プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

今年の個人的ベスト10

 先日の新国立劇場の「ファルスタッフ」で、今年の観劇(感激?)も終わりました。2015年の観劇回数は51回、うちバレエが5回、オーケストラ、室内楽が5回、ポールマッカートニーが1回、JAZZが1回入っていますから、オペラは39回になります。いずれにしろ週に1回は何らかの公演に行っていることになりますが、実感としては「そんなに行ったかなぁ?」という感じです。むしろ、行きそびれた公演(フリットリのリサイタルなど)がいまだに気になっています。これは、行く時はまとめて同じ公演を2〜3回行く一方で、行かない時は3週間くらい行かない時もあるからだと思います。今年は、海外は欧州に2回観劇に行きました。2月のウィーン、ロンドン、アムステルダム。今回の旅行では、なんと行ってもROHでのパッパーノとカウフマンの「アンドレア・シェニエ」が素晴らしかったです。残念ながら、日本でのROH公演とはだいぶ満足度が違いました。そして5月、テロが怖かったのですが、オペラ座のエトワール、オーレリ・デュポン引退公演のバレエ「マノン」に行ったのも、本当に、”I was there!”と後で言えるであろう体験でした。おまけ(失礼..)として聴いたシャンゼリゼ劇場のガッティの「マクベス」も良かったし、大好きな映画「男と女(ダバダバダ♫)」のロケ地、ドーヴィルにも行けましたしブログにも書いたアルフォンシーヌ・プレシ(「ラ・トラヴィアータ」のヒロインヴィオレッタのモデル)のお墓参りに行けたのも感激でした。まあ、この先なかなかパリには行きにくくなったことを考えると良い時期に行ってきたと思います。では、今年の個人的ベスト10の公演を挙げてみます。

1位:「ラ・トラヴィアータ」新国立劇場(2回目観劇5/19)
2位:「メッセニアの神託」神奈川県立音楽堂
3位:「リゴレット」二期会
4位:「マノン(バレエ)」パリ、オペラ座
5位:「アンドレア・シェニエ」ロンドン、ロイヤル・オペラ・ハウス
6位:「ランスへの旅」オランダ国立オペラ
7位:「運命の力序曲他」東フィルbyバッティストーニ
8位:「マクベス」パリ、シャンゼリゼ劇場
9位:「沈黙」新国立劇場
10位:「藤村実穂子リサイタル」サントリーホール
番外:「フィガロの結婚」昭和音楽大学

では、ちょっと詳しく感想を…

1位:「ラ・トラヴィアータ」新国立劇場
久しぶりに国内の公演が個人的1位になりました。イヴ・アヴェルの指揮、ヴァンサン・ブサールの演出、そして歌手も素晴らしかったです。2回見に行ったうちの後の回、19日のアントニオ・ポーリは今迄生で聴いた20回近い数々のアルフレードの中でも最高だったと思います。詳しくは、私のブログとエッセイをご覧下さい。いや、今考えてもゾクゾクしてきます。

2位:7、イタリアのバロック音楽の雄、ヴァイオリニストで指揮者のファビオ・ビオンディと20人ほどのピリオド楽器の楽団、エウロパガランテによる公演でした。神奈川県立音楽堂の設立60周年記念事業としての公演でしたが、小劇場でのバロックオペラ公演の素晴らしさを堪能しました。立体感溢れて、激しい息づきを見せるドラマティコな演奏。そしてテノール1人とメゾソプラノ6人という歌手構成。息もつかせぬ、オペラの歌合戦の様相を呈し、王国の大臣役のユリア・レージネヴァ、王子役のヴィヴィカ・ジュノーのやりとりは感激的なものがありました。特にレージネヴァのアジリタはものすごく、バルトリもびっくりという感じ。「花嫁よ私が分からないのか?母よ、私は貴方の心、息子です。」のアリアは、おそらく今年最高のアリアだったと思います。2日間の公演でしたが、強い雨の降って寒かった3月1日よりも、まずまずの天気だった2月28日の公演のほうが、オケも歌手も格段に良かったです。

3位:「リゴレット」二期会、バッティストーニを指揮者に迎えてのリゴレット。期待通りでした。でも、想像していたより、ずっと「鳴らさない」バッティ、リゴレットの怒りより悲しみを強く表現するような指揮でした。これに呼応して上江隼人さんのタイトルロールもリゴレットの内面の苦悩を充分に表現する歌唱でした。二人のヴェルディ、そしてリゴレットへの研究、洞察がなさせた公演だと思います。素晴らしかった!

