意見です、ドゥダメルを評価している方、すみません)をオケが救っていた気がします。これは、合唱も一緒。スカラ座の合唱を聴くと、きれいにそろっている合唱が最高だと思わなくなります。

スカラ座 "リゴレット” ヌッチに後光が!!

9日の公演が大評判になっていたので、今朝は興奮して早起きしてしまいました。彼のリゴレットを生で聴くのは初めてですが、日本のリサイタルで、「悪魔め、鬼め」や「復讐だ!」を何回か聴いていて、それだけでも舞台にワープするような迫力だったので、今日は本当に期待していました。で、その期待以上の今日のヌッチでした。

ヌッチも歌い始めは、いつもやや安全運転なのですが、今日は第一声から全開!"Pari siamo"では「今日はすごいな、こりゃ」という感じ。

二幕目に入り、絶好調。大好きな"悪魔め、鬼め”は、何度も(CDも含め)聴いているのですが、不覚にもまた落涙。歌も素晴らしいんですが、完全にリゴレットになりきって、怒りに震える演技が心を揺さぶります。「リゴレット、かわいそう....」と思ってしまうんです。そして、いよいよ初日にbis(劇中アンコール)のあった "復讐だ”で幕が閉じ、その後カーテンコールで現れたヌッチに、僕や他の観衆も”ビーースッ”。 僕のいた席は招待の方も多かったようで、きょとんとされていた方もいました。

スカラ座では、公式にはbisは禁止されているとか。リスナー総裁の意図か、昔からの伝統なのか知りませんが、初日のbisに応えたヌッチにスカラ座のマネージメントが苦言を呈したという噂があります。で、2日目のこの日、bisに応えるまでちょっと、ジルダ役のアレハンドレスや指揮のドゥダメルと相談をするような仕草。でも、やってくれました!やったぁ。実はオペラ友達とは「bisしようぜ」と前もって声を掛け合っていましたので、これも功を奏したと思いたいです。いざカーテンの前でヌッチが声援に応えて歌い出すと、僕のまわりに座っている方々は、最初は冗談だったのかと思って笑いが漏れましたが、すぐアンコールと気付いて大拍手。ヌッチはこうやって観衆も育てるんですよ。僕も育ててもらいましたが。。たしかに、カーテンの前でのbisなんて、イタリアだってそう簡単には聴けません。まして日本では......もしかして初めて??

もー、ダメ。鼻水も出てきました。ようやく、休憩になって、真っ赤な目をしてロビーに出たところで、知り合いの主催者の方に出会ってしまい、恥ずかしいこと。。

三幕目は、もっとすごかったです。72歳のヌッチは50歳の頃と違って高音が弱くなり、その分中低音の表現力で勝負という新しい境地を開いたのですが、今日は、その高音が三幕目で戻って来たと思います。輝くような声。

この1年半で、3回ヌッチを生で聴きました。チューリッヒでのシモン・ボッカネグラも素晴らしかった。そして、このリゴレットも。本当はその間にパレルモで"二人のフォスカリ”も聴く予定でしたが、これはかないませんでした。でも、晩年の最盛期(?)ヌッチの素晴らしいパフォーマンスを聴けたこと、本当に幸せだと思います。

さて、ヌッチ以外はどうだったのか? まあ、ヌッチと仲間達という感じですね。バレエで言えば”ルグリと仲間達”みたいな... でもルグリの友達はデュポンやギエムもいるなぁ。今日は"ヌッチと弟子達”かしら?

