プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

チェネレントラ at 新国立

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ひさしぶりに、オペラ公演行き!!

ロッシーニの"チェネレントラ”を20日土曜日に新国立劇場オペラパレスで見てきました。シラクーザは昨年11月のエヴァ・メイとのリサイタルでのパフォーマンスがあまりにも素晴らしかったので期待していましたが、その期待の通りでした。特徴のある甘い中音とどこまでも伸びる高音、なにより役柄を理解して演技も疎かにせず、まわりとの調和も素晴らしい。

2幕目の最初の方のアリアで拍手喝采鳴り止まず。日本の劇場としては珍しくアリアの後半部だけアンコールでもう一度歌うという大サービス。これだけでもびっくりしましたが、アンコールの時はハイCを一段上げてDまで軽々と出してました。すごいね!

ドン・マニフィコ(義父)役のシモーネのバスも素晴らしかったです。けっこう歳と思いますが、あれだけ歯切れの良いバスは珍しい。まさにロッシーニにぴったり。演技もフル回転。姉さん役の幸田浩子、清水華澄も良かったです。

が、肝腎の、、一番ギャラが高そうな、ヴェッセリーナ・カサロヴァが出てくると、いきなりロッシーニの香りが消えてしまします。この人、この日は、オペラに出ているという認識が無かったのでは。自分のリサイタルと勘違いしている。声は、高音が苦しく、その文中低音をオペラの進行と関係なく、ど迫力で響かせていました。チェネレントラというよりは、メゾの「夜の女王」。リサイタルですから演技はまったく無し。棒立ちか、観客を前にステージ前端に立って終始片手を突き出して、得意の「カサロヴァ節」の披露。フィナーレのシェーナでも、一度も王子に目をやらず、ただそっくり返って歌うのみ。選挙演説みたいですな。

ま、カサロヴァはリサイタルで聞く歌手なんでしょうね。2007年のカサロヴァのリサイタルの時も、ヘンデルはとても良かったのです。でもロッシーニを歌った時は、首を振りまくりで、ただでさえ音楽をぶつ切りにする悪い癖(だそうです)に加えて声が左右に散らばってしまい、ちょっとなー、と思ってました。今回、ぶつ切り具合はその時ほどひどくはなかったのですが、やはり悪癖の片鱗(?)は垣間見られました。まあ、とにかく全く役柄を理解していないとしか思えない「カサロヴァが歌うとこうなります」という怖~いチェネレントラでした。これなら林美智子を起用した方が良かったのではと思いながら聞いていました。

サイラスの指揮には期待していたのですが、序曲からへこみました。ロッシーニらしい軽妙さがありません。また、立ち上がりの金管、木管の音自体もお粗末でした。リハーサルなら完全にやり直しでしょう。ロッシーニクレッシェンドにも切れがなく、だるい演奏でした。唯一持っているCDがアバド指揮、ロンドン交響楽団のもので、こればかり聞いていたので比較してしまったのがいけないのかもしれませんが。。。。

ということで、シラクーザがいなければ平均以下になっていたこの公演、ギャラの半分はシラクーザに上げてほしいと思います。僕は、シラクーザの声の質(ホセ・ブロスもちょっと似ていますが)とても好きで、是非他の演目(夢遊病の娘など)でも聞きたいものです。

個人的に、現代の3大テナーは、シラクーザ、リチートラ、フローレスではないかと思います。最後は余談でした。おしまい。



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