プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ラインの黄金

いよいよ新国立で”トーキョー・リング”がはじまりました。なんかK-1格闘技みたいですが、2001年から2003年にかけて新国立で上演され好評を得た、ニーベルングの指環4部作の2度目の公演。

前回の時は最後の第3夜”神々の黄昏”しか見ていなかったけど、今回は序夜の"ラインの黄金”からすべてを見るつもりです。とは言っても後半の2作は来年だけど。

ラインの黄金、楽しみました。まずは、新国立の舞台装置を総動員したスペクタクルな現代演出がインパクトあります。大きな額縁状の舞台in舞台、ニーベルングやワルハラ(ヴァルハル=新築された神々の城)をHOLLYWOODの大きなサインやネオンのように表現していたり、持って行く荷物がW(ワルハラ)マークの引越用段ボール箱に入っているのもおもしろい。

歌手ではメインのキャストである、ヴォータン、アルベリヒ、フリッカ、ローゲ、エルダが皆外人で、もう少し日本人を使ってくれても良かったと思う。決してレベルは低くないのだが、アルベリヒのユルゲン・リンを除いては、イマイチ緊張感が足りない感じがするのと演技もややおおざっぱなのが不満点。特にローゲのトーマス・ズンネガルドは、もう少しクセを強く出して、ローゲらしさ(ロードオブザリングでいえば、ゴラムみたいな。。)を出して欲しかった。(これは、どうしてもMETやバイロイトのステージをDVDで見ているので、比較してしまう。)その点日本人ではミーメの高橋淳がクセのあるミーメの声をうまく作り、動きの多さを要求される演技も素晴らしく、観客の拍手も多かった。また、ファーゾルトの長谷川顕、ファーフナー妻屋秀和も重みのあるバスだが、モゴモゴとせず、聴き応えがあり、良いキャスティングだったと思う。特殊メイクにもかかわらず演技も良かった。

残念なのは、この演目の代表的な曲である"ワルハラへの入場”を歌うドンナー役の稲垣俊也が声がやや上ずっていたこと、それとエルダ、ノルンの全員がメゾで、アルトが一人もいなかったことか。

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ダン・エッティンガーの指揮は、節制が効いているというかでしゃばらないというか、これが今まで見たエッティンガーも含めて、彼の持ち味なのだと思うが、演出がこれだけ冒険をしているのだから、もう少しメリハリを付けた音が欲しい気もした。ホルンが時折不安定な音を出していたのも気になった。一昨日見た、中劇場の"カルメル会”の若い指揮者カルタンバックの音のほうが、おもしろい。

と、文句もあったが、舞台が前後左右上下に動き、廻り、薄いアタッシュケースの中からアルベリヒが出てきたり、"仕掛け”だけでも見応えがある。その意味では"アイーダ”と同じような満足感があった。

次ぎは来月のワルキューレ。これもメインは外人歌手になるが、もう少し日本での練習をきっちりやってくれることを期待。(と言っても、今回は演出のキース・ウォーナーが来日していないのだが)それと、4部作の中でも聴きどころがもっとも多いこの演目、ダン・エッティンガーも、多少出しゃばってほしいものだ。




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