ダブルキャストのベッルージとアレハンドレスは、初日も聴いた知人二人共が、「9日のデムーロ、モシュクのほうが良かった。」と言っていました。うーん、残念。。ベッルージはスケール感と公爵の無責任な明るさに欠けましたが、軽いベルカントっぽい良い声で個人的には好きでした。しかし、アレハンドレスは.... 一生懸命、このチャンスにかけて歌っているのはわかるのですが、幕がかかったメゾソプラノみたいで、歌い方もなんか古くさいんです。聴いていると、比較する対象がサザーランドとかスコットとかモッフォとか、昔の歌手を思い出してしまいます。で、彼女らにはかなり及びません。ま、このくらいにしておきましょう。

ドゥダメル。これは評価が分かれているようですが、僕はあまり好きになれませんでした。まず最初から序曲が遅い。交響曲的と言えば言えないこともないんですが、緊張感にかけます。そして、一幕目から終わりまで、各所で歌手とテンポが合わないところがありました。特に聴かせどころの四重唱はがっかり。ただ、これは歌手の問題もあると思います。もしかしたら、NHKホールの悪い音響、深いステージの奥と手前での音響の違いも原因かもしれませんが、このホールで充分練習もしたはずなので、やはり指揮者がまとめて欲しかった。ハーディングもオペラが大得意な指揮者ではありませんが、彼の方が健闘(というか自重)していました。皆さんが言う「鳴らしすぎ」というのは、そんなに感じなかったですが、それよりテンポの変化が不自然だったと感じました。指揮者については、その意図をできるだけ汲もうと、僕なりの力で考えるんですが、初日、拍手をする間を与えなかった”女心の歌”の後、今日も間を取ることなく、拍手をさせずにすぐに演奏を続けました。これは、確信犯ですね。かなりオペラの観衆を無視したやり方じゃないかなぁ。ドゥダメルは特にスカラ座に縁のある指揮者でもないです。若手起用なら、何度も言いますが、イタリア人で、ルイゾッティ、バティストーニ、バッティストーニ、バルトレッティ、マリオッティ、ま、ちょっと格が上がりますがカルロ・リッツィとかきら星のようにたくさんいるのに、なんで、わざわざベネズエラ人、オペラをあまり得意としない指揮者を持ってきたのか、理解に苦しみます。

ただ、オーケストラはとても良かったのです。さすが、スカラ座のオケ。これはファルスタッフの時も感じましたが、弦の音、金管の音が通常ではない!のが、すぐにわかります。それから打楽器も明らかに音が日本のオケと違う。木管は僕の性能の悪い耳ではあまりわかりませんでしたが。昔、スカラ座のオケは、来日公演の合間や終了後に、「スカラ管弦楽団」と銘打って、指揮者無しで15人くらいの編成プラスバンドネオンなどを入れて、素晴らしい演奏会を紀尾井ホールでやっていました。これを聴くと、指揮者なくてもここまで出来るんだと思いましたが、昨日も指揮者のオペラ下手(あくまで個人意見です、ドゥダメルを評価している方、すみません)をオケが救っていた気がします。これは、合唱も一緒。スカラ座の合唱を聴くと、きれいにそろっている合唱が最高だと思わなくなります。

しかし、このようなネガティブ要素をはねのけて、延々と続くラストの拍手を招いたのは、ヌッチです。彼も、今日の自身の出来には満足していたようで、ハイテンションでした。ヌッチの人柄の素晴らしいのは、色々なところで聞きます。今日も率先して観衆と握手、抱き合っていました。シモンの時もそうでしたが、彼の舞台では、最後にマエストロが出てきた後に、ヌッチ一人がカーテンコールでしめないないと拍手が終わらないんです。 そんなスーパースターは男声では、あとはドミンゴくらいでしょうか? 両者ともに72歳?よく頑張っているというか、後継がいないというか。。。

演出まで筆が届きませんでしたが、デフロの演出、素敵でした。当初はボンディの現代演出でそのままやる予定だったそうですが、クラシックで美しいデフロの演出のほうが日本では受けるとの判断があったようですね。感謝。ただ、METのメイヤー演出(ラスベガスの)みたいなのも良いですけどね。

