プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

パルシファル by METライブビューイング

僕は、あまり映画館でオペラ見るのは好きではないのです。大きな劇場だと、見る場所を画面で限定されてしまうのが嫌なんです。家で見るDVDだと気にならないんですけどね。

しかし、ワーグナーを映画館で見るのは良いです。何故って、4時間とか5時間(今回のパシルファルは休憩も入れると5時間40分!)を、劇場の窮屈な椅子ではなくて、今の映画館のフカフカのゆったりしたシートで見られるし、飲み物を置くところもあり、ポップコーンも食べられるんですから。

で、昨日のパルシファル、東劇で見ましたが、満足でした。歌手、指揮、演奏ともに素晴らしい。ガッティはこの演目を得意としてるそうで、なんと4時間半にわたる全曲を暗譜しているそうです。全体にゆっくり目、おとなしめの演奏で、フルトヴェングラーや、クナッパーブッシュとは全然違うパルシファルでしたが、きめ細かい表現力が、舞台上での歌と演技と相まって、グイグイとワーグナーの世界に連れていかれます。

タイトルロールのヨナス・カウフマン、ワーグナーで聞くのは初めて。生では2007年のスカラ座でアルフレードを聴きました。その頃はけっこうイタリアオペラも歌ってました。で、いまひとつピンと来なかったのですが、パルシファルはすごかった!役が彼に乗り移ったのか、彼が役に乗り移ったのか、迫真の演技。特に2幕目のクンドリとのやりとりは、鳥肌が立つような感じでした。この人、本当のヘルデンテノールですね。クンドリのカタリーナ・ダライマン、グルネマンツのルネ・パーペ、アンフォルタスのペーター・マッテイ、クリングゾルのエフゲニ・ニキティンも、厚みがあって素晴らしい声と、演出を良く理解した演技で素晴らしかったです。

しかし、そのフランソワール・ジラールの演出ですが、とにかく血がいっぱい。3幕目はステージ全体が血の海という感じで、血が苦手(毎月、採血しているんですが)の僕としては、あまり印象が良くなかったです。1幕目は、ほとんど何の趣向もなく、人間の動きも少なくてやや退屈、2幕、3幕と演出も盛り上がってきて、最後は非常に説得力のある見え方になりました。

ただ、キリスト教、それもプロテスタントの教義を扱った聖杯伝説を元にしたこの演目、やはりワーグナーの作品の中でも一番難解。ホーリーグレイルというと、モンティ・パイソンを思い出してしまう僕としては、こちらの知識不足を思い知らされます。

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今月は、あとはフェニーチェのオテロと、バレエのルグリ&デュポン、そしてゴールデンウィークが明けたら、ハンブルグ、ザルツブルグ行きです。

そう言えば、その旅行中に来日してリサイタルをするバルバラ・フリットリ、見に行けなくて残念だと思っていましたが、9月のファルスタッフで来日する際に一日だけ、9月10日にリサイタルを東京で行うそうです。良かった、これなら行ける。


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