プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ラ・トラヴィアータ 英国ロイヤルオペラ

久々のオペラ観劇。ゲオルギューのトラヴィアータは、2007年にはるばる行ったスカラ座で、マゼールの指揮で見られるはずだったのですが、当日急遽降板になってしまったので(詳細は当ブログの前の方見て下さい)、ミラノの仇を上野で取ってやろうと思って安くもないチケットを手配しました。ところがどっこい、なんと今回の日本公演でもゲオルギューは降板。急遽エルモネラ・ヤオという若いソプラノに代わってしまいました。

しかし、見損なった2007年のスカラ座のゲオルギューをその後ブルーレイディスクで見ましたが、彼女を有名にしたショルティ指揮の公演に比べると、だいぶ歌唱力が落ちた感じがしていたので、ま、ヤオに期待しようと気持ちを切り替えました。

ところが、この代役のヤオも12日の公演でアレルギー症状を起こし、一幕で降板、控えのアイリーン・ペレスに代わるというドタバタがあり、なんか見に行くモチベーションが下がってしまいました。

そこで大失敗!モチベーション低いまま、チケットをろくに見ないで文化会館に行ってしまったのです。どうも空いているなと思って、確認すると、公演会場はNHKホール!時間は開幕前15分。あーあ!!

すぐに車で高速を渋谷に向かいました。なんとか2幕目のパリ郊外の別荘のシーンには間に合いましたが、1幕目分は切符を無駄にしてしまいました。 あーあ!

さて、2幕目からになりますが、印象としては、とにかく音楽が素晴らしい。アントニオ・パッパーノの指揮は奇をてらったところはないが、舞台を自分の手で掴んでひっぱていくような緩急のつけかたがあり、弦を中心に本当にしまった音がしていました。ストーリーの中でキイになる部分での歌唱とのバランスの取り方が素晴らしく、音楽でグッと感動してしまいました。まさに、メロ・ドランマを作り出しているという感じ。

ヤオはなかなか良かったです。やや声量が無いというか喉の上の方から声が出ている感じがあり、ピアニシモでは音が少し不安定になりましたが、高音で歌い上げるところは充分な貫禄で、何より表現力がありました。これなら、衰えた(かどうか知りませんが)ゲオルギューよりも良かったかも。

それに比べてアルフレード役のヴァレンティは、物足りない。まず声が細い。2幕の最初の方ではアンニーナ役のサラ・プリングの引き立て役になってしまった(?)感じです。歌い方も平たんで、特に2幕目では、好演のジェルモン役キーンリサイドと比較しても、あまりにも物足りなったです。だいたいアルフレードは役柄からして、とっぽい感じになるのですが、この日のアルフレードは”しょぼい”感じでした。3幕目になり、素晴らしい喉を披露するヤオとのデュオで、ようやくそれらしい(アメリカで最も期待される若手オペラ歌手に贈られるタッカー賞受賞)力を見せてくれましたが。

リチャード・エアの演出はクラシックなものでしたが、照明の使い方が美しく、やや黄色めの横からの光が、レンブラントの絵のような視覚効果を出していました。

全体として(一幕目を見ていないので、全体としてではないのですが)、非常に満足。トラヴィアータの演奏で僕がこれまで聴いたものの中では、メスト指揮のチューリッヒ響と双璧をなすもので、オペラに充分と浸ることができました。満足。でも、やっぱり序曲は聴きたかったなぁ。

ピクチャ 1



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