ともあれ、大満足なリゴレットでした。残念ながら15日のチケットはすべて売り切れ。ファルスタッフは14日のチケットをなんとか、今日入手したので2回目行って来ます。

昨日のリゴレットは行くべきだったなぁ

 昨日のリゴレット初日、ヌッチが凄かったようですね。日本では珍しく bis (劇中アンコール)がかかって、ヌッチがカーテンコールでそれに応えて、2幕目最後の「復讐だ」を歌ったそうです。イタリアではヌッチはここでよくbisしてますが、日本では初めてではないでしょうか?  僕も、bisはシラクーザがチェネレントラでやったのと、あと誰か一回やったのくらいしか出くわしていません。たしか、ナブッコの「黄金の翼に乗って」だったかなぁ。

でも昨日はbisを、ブーイングと間違えてツィッターに流した人も多いようです。たしかに、音楽評論家でもDVDでbisをブーと取り違えて解説している人もいますからねー。 "Ancora una volta! "なんて叫ぶ人もイタリアにはいるようですが、これは言葉としては長い!

昨日の公演に行った友人、知人から休憩時間にメッセージが入るので、ネットの野球中継みたいでした。行きたかったなぁ。初日は避けたのですよね。それと、先日書いた、ジルダとデュークの配役のところで明日の公演の切符取ったのですが.... 明日も、みんなでbisしますよ! bisの練習してからNHKホールに入ります。

ヌッチのbisの様子は、http://www.youtube.com/watch?v=2BbuBNrQG38 でご覧下さい。パルマです。本当にカーテンの前で歌ってます。

あと、昨日の公演の様子は、加藤浩子さんのブログを是非ご覧下さい。 http://plaza.rakuten.co.jp/casahiroko/

さて、僕はファルスタッフの14日のチケット取りました。どうしてももう一回見たくて... で、明日リゴレット見ると、これもまた見たくなってしまいそうで怖いですー。

藤原歌劇に新しいスター誕生!

藤原歌劇団のトラヴィアータの9月7日の公演に行って来ました。タイトルロールから殆どのキャストが若手中心の日本人でフレッシュな公演でした。

なんと言っても、ヴィオレッタの佐藤亜希子、初めて聴きましたが魅了されました。藤原で初めての大役、それもデヴィーアとのダブルキャストということで、一幕目は相当緊張していました。しかし、素晴らしい高音への持って行き方。正確で美しい。何より華のある明るい、そして強さもある美しい声。「これは、緊張がほぐれた2幕目以降良くなるぞ!」と聴衆はみんな思ったと思います。でもって、一幕目終了で"Brava"の嵐! 佐藤さん、これは予想していなかったのと、緊張でカーテンコールで鉄砲玉を喰ったように、丸く目を開けてびっくりしていました。新人らしくて良いですね。

そして、二幕目。やっぱり良い!断然良い。ややスピント寄りの力強い声です。ですからデヴィーアとは歌い方も全然違う。"Morro"のところは、机を叩かんばかりに。 "Amami Alfredo"のところは、オケの盛り上がりを超える盛り上がりで..... ここのところは、いわばトラヴィアータの定番のクライマックスなんで、聞き慣れてしまっているのですが、この日は久しぶりにジーンと来ました。そのくらいうまい。もう新人なんて感じではないです。昨日も書きましたが、スカラ座のプログラムに「イリーナ・ルングは2007年にゲオルギューの代役でスカラ座ヴィオレッタを歌って、羽ばたいた」とありますが、この時実際にルングを聴いた僕としては、佐藤亜希子さんの方が全然うまい!と言いたい! 3幕目の手紙を読むところ、"E tardi"のところも、凄みがあって感動しましたね。だいたい手紙読むところで、ガックリすることが多いですから。ゲオルギューより全然いいぞー。イタリア語がイタリア語に聞こえるし!