4位:「マノン(バレエ)」パリ、オペラ座、オペラ座のエトワール、オーレリ・デュポンにはまって10数年。ついに引退の時がやって来ました。その最後の公演がケネス・マクミラン振付の「マノン」というのが決まったのが昨年の夏。びっくりしました。最後に髪を切ってボロ布の衣装で沼地で死んで行く主人公を演じるより、トラヴィアータのマルグリットとして引退して欲しいと思いました。しかし、フランス人にとって「マノン」は特別な演目のようですね。ナタリー・デセイのオペラ引退も演じたのは「マノン」でした。やっと手に入れたチケットを手にしてパリまで行った甲斐がありました。ABTから招聘されたボッレとの息もぴったり合い、彫刻のような存在感はそのままに、二回りは絞った体で宙を舞っていました。今は気軽に行けなくなってしまったパリ。初夏の素敵な体験でした。

5位:「アンドレア・シェニエ」ROH、2月のヨーロッパ旅行の際にROHでの公演に行きました。同じ旅行で行った、ウィーンの「シモン・ボッカネグラ」や、アムステルダムの「ランスへの旅」に比べて、席はたいして良くない(一階平土間の一番後ろの席。その後ろは立ち見)のに、値段は3-4倍しました。いや、高い!しかし、高いだけのことはありました。生で初めて聴いたカウフマンに打ちのめされました。彼はこの役とかウェルテル、パルジファルなどの、インテリで苦悩に溢れる役をやったら最高ですね。パッパーノの指揮もキレキレで素晴らしかったです。その後日本にやって来た時のマクベスとドン・ジョヴァンニが安全運転だったのがちょっと残念でした。

6位:「ランスへの旅」アムステルダム歌劇場、今回の個人的ベスト10の中で、演出のインパクトが最も強かったのが、鬼才ドミナート・ミキエレット演出のこの演目でした。ミキエレットは新国立の”キャンプ場コジ・ファン・トゥッテ“なども演出していますが、ここでは「黄金の百合咲く宿」は立派な美術館になっており、女将のコルテーゼ夫人は、美術館の学芸員です。荷物の代わりに次々に運び込まれる絵の迫力は凄いものがありました。最後のシーンでは原作と違い、旅の一行はランスへ行き着きシャルル10世を祝うのですが、そのシーンがそのままフランソワ・ジェラールが描いた”シャルル10世の戴冠(1829年)“になって終わるのです。小澤さんが指揮した「タンホイザー」でも、タイトルロールが絵描きということで、最後に名画が出て来て終わる演出がありましたが、このミキエレットの演出は実に良く出来ていました。チケットを取った時は、マチャイゼのフォルビル伯爵夫人に目が行っていて、演出までチェックしてなかったのですが、行って良かったです。この歌劇場、日本では知られていませんが、独創性のある公演をやっているようで、これから注目です。

7位:アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィル定期演奏会「運命の力」序曲他、今年は通算で7回もバッティストーニの指揮を聴いたことになります。リゴレットで3回、演奏会形式の「トゥーランドット」、軽井沢大賀ホールでの「アルルの女」、「チャイコフスキー”交響曲第5番」のコンサート、それに続いたサントリーホールでの、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ、レスピーギのコンサート、そしてまだ印象に新しい9月のオペラシティでの、「運命の力」序曲、ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲(ピアノ:反田 恭平)、展覧会の絵のコンサート。行くほうも良く7回も行ったものだと思うけど、イタリアからこれほど来てくれるのが嬉しいですね。とにかくこの「運命の力」はすごかった。長い序曲なので、序曲自体がオペラのエッセンスとして強調され、聴き終わった時にはオペラ全幕を見たほどのインパクトを受けました。まさしく “La Forza Del Battistoni”でした。

