プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ローエングリン 新国立劇場、神の声か?

昨晩は、神の声を聴きました。クラウス・フロリアン・フォークト、名前も知らなかったんですが、すごかったぁ。

僕は、ヴェルディファンですが、もちろん他の作曲家のオペラも見ます。ワーグナーは、特にリングが好きですが、これは実は、映画”ロード・オブ・ザ・リング”に影響されてのことなんです。”ロード・オブ・ザ・リング”には、かなりはまり、トールキンの原作はもちろん、その前後の、ホビットやシリマリルの物語なども読んで、それで、ニーベルングの指環にたどりついたんです。だからワーグナーのリングは新国立やMETでも生で見ていますし。DVDでもバイロイトなどのバージョンを見ています。あとは、トリスタンとイゾルデは別格という感じかな。ただ、それ以外の演目はとりあえず見ておこうというような感じで、見て来ました。マイスタージンガーは気にいて、2度行きましたが、最後のドイツのマイスタージンガーを称えるシーンで、しらけます。

ローエングリンもそうですが、ラストで、ドイツ、ドイツとやられるのが、北朝鮮のオペラじゃないかと思うような感じを与えるんです。政治的にヒットラーに利用されたのは、ワーグナーのせいではありませんが、ヴェルディのオペラが、リソルジメントの運動の旗印となったのとは違い、直接、ドイツを名指しで持ち上げているところが、鼻につくのです。

とは言え、ワーグナーで生で見ていない3演目”ローエングリン”、”リエンツィ”、”パジルファル”はつぶしておこうと思い、今回のチケットを買いました。1幕目なんか、半分くらい寝てたんですよ。チューリッヒ劇場でのシモンの時みたいに、気合いが入ってなくて。。

ところが、タイトルロールのクラウス・フロリアン・フォークトの声を、真面目に聴いたとたん目がさめました。(ま、公演中にけっこう強い地震があったので、これも目をさます原因になりましたが)

いや、これは神の声か? 今まで、ワーグナーで聴いた、いわゆる、ヘルデン・テノールっていうんですか、あれとは全く違う。軽く、透き通って、甘く、しかし、どんなに小さい声でも、他の声と混じらずに3階の席まで届いてくる。こんな歌手がいたのか!! こりゃ、人間じゃないな。ホンモノのローエングリンさんなんだ。

3幕目は、殆ど夢見心地で聴いていましたね。ヴェルディファンの僕としたことが、なんということだ。

それで、また姿も顔もいいんですよ。ワーグナーのテノールは、だいたいデブなんですが、この人はイケメン。うちの家内なんか、もう公演が終わってから24時間経ちますが、まだクラウス・フロリアン・フォークトの名前をネットで追っかけています。

郵船トラベルさんや、HISの音楽鑑賞デスクさん、クラウス・フロリアン・フォークトでツァーできますよ、きっと。

タイトルロールがあまりにも神がかっていたので、そればっかり書きましたが、エルザ役のリカルダ・メルベートも素晴らしかった。ハインリヒ国王のギュンター・グロイスベックが、あまり僕の好きな声ではないタイプ(こもるような声)でしたが、テルムラント、オルトルートのコンビも凄みがあった。ブラバントの貴族の一人に長谷川顕が出るという、もったいないような配役。この人が国王でもいいのでは。これに伝令の萩原 潤さんを加えて、”神セブン”と呼びます。いや、指揮のペーター・シュナイダーかな。彼も素晴らしかった。なにせ、はじめての生なんで、比較のしようも無いんですが、客席の多くのワグネリアンの方々が指揮者にすごい拍手していました。

そろそろ、色々な演目を見て、ヴェルディに集中したいと思い、先週、日本ヴェルディ協会に入ったばかり。加藤浩子さんの講義も聴きにいっています。プッチーニは最近、あまり好きでないことが自覚されてきたのですが、そう言う時に、こういうワーグナー聞かされると困るんですよね。フォークトでタンホイザーも聴きたくなるし。

ま、贅沢というところでしょうか。

来週は、待望のミケーレ・ペルトゥージとルーチョ・ガッロのデュオリサイタルです。前半半分は、僕の大好きなシモン・ボッカネグラナンバー。楽しみだぁ。 ローエングリンの誘惑を消さねば。。

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