そして、ビジュアル的にも素敵です。こんな人を藤原は隠しておけるくらい層が厚いんですね。

佐藤亜希子

そして、アルフレード役の西村悟、彼も良かったですね。31歳、バスケットボールをやっていたという長身、イケメン。この日の二人は美しかったですね。西村さんも華があって明るいテノール。こちらは、まさにベルカント。中音で時々音程がはっきりしない時があったり、オケを置いていきそうに早くなってしまったところがありましたが、そんなことは微細なことでこれから直って行くでしょう。若手テノールとしては糸賀修平さんに注目していますが、また楽しみな人が出てきました。村上敏明の「藤原のプリモ・テノール」の座も安泰ではないかも。。

バリトンの須藤伸吾、彼も40歳になるかならないかと思いますが、素晴らしいジェルモンを聴かせてくれました。ヴェルディバリトンとしてはやや低めですが、こもらない声質で、表現力、安定力がある歌唱。二幕目のヴィオレッタとのやりとりが段々二重唱になっていくところ、本当に聴き応えありました。Di Provenza il mar もBrabvo!! ホロストフスキーよりいいぞー! ともすれば、Bキャストと呼ばれそうなこの日の公演でしたが、とんでもない!完全にAキャストのダブルキャストでした。

ただ、5日の時にも思ったのですが、Di Provenza il marの後の、ジェルモンのカヴァレッタ、オロオロしながら息子に「いやそんなつもりじゃなかったんだ..」というのを入れて欲しかったですね。あれと、二幕一場の「パリに金返しに行くゾー」のアルフレッドのカヴァレッタと対になって、ジェルモン親子の甘々な世界観が見えるんです。

佐藤亜希子さん、ピアニシモも美しい。三幕目も見応えありました。でも、デヴィーアが三幕目にピークを持ってきたのに対して、彼女は二幕目二場でしたね。こういう違いがあるダブルキャストはとても得した気になります。

園田隆一郎の指揮は、この日のほうが歌唱に合っている感じがしました。ただ、良くを言えば、指揮はダブルキャストには出来ないでしょうが、仮面舞踏会で実にイタリア的な指揮をした、若い柴田真郁の指揮でも聴きたかった気がします。

去年から、必ず聴いている藤原の定期公演。数年前には藤原の落潮が伝えられましたが、そんなこと全然無いですね。イタリアオペラはやはりポイントを押さえて、楽しく聴けます。

ただ、ソプラノに関しては層が厚すぎて、歌手に主演の順番が回るのに時間かかりすぎる感じがします。僕は、夢遊病の女を聴いて、高橋薫子さんのベルカントにはやられました。やっぱり、彼女は藤原の中でも別格だと思うんです。もっと色々歌ってほしいなぁ。ツェルリーナは素晴らしいのを聴いたけど、ロジーナは聞き逃しているし.....
個人的にはヴェルディも歌って欲しいのです。。

ともあれ、満足な藤原のトラヴィアータ x 2でした。

スカラ座来日「ファルスタッフ」

スカラ座来日公演、ファルスタッフの2日目、9月6日の公演に行って来ました。ファルスタッフは、まだとてもセリフの内容を覚えていないんで、この日の4階Rの最前列(プレミアムエコノミー券)は、舞台と字幕が視線の移動が少なくても良く見えてGood Seatでした。

僕はヴェルディ大好きで、ファルスタッフも生でも録画でも何回か聴いていますが、今ひとつ自分自身がオペラと一体化しないというか、僕の理解力、鑑賞力に乏しいせいか、すごい感動をしたことがなかったんです。車の中でCDを大きな音量にして聴いていると、すごい音楽だなーとは思いますし、もともとバロック好きですから、ヴェルディの最後の作品が、フーガっぽい調整音楽(でしょうかね?)になっているのには、いつも「感動」して、「ヴェルディはやっぱり天才だぁ」と思っていました。このオペラが、リコルディ、ボイート、時のミラノ市長(名前忘れた)に挑発された結果、80歳のヴェルディの想像力に火を付けたということも本で読んで「感動」したんですが、総合芸術のオペラとして、シモンやトラヴィアータ、リゴレット、フォスカリのような吸引力を感じませんでした。

でも、それも昨日の公演を見るまでの話! いや、すごかったですねー。ファルスタッフ超初心者の僕もついに目覚めました。最後のフーガのところなんか感激しちゃって涙出そ。(歳取ると涙もろくて)ですので、以下のブログは非常にミーハー的でありますので、ここで読了されたほうが良いかと思います。