8位:「マクベス」パリシャンゼリゼ劇場、オーレリ・デュポンの「マノン」だけではパリに行くのももったいないと、たまたま見つけた公演のチケットを取ったところ、これが大当たりでした。ガッティの指揮も良かったのですが、期待していなかったフロンターリのタイトルロールが鬼気迫るものがありました。そして、シェイクスピアの戯曲を舞台上の円形劇場で上演しているように見せた演出も素晴らしく、アムステルダムのランスと並んで、今年の個人的演出賞を授けたいと思います。ただ、この劇場は蚤がシートの中にいたようで、ふくらはぎを指されました。痒かったぁ….

9位:「沈黙」新国立劇場、これは心に突き刺さる公演でした。敢えてここでは感想を繰り返しません。詳しくは、その時のブログをご覧下さいませ。

10位:「藤村実穂子リサイタル」サントリーホール、最近日本ではなかなか聴けなくなって来た藤村実穂子さんの”凱旋”リサイタルでした。バッハのカンタータから入り、ワーグナーの「ヴェーセンドンク歌曲集」、サンサーンス、「サムソンとデリラ」と考えられたプログラムで、序々に聴衆の興奮も高まってきます。まさに、熟成したワインのような美しく、強い声に魅了されました。アンコールの「セギリーディアの砦のほとりで」も素晴らしかった。声で満足したという意味では、今年一番の公演でした。その面では、レオ・ヌッチのリサイタルも当然ベスト10に入るのですが、毎年来ているので、特別枠で外に出しました。

番外:「フィガロの結婚」昭和音楽大学、テアトロ・ジーリオ・ショウワ、この公演は2日続けて行きました。やはり詳しくはブログをご覧下さい。学生を中心としたオケの熟練度と表現力が素晴らしかった。歌手も粒ぞろいで最近のフィガロの中では抜群だったと思います。

来年は、仕事が忙しそうなので50公演は行けないかもしれません。2月から3月に行われる「川崎・しんゆり芸術祭」のオペラ・トークでお話をすることになりましので、前半の山は公演を見に行くのではなく、発信するほうになります。

それで、海外は4月にレオ・ヌッチを追っかけて、バルセロナ(シモン・ボッカネグラ)、マドリッド(ルイーザ・ミラー)に行きます。

それでは、みなさん、良いお年をお迎え下さい。








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ファルスタッフ@新国立劇場

 12月12日のマチネの「ファルスタッフ」に行ってきました。12月にファルスタッフというのは、僕にとっては第九を聴くより、一年の終わりという感じがします。それはヴェルディの最後の作品だということと、最後の森のシーンがだいたいは、クリスマスっぽい感じがするからだと思います。今年は先週には「仮面舞踏会」も聴きましたし、ヴェルディファンとしては最高の歳末ですね。

 この日のファルスタッフ、そつなくまとまっていたというのが実感です。特に良かったのはやはりイヴ・アベルの指揮でしょうか。5月のトラヴィアータの時ほどの感激はありませんでしたが、序奏から豊穣感にあふれた音を聴かせてくれました。もっと早いテンポになるのかと思ったらそうでもありませんでしたが、それでも歯切れが良く、音楽だけ聴いていても充分に満足できます。新国立は良い指揮者を見つけてきましたね。これからしばらくヴェルディは彼に任せたら良いかと思います。

 歌手では、タイトルロール役のガグニーゼがなかなか良かったです。この役は歌えるだけでなく、声と動きで相当の演技をしなくてはならないのですが、まさにはまり役。ただ、やや陽気にすぎて、テムズ河から上がって来た時のあわれっぽさがちょっと物足りなかったですね。最近見たプロダクションでは、藤原の折江忠道さん、去年のサイトウキネンのクイン・ケルシーともにけっこうこのシーンでは哀れさをうまく出していたのを覚えています。ガグニーゼは2013年にはスカラ座で、マエストリの陰に隠れていましたが、Bキャスト(?)で来日しているのですね。その時はマエストリは2回見に行ったのですが、ガグニーゼは名前だけチェックして行きませんでした。

