プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

二期会 ナブッコ しびれました!

日曜のマチネのオペラ、晴れていると車で行くのが気持ち良いです。今日は、1949年のナポリのサンカルロ歌劇場での録音の”ナブッコ”を聴きながら気合いを入れて文化会館まで行きました。このCDは音は最悪ですが、カラスのアビガイッレと、「行け、我が思いよ」への聴衆の歓声と、劇中アンコールが凄い臨場感があります。ブラボーとか、ブラビ、だけじゃなくて、曲が終わらないうちから、”Viva Italia!!"なんていう叫び声が聞こえる。ナブッコの好きな方は、これは記念的名盤ですからお持ち下さい。

で、今日の指揮は、前評判高い24才のイタリアの新鋭、アンドレア・バッティストーニ。序曲から、素晴らしい切れと、音楽が飛び出して来るような迫力、ファビオ・ルイジの序曲も聴きましたが、流れるような彼の指揮とは全く違い、序曲にはめこまれた4幕の光景を、バッバッと切り替えてフラッシュで見せて行くような序曲でした。思わず、ここで、もうブラボーです。Battistoni_Andrea-13-photo Roberto Masotti


彼の指揮は、最後までパワフルで素晴らしかった。20分の幕間に、東京フィルの人達が汗だくになって、顔を拭いていました。なにせ、24才ですからね。3日間、全力で指揮しても体力は全然問題無いでしょう。

歌手ではタイトルロールの上江隼人が、一番良かったと思います。締まった声と、深みを感じさせる表現力、ヴェルディバリトンです。ただ、残念なのは声量が足りない。イタリアの1000人くらいのホールなら良いのでしょうが、文化会館だと、他のソリストとの重唱の時に声が消えがちになるのが残念。新国立に出て欲しいです。

アビガイッレの板波利加は、立ち上がりが不安定で、どうなることかと思いましたが、しだいに高音は良く出るようになり、王の座を乗っ取る強い女性を表現していました。気になったのは、中音に声が落ちると、いきなり地声というか、生の声になってしまうところで、これはやや聞き苦しいところでした。

バスのジョン・ハオも1幕目、最初の第1声を出す役なのですが、これが不出来でした。シモン・ボッカネグラのパオロと同じような役目ですが、両方とも出だしが悪いと、締まりません。あとのソリストは、まずまずと言ったところ。でもBプロのキャスティングも聞いてみたかったです。

合唱は、微妙なところ。良く練習していて、声はきれいにそろっているのですが、ナブッコの場合は、美しい合唱よりも、強さを感じる合唱がほしいところでした。「行け、我が思いよ」は劇中アンコールになりました。これは最近では珍しいことですが、(イタリア以外ではまずやらない)、最初から決まっていたようで、2度目の時は、合唱団が横に大きく広がり、バッティストーニはタクトを持たないで指揮をしていました。

細かいところを見ると、アラも見えた公演でしたが、なにせ音楽が素晴らしかった。前回のバルバラ・フリットリのリサイタルで、タクトを振ったカルロ・テナンも良かったですが、イタリアには、こんなに素晴らしい指揮者がまだ、たくさんいるようです。加藤浩子さんのブログを見ると、そこらへん詳しく書いてあります。

で、なんで日本に呼ばないのでしょう。新国立なんか、この前いつイタリア人の指揮者が出たのか覚えていないくらい。(単に気付いていないのかもしれないけど)

今年は、なんとまだ3回しかオペラに行っていません。毎年1-2月が10回くらい行っているのだけど、今年はローペース。でも、どうやら当たりの年のようです。3月の新国立中劇場の ”ラヴェル&ツェムリンスキー、スペインの時、フィレンツェの悲劇”、”ドン・ジョヴァンニ”にも期待しています。


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