まずは、マエストリ。この人のファルスタッフはBlurayやDVDで聴いていましたが、生はすごかった。これほど、録画と生で違うインパクトを受けた歌手は初めて。歌唱力はもちろんですが、ファルスタッフのおもしろくも悲しい性格をフルに表現して、まさに本人が歌って演じているという感じでした。そして、フリットリ。今までは、ヴェルディナンバーでは、エリザベッタ、ルイーザ、レクイエムなどの印象が強かったのですが、この喜劇で、もう惚れ直しました。なんともチャーミング。だいぶ痩せたと思います。美しいですねー。モダンな衣装のフリットリ初めて見ましたが、もー完全に♡になりました。で、12月のトスカ降板では、ちょっと「こいつめ」と思いましたが、ああいうスピントソプラノやるべきではないですね。この軽い美しい声をヴェルディで生かしてほしい。ミミもやめてください。来年、日本でムーティ指揮でアメーリアを歌うようです!シモンフリークの僕としては、こりゃたまらんです。

それと、バルッチェローナもすごい。あー、なんかこれから先も歌手の一人一人についても書いていっても「すごい」とか「素晴らしい」とかしか書けないと思うので、もうあと省略。ひとつだけ言うと、イリーナ・ルングっていつこんなに上手になったの?? プログラムに「2007年にゲオルギューの代役としてスカラ座でヴィオレッタに抜擢されたことを契機に、云々」と書いてありますが、まさにその公演をミラノで聴きましたが、けっこう棒のように歌っていました。その後も聴いた覚えはありますが、こんな素晴らしい(又)声と演技ができる歌手になっていたとは、、。

あと、カーセンの演出がブラビッシモだったことも、多分他の方が詳しく書かれると思うので割愛。他の方が書かないかも知れない「衣装」についてちょっと。ブリギッテ・ライフェンシュトウェルという名前からして、このコスチュームディレクターはイタリア人ではないと思うんですが、まさにイタリア人のデザインする英国ファッションになっていました。バルッチェローナの美しいペーズリー(に見えた)の裏地とドレス地が同じのコート、ハウンドツースやタータンもイタリアっぽくアレンジ。ファルスタッフもお洒落になりました。この感覚は、ヌッチが普段着でいつもやっています。絶対英国人には出来ない英国ファッション。イリーナ・ルングのサブリナパンツもかっこいいですね。で、何よりフリットリのドレス。赤、黄色、特にキッチンの場面の黄色いドレス、シルクのグログランのように見えましたが、何ともチャーミング(又)。イタリアには、ヘンリーコットンズみたいに英国ファッションをあしらうのが上手な感覚を持ったブランドがたくさんあるんですが、それを感じました。

最後に、ハーディングの指揮ですが、これは好みでわかれるところでしょうね。基本的には明るく、鳴らすところは鳴らす。ただ、時に音楽が勝ちすぎていたような気がしますが、その時の音楽が素晴らしいので耳を取られてしまう。やっぱり交響楽の人なんでしょうか。でも、主張がある指揮、僕は好きでした。

チケットが入手できれば、もう一回聴きに行こうかと思っています。だって、これから同じプロダクションでMETでもやりますが、こんなに豪華なキャストは東京のみですから!
ファルスタッフ

マリエッラ・デヴィーアにやられた....

