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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

世界バレエ全幕プログラム「ドン・キホーテ」

台風近づく中を、27日の世界バレエの全幕プログラム「ドン・キホーテ」に行って来ました。パドドゥはたくさん見ていますが、全幕で見るのは、2007年のスカラ座来日でのタマラ・ロホ、ホセ・カレーニョの公演以来です。実にオペラ座らしい、お洒落で上品な舞台でした。

ドン・キホーテというと、第3幕のキトリのグラン・フェッテ(32回転?)など、技術面での見せ場がすぐに頭に浮かぶのですが、ミリアム・ウルド=ブラームとマチアス・エイマンのコンビは、実に上品でお洒落。タマラ・ロホのフェッテが地にコンパスの脚が刺さったような鋭さがあったのに対し、ミリアムのフェッテは宙に浮いている感じ。重力が無いような印象です。タマラ・ロホのようなアティテュード(あるいはランベルセ?)での長時間の静止などは無いのですが、その分、優雅な動きで流れがあるパドドゥでした。昨年3月のオペラ座来日で、ラ・シルフィードをこの二人で踊ったのですが、地味なこの演目を、手先まで神経の行き届いた動きで、素晴らしく魅力的なものにしていたのを思い出しました。このコンビ良いですね。Bプロでのジュウェルズ「ダイヤモンド」も楽しみです。

スカラ座の時もそうでしたが、キトリはほとんど、赤黒の衣装でスペインらしさを出すものだと思っていましたが、オペラ座のキトリは黄色なんですね。とても柔らかい感じがします。動きにあった色使い。そして、とにかく、キトリの表情の変化が凄い!これほどに演技にのめりこんだキトリを見た事がありません。テクニックに本当に余裕があるんだと思います。でないと、あんなに表情を作れません。

東京バレエ団のダンサーも素晴らしかったです。特にキューピッドの足立真里亜さん可愛かったです。群舞はオペラ座よりもシンクロしていたのでは!

キトリ:ミリアム・ウルド=ブラーム
バジル:マチアス・エイマン
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:岡崎隼也
ガマーシュ:樋口祐輝
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:柄本 弾
ロレンツォ:永田雄大

【第1幕】
2人のキトリの友人:吉川留衣 - 二瓶加奈子
【第2幕】
ヴァリエーション1:吉川留衣
ヴァリエーション2:二瓶加奈子
キューピッド:足立真里亜

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
協力:東京バレエ学校


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東フィルフレンチプログラム

しばらく、ブログをアップしていませんでした。その間に樫本大進のリサイタルとミュージカル”エヴィータ”に行って来たのですが、サボってしまいました。

それで、7月18日の東フィル定期公演にオペラシティまで行って来ました。ラヴェルとドビュッシー。なんか夏の夜に聞くには良いです。だいたい、僕は印象派好きだし。。。

この日のお目当ては、何と言っても東フィルを初めて指揮するスイスイタリアンの27歳のイケメン、ロレンツォ・ヴィオッティ!なかなか良かったですよ。バッティストーニの下の世代になりますね。最初のラヴェルの「道化師の朝の歌」スタッカートが強めで、もともとエネルギーに溢れたこの曲を更に持ち上げていました。ただ、ラヴェルの持つキラキラ感はやや弱く、水彩画というよりは油絵の印象。少しねっとりとした重みを感じます。ただ、それが曲にコアな部分を与えていて、単に耳障りの良いラヴェルではなく、聴衆に向かい合うことを求めるラヴェルに仕立ててくれています。

そして続くのは、ラヴェルの珍しい協奏曲。ピアノは小山実稚恵。同じラヴェルでも、道化師から20年以上経って作曲されたこの曲は、キュビズムのような感じ。ガーシュインを思わせるところもあり、ちょっとジャズっぽい。ヴィオッティは小山のバックで美しくキャンバスを彩っていましたが、ピアノの音色はラヴェルにはやや重い感じか..... ピアノソロのアンコールはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。美しく叙情的なこの演目のほうが小山のピアノがぴったりでした。

後半は、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と交響詩「海」。後者は、生で聴くのは初めて。牧神のほうは、ちょっと安全運転という感じで、曲の色が弱くしか感じられませんでした。それでも、オケを立体的に塊感のある音にまとめていたので、気持ち良く聴けました。「海」は実に良かった。道化師同様に、エネルギーをフルに注入した結果、波や風が頬をなぜるような迫真感がありました。

東フィルも、また若くて良い指揮者を連れて来ましたね!

指揮:ロレンツォ・ヴィオッティ
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

ラヴェル/道化師の朝の歌
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
ドビュッシー/牧神の午後ヘの前奏曲
ドビュッシー/交響詩 『海』(管弦楽のための交響的素描)

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