 アリーチェのアガ・ミコライ、新国立でもドン・ジョヴァンニのアンナ・ドンナ、アンナ、ドンナ・エルヴィーラでお馴染みです。声はとても良いのですが、中音をしゃべるように歌うアリーチェとは、ちょっと相性が良くない。高音になると得意の美声が出るのですが、どうも悲劇のヴィブラートという感じ。中音は質感があまりなくて、軽い感じなんです。スカラ座のフリットリと比べては可哀想ですが、高音があまり出ずに中音で勝負してた、サイトウキネンでのスペイン人ソプラノ、マイテ・アルベローラのほうがうっとりと聴けました。フォードのカヴァレッティはこの役ではもう日本で何度も歌っています。スカラ座来日の時もサイトウキネンもそうでした。ですので、上手なのはもうわかっているのですが、この日は今ひとつ「感動」というところまで行きませんでした。あまり特徴のある声ではないので、廻りの歌手とのコンビネーションによって、聴き応えが違うのかもしれません。

 気になったのは、クイックリー夫人のザレンバ、エボリ公女なみのドスのきいた声は、「有り」なんですが、バルッチェローナなどで聴いてしまうと、どうも耳障りです。これも他の歌手があまり特徴がないので、特に目立つということなのでしょう。

 特筆したいのは、パドルフォの糸賀修平の甘い声。研修生時代から聴いていますが、上手くなりました!前はクリームが溶けて流れてしまうように、締まらなかったのですが、ヨーロッパに留学してから本当に声をうまくコントロールするようになりました。この日一番聴き応えがあったかも。そろそろ大きい役を付けてあげてほしいです。

 こうやって書くと文句が多い感じがしますが、最後のフーガの場面、歌手と合唱、指揮とオケが実にきれいに響きわたり、なかなか感動でした。やはり指揮に負うものは大きかったですね。

 演出では、だまし絵のような舞台装置がとても良かったです。3階のⅠ列目で見ていると吸い込まれそうな遠近感がありました。

 それにしても、このような良い指揮者を掴んだのですから、ロッシーニ以前のベルカントの作品もやってほしいものです。せめてヴェルディの前期のエルナーニとかフォスカリとかやってほしいですね。せめてベッリーニも。。。

指揮:イヴ・アベル
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:ペーター・ペッチニック

ファルスタッフ:ゲオルグ・ガグニーゼ
フォード:マッシモ・カヴァレッティ
フェントン:吉田浩之
医師カイウス:松浦 健
バルドルフォ:糸賀修平
ピストーラ:妻屋秀和
フォード夫人アリーチェ:アガ・ミコライ
ナンネッタ:安井陽子
クイックリー夫人:エレーナ・ザレンバ
ページ夫人メグ:増田弥生

「仮面舞踏会」藤原歌劇団

 12月6日、オーチャードホールでの藤原歌劇団「仮面舞踏会」の公演を聴きに行ってきました。本来は5日の土曜日に行くつもりだったのですが、都合で行けなくなり、6日当日券のS席を奮発しました。1階の2段目の最前列真ん中という良い席でした。前にシートがないので、脚が楽でした。今年ちょうど50公演目の観劇です。あ、バレエも入っていますけど。

 今回の公演で特筆すべきは、なんと言ってもテノールの新人(?)、藤田卓也さんでしょう。艶があり、ほどよい甘さのある高音、安定した中低音、丁寧な発声、しかし情感溢れる歌唱。若き日のドミンゴを彷彿とさせると言って、言い過ぎでないほどの魅力に溢れる歌手でした。若くて、まだ経験も浅いと思いますが、立派な「様式感」をもった歌い方は大物になる予感たっぷりです。実際、会場に行くまで車で、1981年のアバド指揮、ドミンゴ、ブルゾン、リッチャレリのスカラでの「仮面舞踏会」を大音量で聴いてきたのですが、藤田さんの声はその続きを聴いているようでした。島根大学卒業という異色の経歴ですが、西日本では活躍していたそうです。藤原初出演で素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれました。