ベタなタイトルですみません。でも、僕としては「誰々にやられた...」というタイトルは、ずいぶん前のナタリー・デセイ以来。

デヴィーアは良く日本に来ているので、いつでも聴けるだろうと思って録音で聴いていたのが、一昨年あたりから来なくなり、焦って去年の11月にイタリアのカターニャでトラヴィアータを歌うというので、チケットを入手して行く気まんまんだったのが、ドタキャンされました。でもって、カターニャの仇を江戸で討つということで、昨日の藤原歌劇団のトラヴィアータに行って来ました。

素晴らしかったですね。それ以外言いようが無い。64歳ということで、声に衰えがあるのではないかと思いましたが、高音がややきつそうだったのは一幕目の最初の部分のみ、あとはもう素晴らしいコロラットゥーラのソプラノが響きました。そして、五線内の中音部の表現力の素晴らしさ。これは他の歌手だって素晴らしい人はいますが、デヴィーアの自然さ、さりげなさ、力のこもらない歌い方、それでいて声の表情がすごい。1幕2場の"Morro"は、これまで聴いた誰よりも力が抜けていましたが、(机も叩かない) どんな他のソプラノよりも「死ぬ」覚悟が胸に響き、ウッと来ました。でも我慢。 "Amami Alfredo"も拍子抜けするほどサラリと。ちょっとオケが盛り上がりすぎ。3幕目の"E tardi"なんかつぶやくようでした。でも凄いんですね。その後のアリアかシェーナか、自分自身のことをtraviata/道を踏み外した女、と歌うところ、その"Ah della traviata"が聞こえた途端、落涙。鼻水も出てきてもうダメでした。ここでやられるとは思わなかった。まさにそこに生身のヴィオレッタがいたのです。

今日は一階一列目で見たので、高音がやや頭の上を飛んでいってしまう感じがありましたが、オペラにのめり込むには最高の位置。こんなそばで見ても年齢を感じさせません。可愛いトラヴィアータ。しかし、まったくブレスが聞こえないんです。どこで息をついでいるのかもわからない。もちろんプロンプターボックスも無し。「椿姫」で出世した某ソプラノ歌手など、50歳を前に声も衰えブレスが響き渡っています。エライ違いです。

ベルカントのトラヴィアータはいいですね。メイも良いし。でも、自然さではデヴィーアにかなわないですね。ピアニシモはすごいけど。古くはサザーランドかしら。そしてデセイ。

今日は、合唱もデヴィーアに合わせて抑え気味でしたが、とても良かった。ただ、オケはところどころやや鳴らしすぎという感じも。園田隆一郎の指揮は、かなりスピード速かったですが、これはデヴィーアの好みか? 基本的にはインテンポで、ズンパッパで好感持てました。ところどころ伸ばすのも歌手と調和して、必然性があって良かったです。沼尻竜典の伸ばし方とは全然違う。

演出は藤原としてはモダンでシンプルで非常に好感が持てました。3幕目、二人が寝ながら歌い、「パリを離れて」に移っていくところなどは、新しい藤原を感じました。序曲のところで1幕目も3幕目も幕が閉まっているトライヴィアータは久しぶりです。この序曲はゆっくり目を閉じて聴きたいので、幕が閉じていると安心です。

村上敏明は、いつものように堅実で正確な歌唱を披露していましたが、今日は特に演技にも力が入っていましたね。ただ、たまには他のテノールも聴きたいという感じで、7日の別のキャストにも行きます。

残念だったのは、堀内康雄。今日はどうしたんでしょうか。不調でした。ファンなのでその不調さについては開拓ないですが、まあ、たまにはこういうこともあるんでしょう。カーテンコールでも精気がなかったです。体調悪かったのかなぁ。心配。

特筆したいのは、アンニーナの家田紀子。今まで聴いたアンニーナで最高! 下手なヴィオレッタなら喰われてしまいそう。あまり良いので、思い切ってカーテンコールで"Brava"かけましたが、後ろの方から同時に二人くらい"Brava"が聞こえました。デヴィーアと二人で、そのまま””花の二重唱か、”ノルマとアダルジーザの二重唱”に移行できそうでした。

やっぱり、藤原歌劇のイタリアオペラはいいですねー。肝を押さえています。去年の夢遊病から続けて聴いていますが、ホントいいです。特に女声は層が厚いですね。で、明後日の佐藤亜希子さんにも期待です。

来年はシラクーザを呼んでオリー伯爵! 今日の公演もそうですが、S席で20,000円ですから、他の引っ越し公演の1/3です。デヴィーアの9月8日の公演も、まだチケットあれば是非!

