プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

2016年の観劇(感激)ベストテン

2016年の観劇(感激)ベストテン

1位:「ルイーザ・ミラー」 テアトロ・レアル(マドリッド)
2位:「ワルキューレ」 ウィーン国立歌劇場(来日)
3位:「ナクソス島のアリアドネ」ウィーン国立歌劇場(来日)
4位:「エフゲニー・オネーギン」マリインスキー歌劇場(来日)
5位:「ローエングリン」新国立劇場
6位:「エトワール・ガラ(バレエ)」パリ・オペラ座(来日)
7位:「イエヌーファ」   新国立劇場
8位:「イル・トロヴァトーレ」 二期会
9位:「シモン・ボッカネグラ」 グラン・テアトロ・リセウ(バルセロナ)
10位:「ペールギュント」 東京フィルハーモニー
11位:「セミラーミデ」 藤沢市民オペラ
番外:「ドン・カルロ」 マリインスキー歌劇場(来日)

 毎年末恒例で、ごく個人的な観劇ベスト10(今年はベストイレブン)をリストアップしてみました。

 1位は、ダントツ。コンロン指揮、レオ・ヌッチ、ラナ・コス、ディミトリー・ベロセルスキーと役者もそろった、ヴェルディの傑作“ルイーザ・ミラー”(イタリア読みでは、"ルイーザ・ミッレル”が本当でしょうか。)!今までに聴いたヴェルディのオペラの中でもベスト3に入るのではと思います。演奏会形式で、これほどのめり込めて幸せになったことはありません。とにかく指揮と歌手の力が素晴らしかったです。はるばるマドリッドまで行った甲斐がありました。この演目、日本では滅多に公演されませんが、ストーリーもおもしろいし、聴き所もたくさんあるし、やってほしいものです。

 2位、3位にはウィーン国立歌劇場来日公演を入れました。今年は、10-11月で、この2演目、それぞれ違うプロダクションで2回づつ聴くという幸福な経験をしました。ウィーン国立歌劇場の公演は、歌手も素晴らしかったですが、やはり指揮とオケが本当に良い。そして新しい響きがあるのです。来年5月には、ウィーンに赴いてオットー・シェンクの「ばらの騎士」を聴く予定です。

 あと、特筆したいのは、4月の東京フィルによるグリーグの劇付随音楽「ペール・ギュント」全曲です。プレトニョフの優美できめ細かく、品格を感じさせる指揮と、ノルウェーのソプラノのベリト・ゾルセットのヴィブラートの全くない清冽な歌唱が印象的でした。

 今年は、ルイーザ・ミラー、セミラーミデ、そしてこのペール・ギュントと演奏会形式で聴いた公演が3つありましたが、どれも素晴らしかったです。オペラを「音楽としてのみ聴く」というのに、疑問を持つかたもいらっしゃると思いますが、音楽にじっくりと浸れるというのは幸せだなぁと感じた年でした。

 それで、来年の観劇で予定している公演は次のようなものです。後半はまだ増えると思います。また、劇場でお目にかかりましょう。それでは、皆様、良いお年をお迎えください。

1月 ウィーンシュトラウスフェスティバル
1月     ワーグナー/歌劇『タンホイザー』序曲  佐渡裕指揮東フィル
2月     蝶々夫人                               新国立劇場
2月      グリーグ:ホルベアの時代から他            千住真理子&スーク室内管弦楽団
2月      オテロ                               フィオーレオペラ(新国立中劇場)
2月     レクイエム(ヴェルディ)                  バッティストーニ指揮
2月      ボレロ(オーレリ・デュポン)            パリオペラ座(来日)
2月      ストラヴィンスキー/ロシア風スケルツォ    プレトニョフ指揮東フィル
3月      シルフィード                   オペラ座来日
3月      グラン・ガラ                   オペラ座来日
3月      ラスマニノフピアノ協奏曲                バッティストーニ公開リハ
3月      ラスマニノフピアノ協奏曲                バッティストーニ指揮東フィル
3月      ランメルモールのルチア            新国立劇場
3月      中村恵理リサイタル                オペラシティ
4月      セビリアの理髪師                藤原歌劇団
5月      春の祭典                          バッティストーニ指揮東フィル
5月      DER ROSENKAVALIER            ウィーン歌劇場
5月      Tannhäuser                    バイエルン歌劇場
5月      TRAVIATA                    フェニーチェ歌劇場
6月      ジークフリート                    新国立劇場
6月      リストブラームス                東フィル
6月      トラヴィアータ                    マッシモ劇場来日
6月      ノルマ                        日生劇場
7月      マーラー2番復活                       ミョンフン指揮東フィル
9月      オテロ                        二期会バッティストーニ指揮
9月       タンホイザー バイエルン歌劇場(来日)
9月       ベートーヴェン英雄                    ミョンフン指揮東フィル
10月      ハイドンシューベルト                    プレトニョフ東フィル
11月      ルサルカ                     日生劇場
12月      ランメルモールのルチア                  藤原歌劇団