 歌手に関しては、藤田さんに圧倒された感じでしたが、レナートの森口さん、リッカルドへの思いが変わる前と後の歌い方を、見事に切り替えてスリリングな舞台を作っていました。アメーリアの山口さんも伸びのある高音が合唱の上を飛んでくるような“ヒロイン・ボイス”で素敵でした。特に藤田さんとの二重唱はジーンと来ました。欲を言えば、装飾歌唱のテクニックがもう少し欲しかったという感じがありました。ヴェルディはこの時期はすでにベルカントは捨てていますが、それでも「仮面舞踏会」は彼としてはベルカントの匂いがわずかに残る最後の作品だと思いますので、そこは装飾歌唱の聞き所もあるわけです。

 指揮の佐藤正浩さんも、堂々とした本格派でした。オーチャードの1階は音響がこもるので、あまり演奏について判断するには良い席ではありませんでしたが、どちらかというとどっしりとした音作りをしていたようです。ただ、2013年の同じく藤原の「仮面舞踏会」公演での柴田真郁さんの指揮のほうが、テンポ感があり、切れも良く、若さがあって、僕にはフィットしました。とはいうものの、今年は新国立で残念な指揮の「運命の力」(ホセ・ルイス・ゴメス)を聴かされていましたから、この仮面舞踏会の藤原ならではの安定した音作りはとても良かったと思います。ホセ・ルイス・ゴメスのように、指揮者の意図と独創性を明確にしようとするのに気を取られすぎて、やたらに音をゆらがしたり、不協和音を取り出すように大きくならしたりしているうちに、収集が付かなくなってしまうことも良くあります。特にヴェルディの場合、インテンポに振ることが退屈と思う指揮者にその傾向が多いと思いますが、藤原歌劇団はやはりイタリア歌劇を極めていますね。とても良かったと思います。

 そして、忘れてはならないのは粟国淳氏の演出。大道具の移動は殆ど無いのですが、幕毎に全く違ったイメージで舞台を見せてくれます。ちょっと、白鳥やシルヴィアのバレエの舞台のような感じですが、遠近法を利用して舞台の奥行きを出して、且つ美しい宗教画のような美術効果で、かけたコスト以上に豪華さを演出していました。衣装も素晴らしかったです。

 それにしても、「仮面舞踏会」は音楽が美しい。ヴェルディのオペラの中では、最もテノールとソプラノが活躍する作品ではないでしょうか?音の作り方は前後に作曲されたシモン・ボッカネグラやドン・カルロに似たところが多くあります。テーマはよりシモン・ボッカネグラに共通するところがありますね。名誉を大切にし、ラストではリッカルドが死に際にレナートを許したように、シモンは敵方のアドルノを自分の後継者に指名する、晩年のヴェルディはこのようなシチュエーションを広げていって、最後の「ファルスタッフ」でそれをばっさり切り捨てたわけです。ですから年の終わりの12月に「仮面舞踏会」と「ファルスタッフ(9日に新国立に行きます)」を聴けるというのは、ヴェルディファンとしては大満足です。

<スタッフ&キャスト>
公演監督: 折江 忠道
指揮   : 佐藤 正浩   
演出 : 粟國 淳

リッカルド     :藤田 卓也
レナート      :森口 賢二
アメーリア     :山口 安紀子
ウルリカ      :二渡 加津子
オスカル      :オクサーナ・ステパニュック
シルヴァーノ    :大石 洋史
サムエル      :田中 大揮
トム         :別府 真也
判事         :狩野 武
アメーリアの召使 :納谷 善郎

合唱 :藤原歌劇団合唱部
管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団

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