で、明日はいよいよファルスタッフです。

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明日からヴェルディ3連チャン

さて、明日から、木金土と3日間ヴェルディ漬けです。

まず明日は、藤原歌劇団のトラヴィアータ。マリエッラ・デヴィーアのタイトルロールです。現在の最高のトラヴィアータ歌いと言われています。ただ、今年で65歳ですからソプラノとしてはそろそろ厳しい年齢かなと思います。グルベローヴァより2歳下なだけですから。。9月23日にはオペラシティでリサイタルもあるので、これも楽しみです。ヘンデルからラヴェルまでの幅広いメニュー。まだチケットありますね。東京プロムジカは、たしか学生には無料で桟敷席を開放していますから、まわりに若い人がいたら教えてあげてください。

という訳で、デヴィーアの生の声もいつまで聴けるかわかりませんから、明日は真剣に聞かなくてはいけません。そして堀内康雄さんのジェルモンも楽しみですね。7月の大阪のシモンでは素晴らしい声を聞かせてくれました。このごろ表現力がますます力強くなっていて引き込まれますね。トラヴィアータは9/7のBキャスト公演も行きます。藤原で初めて大役に挑戦する佐藤亜希子さん。知り合いの友人なのですが、先日ベッリーニの「異国の女」でタイトルロールをやっていたのに気付かず、聞き損ないました。最近の藤原のソプラノ、砂川涼子さん、野田ヒロ子さん、そして昨年の夢遊病の女で日本のディーヴァを再確認させられた高橋薫子さん、とにかくレベル高いです。高橋さんにもヴィオレッタも歌ってほしいなぁ。最近、ヴィオレッタもベルカントっぽいソプラノが良いなぁと思います。それは、やはりエヴァ・メイやナタリー・デセイのヴィオレッタを何回か聞いたことが大きいですね。ネトレプコやゲオルギューなど、スピントのヴィオレッタは、当然のように最も頂点になるところは、1幕2場、アルフレードに手紙を書いているところを見つかった後の有名な”Amami, Alfredo, quant'io t'amo(私と同じくらい愛して)”のところになります。ここがヴィオレッタの死になるところなので、涙、涙になるのですが、レッジェーロな声のメイだと、3幕でももう2回くらい泣かされるのです。デヴィーアの生は初めてです。昨年、カターニャまで行って聴くはずでフライトもホテルも取ったのですが、ドタキャンになりましたから今回こそという感じです。

そして、間の6日金曜日は、スカラ座のファルスタッフ。バルバラ・フリットリのプレス発表での姿、随分痩せて綺麗になりました。そして、巨漢マエストリ、今絶頂のカヴァレッティ、ベルカントからヴェルディに上がって来て光っているバルッチェローナ、ナンネッタにイリーナ・リングというのも贅沢。フリットリは、12月のトスカを降板しましたから、やはり自分はスピント、ドラマティコまで行かないと決めたわけですよね。ファルスタッフとしては、劇場が大きすぎる気はしますが、こんな豪華キャストはなかなか聴けません。

ところで、スカラ座のプレスミーティングには、ヌッチも元気な姿を見せていたそうです。良かったぁ!

リゴレットのほうは、結局11日の公演のチケットしか取れず、本当はちょっと聞きたかったモシュク、デ・ムーロはあきらめかな...と思っています。ヌッチは、さすがに40-50代の時のような輝く高音域は失われてきていますが、中低音域の表現力がすごくなりました。去年、チューリッヒで聴いたシモンは、今まで聴いたオペラの中で一番感動しました。最近はリゴレットでは、マチャイゼとかムーラと組むことが多いようですが、今回のマリア・アレハンドレスもヴェルディ得意の若いソプラノです。まだ30歳前のはず。モシュクをはずしたのはちょっと賭けですが、モシュクかなり聴いてますので、新しいメキシコ出身のソプラノに期待!

