プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

エヴァ・メイ、ソプラノリサイタルとチューリッヒ歌劇場の憂鬱

エヴァ・メイのリサイタルがオペラシティでありました。東京は一日限り。

素晴らしかったです。エヴァ・メイは、レオ・ヌッチとならんで、僕が生で見ている回数が一番多いオペラ歌手ですが、今回のリサイタルはほんと秀逸でした。曲目はロッシーニを中心に、ドニゼッティなどの歌曲、アリアと、トスカーナの民謡中心、初めて聴く曲が多かったのですけど、彼女が自分の魅力を最大限に引き出すプログラムになっていたと思います。

彼女独特の、絹の糸のように細く美しくきらめく高音のピアニシモ、普段はあまり聴けない装飾的なベルカント。あ、彼女、こんな歌い方もできるんだ、とか発見がありました。しかし、やっぱり真骨頂は、清らかな澄んだ声。こういう声はなかなか聞けません。あとは、唄っている時の身振り手振りがとってもチャーミング。

アンコールも4曲。プッチーニが2曲とロッシーニ、そして、なんとリヒャルト・ストラウスが1曲(アモール)、これも知りませんでした。始まってすぐに、リヒャルトストラウスとわかりましたが、4つの最後の唄か、ツェルビネッタのアリアかなーと思ってましたが、違いました。グルベローヴァの得意とする歌曲だそうです。これも美しかったですよ。
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メイは頻繁に日本に来ているのですが、最近はリサイタル中心だったので、今年は、4月にヨーロッパに行ったときに、チューリッヒ歌劇場で”ギョーム・テル”をシラクーザとの共演で聴きましたが、これも素晴らしかった。(4月のブログに載せています。)いまや、チューリッヒ歌劇場のプリマ・ドンナという感じですが、チューリッヒ歌劇場も、既に首席指揮者のメストが去り(今はファビオ・ルイジ)、そして昨年のシーズン後には、名総裁として21年間劇場を率いたアレクサンダー・ペレイラが、ザルツブルグ音楽祭の監督に移りました。で、新しくアンドレアス・ホモキが総裁になって、どのようになるのか。比較的、悲観的な見方が強いです。今のところ、エヴァ・メイ、レオ・ヌッチ、アントニオ・シラクーザなど、今まで出ていたイタリアの歌手は全くでていません。まあ、グルベローヴァとかアニア・カンペとか出てますが、食欲がわきません。

いい劇場なんだけどなぁ。街もいいし、歩いて4-5分のところに素敵なホテルもたくさんあるし。4月のギョーム・テルとヌッチのシモンボッカネグラに行けてラッキーと考えるしかないですね。

気がつけば、今月は家や車の中でも、バルトリ、デセイ、メイとベルカント歌手ばかり聴いていました。特に藤原の"夢遊病の女”があったので、この3人の夢遊病ぶりを聞き比べましたが、みんな、すごく違う歌い方をしています。誰が一番かって決められないけど、バルトリ、デセイは相手役がフローレスで、まあ完璧なコンビ。これに対してメイは、ホセ・ブロスというちょっと癖のあるテノールがエルヴィーノをやってますが、僕はこのテノール大好きなんで、総合するとメイ、ブロス版が一番魅力的です。

それにしても、このコンサートを企画した、東京プロムジカ、良い公演をやりますね。今年もまだレオ・ヌッチのリサイタルがありますが、これも曲目がなかなか良い構成です。歌手が気持ち良く歌える公演をやってくれるプロムジカの会員になろうと思います。
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