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クルレンツィスのドン・ジョヴァンニ

12月は、新国立の「セビリアの理髪師」で大アリアを聴いて、ジョナサン・ノットのコジ・ファン・トゥッテにも行こうと思っていたのですが、さすが歳末、なんかチョー忙しくなってしまい、どちらも諦めざるを得ませんでした。残念無念。特にジョナサン・ノットの演奏会形式のコジ、良かったみたいですねー。

というわけで、せめて何か家で聴こうと思って、ちょっと遅いんですけど、テオドール・クルレンツィスの「ドン・ジョヴァンニ」を買いました。クルレンツィスはここ1-2年の間にフィガロの結婚、コジ・ファン・トゥッテをCD化しており、すごい話題になっていましたので、これで、ダ・ポンテ三部作完成というわけです。
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まずは序曲から、びっくりです。とは言ってもフィガロの時に、もう、凄くびっくりさせられましたので、ある程度は予想範囲内。フィガロ同様に早いテンポで、切れの良い包丁で肉をザクッ、ザクッと切っていくような音作り。荒くなる寸前のところ、崖っぷちでとどまって、鮮烈な印象です。歌手は、いつものように肩の力を抜いたおしゃべりのような歌いで、あくまでも音楽が前に来ます。古楽器によるロックかラップを聴いているようです。

なんでも、ペルミのスタジオで一回全部を録音したのを聴いて、「駄目だ。やり直し」と再録したそうです。いや、コスト度外視ですね。スタジオ録音ということもあり、録音技術がすごいと思います。クルレンツィスの凄さを感じるのは、この録音によることも大きいですね。多分、マイクと歌手や楽器が、すごく近いのだと思います。

最近、クラシカでクルレンツィスのインタビューがあったそうですが、聞き逃しました。ここで聴けます。ドイツ語のナレーションがかぶりますが、英語です。もうひとつ、ここにも。。。

いや、かなりアクの強い人物というか、クールというか...バッティのようなフレンドリーな感じはしません。

しかし、このドン・ジョヴァンニ癖になります。車でも聴いています。

日本にも来て欲しいものですが、自分のオケである「ムジカ・エテルナ」を連れて来なければ駄目だということと、日本にあまり興味が無いんだそうです。そこで、クルレンツィスを聴きたい方は、来年夏のザルツブルグへ行きましょう!

モーツァルトのレクイエムと皇帝ティトが聴けます! ミサイル基地のあるペルミよりは近いと思います。


モーツァルト
歌劇 “ドン・ジョヴァンニ” K.527(全曲)

ディミトリス・ティリアコス(バリトン/ドン・ジョヴァンニ)
ヴィート・プリアンテ(バリトン/レポレッロ)
ミカ・カレス(バス/騎士長)
ミルト・パパタナシュ(ソプラノ/ドンナ・アンナ)
ケネス・ターヴァー(テノール/ドン・オッターヴィオ)
カリーナ・ガウヴィン(ソプラノ/ドンナ・エルヴィーラ)
グイード・ロコンソロ(バリトン/マゼット)
クリスティーナ・ガンシュ(ソプラノ/ツェルリーナ)

テオドール・クルレンツィス(指揮)
ムジカ・エテルナ

2015年11月23日-12月7日、ロシア、ペルミ、セッション録音

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

 11月27日、よこはまみなとみらいホールでの公演に行ってきました。狙いは、ヤルヴィの指揮で、今やベルリンフィルのコンマスになった樫本大進のベートーヴェンヴァイオリンソナタを聴こうというもの。樫本さんのヴァイオリンは、実に艶があって美しい音です。特に高音のピアニシモは天国から聞こえてくるよう。ヤルヴィの指揮は、ヴァイオリンを引っ張るというよりは、寄り添うようにやさしく響きます。

 これに先だって、シューマンの歌劇「ゲノフェーファ」の序曲がありました。シューマンのオペラなんてあったの?という感じですが、この序曲は独立して良く演奏されているようです。8分ほどの曲ですが、今回のコンサートの序曲のようになって、軽快な印象でした。

 さて、そして久々に“ブラいち”! 軽快なテンポで展開されていきます。“速めで軽快”というのは今の指揮の流行か?でも”遅めで重厚“より好きですね。波のように、弦と管がオケから溢れて来ます。しだいにドラマティックになってきて、第4楽章は聴き応えありました。

 この日はオケの裏のC席で指揮者と対面するような場所で聴きましたが、一番目立つ中央の前列に空きが目立ったのが残念でした。

 さて、チケットを取ってある公演、今年はこれで終わってしまいました。12月はできれば当日券で、新国立の“セビリアの理髪師“に行こうかと思っています。多分4回目となる同じ演出での公演で、やや見飽きた感じがあるのですが、ロッシーニ歌いとして名をはせているマキシム・ミロノフがアルマヴィーヴァ伯爵の大アリアを、新国立のセビリアとしては初めて(多分)歌うんですよね。ならばZ席でもいいかと思います。

 あとは、ジョナサン・ノットのコジ・ファン・トゥッテも行ければ行きたいと思っています。

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