ファルスタッフ、フォードのキャスト変更

昨日発表になりました。ま、カヴァレッティもとても良い歌手だと思います。
カヴァレッティ

ヴェルディ、ワーグナー対談続編と今週のヴェルディ公演

金曜日に、音楽評論家の加藤浩子さんと、山崎太郎さんの「ヴェルディ、ワーグナー対談」を聞いて参りました。続編と書いたのは、このお二人は3月に新国立劇場でも対談していて、その続きというわけです。しかし、この二人の先生の対談は本当におもしろい。というのは、両者ともに、ヴェルディだけ、ワーグナーだけというのではなくて、両方の作曲家のことを良く知っているのです。ヴェルディ好きの人は、だいたい、あまねく聞いている人が多いのですが、ワーグナー好きのいわゆるワグネリアンの方は、色々聞いていても、ワーグナーの話しかしないという方が多いというのは、僕の意見でもあり、加藤さんの意見でもありますが、山崎先生は、ヴェルディの人と音楽も本当に良く知っていらっしゃいます。でもって、けっこう良いバリトンボイスで、対談の途中でシモンやプロヴァンス、ドン・カルロの一節を歌っちゃうんですよ。

今回は、二人の音楽家の女性関係と、それが作曲にもたらした影響について、非常に詳しく、またデータも入れてお話しくださいました。これはトリビアものです。

対談の後は、茶話会ならぬビール会で盛り上がりました。加藤さんの学習院の講座にはずっと通っていますが、色々な方を紹介して頂いてオペラの世界が広がりました。僕もヴェルディも好きですが、ワーグナーも好きです。ヴォータンってヴェルディみたいな感じがしますね。父性の塊で、家長で、理屈が通らなくても自分を通す。ただ、ヴォータンにはフリッカという恐妻がいますが、ヴェルディに楯突く女性はいませんでした。

さて、今週はいよいよデヴィーアのトラヴィアータ、そしてスカラ座のファルスタッフ。楽しみです。しかし、スカラ座のパブリシティを見ていると、若い指揮者二人に焦点を当ててばかりいますね。これって、アバド、ムーティの時のスカラ座の日本での見せ方なら良かったと思いますが、今はどうなんでしょうか?ハーディング、ドゥダメルで切符買うのを決めるオペラファンっているのかな、と思います。公式サイトも、インタビュー動画はドゥダメルだけですが、これは逆効果とまで言ってはマエストロに失礼ですが、ヌッチの動画のほうが魅力的なのでは。。

ファルスタッフは、演目としてはリゴレットほどのポピュラーさはありませんが、なんと言ってもフリットリ!それと、ハーディングがどう指揮するのか、カーセンの演出も楽しみですね。マエストリのファルスタッフは鉄板だと思いますし。ファルスタッフの出演歌手達は、この週末みんなで寿司屋で盛り上がっていたそうです。僕は、個人的には、10月にブッセートであのレーナート・ブルゾンのファルスタッフを聴くので、これも楽しみです。ブルゾンは77歳、僕が生で聴けるのは最後でしょう。ファルスタッフは昔ジュリーニとやっていたようで、これは歌手も指揮者もノーブルですよね。

ここに来て、スカラ座来日公演はファルスタッフへの期待感が盛り上がってきたようで、オークションでもあまり下がりません。昨日の落札では、S席が¥57,000- ですね。これなら、普通に買っても(まだ席ある)、プログラムとワインが付くだけ良いかもしれません。

予習用の動画としてお勧めは、。。

■リゴレット:2008パルマ、ザネッティ指揮、ヌッチ、デムーロ、マチャイゼ http://www.youtube.com/watch?v=C_Fmis-aJ-c

■ファルスタッフ:1999コヴェントガーデンハイティンク指揮、ターフェル、フリットリ、フロンターリ、http://www.youtube.com/watch?v=bVjGgOf4zqo 


デヴィーアのトラヴィアータは、YouTubeでたくさんあります。多分、現在の最高のヴィオレッタの一人。

あー、今週というか今月は仕事が手につかない.....

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