プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ヴェルディ&ワーグナー対談 at 新国立

なんて楽しい対談だったんだろう。至福の90分でしたね。今日の加藤浩子さんと山崎太郎さんのヴェルディ、ワーグナー対談。生誕200周年を記念してのヴェルディ協会、ワーグナー協会の共催の企画でしたが、ヴェルディ対ワーグナーというような構図ではなく、両氏がヴェルディのワーグナーも知り尽くした上で、二人の音楽家の人間と音楽の共通性と相違を語りあったのでした。知識の豊富さ、奥深さはもちろんなのですが、何より、二人には音楽家への敬愛の念.....というと一般的すぎますね、「愛」ですね、これがほとばしり出ているんです。だから、聞いていて楽しい、心がワクワクして来ます。

加藤さんと山崎さんの好きなヴェルディ作品が期せずして「シモン・ボッカネグラ」に一致したのにも、とても嬉しそうでした。いや、僕も興奮しました。このブログで何度も何度も書いているように、僕もシモンが一番好きなヴェルディの作品ですから。加藤さんが、新国立劇場の担当者に「新国さんでは、一度もやってくれませんけど」と笑いながらチクリと入れていたのが痛快でした。そして、山崎さんの好きなワーグナー作品は「ニュールンベルグのマイスタージンガー」、加藤さんは「トリスタンとイゾルデ」。バイロイトで、トリスタンをやると、お客の中で倒れる人が出るそうです。その人を観客が手渡しで通路まで送り届けるという山崎さんの話もおもしろかったですね。実際、僕もトリスタンがワーグナー作品の中で最も好き(特にポネル演出の)ですが、バレンボイムが2007年にベルリン歌劇場を連れてきてやったトリスタンでも、救急車が来ていました。指揮者のカイベルトもトリスタンの指揮中に死にたいと言って、実際、その通りに死んでしまいました。トリスタンを聞くのは命がけだといつも思います。

超現実家のヴェルディと超夢想家のワーグナー、女性に対して保守的に制したヴェルディと女性に振り回されて救済を求めたワーグナー。ですけど、人間のドラマを描いたところは、新世代(19世紀の)のオペラ作家としては、革新的なものでした。

新国立のホワイエで行われた、この対談、20人が定員と言われていましたが、50人は来ていたと思います。二人のレクチャラーは90分の制限がなければ、何時間でも楽しく話していそうでした。IMG_0078.jpg
実に、豊かな土曜日の昼になりました。二人の先生にお礼申し上げます。
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