プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

マニュエル・ルグリの新しき世界Ⅲ 戻って来たデュポン

今週はオペラ2回、バレエ1回、計3回の観劇ウィーク。2009年にオペラ座エトワールを引退し、今はウィーン国立歌劇場バレエ団芸術監督のマニュエル・ルグリがと1998年以来、オペラ座のエトワール(ダンサーの最高位)を15年務めているオレリー・デュポンが、昨年の世界バレエから8ヶ月ぶりに戻って来ました。8ヶ月ぶりというのはたいしたことがないようですが、ルグリはすでにヨーロッパでは殆ど踊っておらず、デュポンも既に40歳、42歳が定年のオペラ座ではあと2年足らずしか踊れず、この黄金のコンビのバレエが見られるのも、あと少しかもしれません。

しかも、今回は、芸術性も難度も高く、僕の大好きな「ル・パルク」のパドゥ・ドゥを踊るということで、かなり早くから切符も手配。前から9列目のベストシートを確保しました。デュポンは子供を二人出産したというのに、以前よりも、スマートになった感じ。ルグリとの「ル・パルク」は長いこと見ていません。昨年の世界バレエもその前も、たしかルパルクはマラーホフとヴィシニョーワだったような気がします。そして、昨年のマラーホフは太ってしまって、見る影もなかった。

やはり、この演目や、キリアン演出の「扉は必ず」などの、心理面を強く強調し、静止している時間が美しくなければならないバレエは、ルグリとデュポンにかなうコンビはいないと思います。デュポンの演技は、いつも思いますが、彫刻のようです。すごい存在感がある。バレエは、動きと流れで出来ていますが、デュポンのバレエは「存在」なのです。これは、モニカ・ルディエールでも感じたことです。オペラ座にしかないバレエなのでしょうか?

たしかに、ロイヤルバレエやABTには全くいないタイプのダンサーだと思います。

もう一つの演目、シルヴィアも素晴らしかったです。古典的なシルヴィアとは全く違う、ノイマイヤーの演出ですが、曲は僕の好きなドリーブ。テープですが、ドリーブのバレエをルグリ&デュポンで見られることの幸せ。

スクリーン


何度も書いてますが、フランス人の性格芸術家には弱いです。イブ・モンタン、フランソワ・トリュフォー、ジャン・ルイ・トランティニアン、そしてマニュエル・ルグリ、女性では、アヌーク・エーメ、ファニー・アルダン、ナタリー・デセイ。

デュポンの引退の公演にはパリまで行きたいですね。しかし、ルグリの後を継いでいるニコラ・ル・リッシュも来年には定年、ジョゼ・マルティネスも昨年すでに定年。バンジャマン・ベッシュもそろそろ40歳。もちろん後にはまだ、マリ・アニエス・ジロ、レティシア・ピジョル、ジェレミー・ベランガールなどの実力派もいるし、若いマチュー・ガニオや、僕の好きなドロテ・ジルベール、クレールマリ・オスタなどの若手(?)もいますし、その下のプルミエール・ダンスーズやスジェにも素晴らしい逸材はいますが、デュポン、ル・リッシュが抜けると、しばらくはオペラ座は冬の時代ではないかと心配です。

ルパルク、扉は~ の2つを取っても誰が踊りきれるでしょうか?

今日の、他のダンサーについても書きたかったのですが、ちょっと時間がありません。ただ、最近大躍進のパトリック・バナは素晴らしかった。

とにかく、今週は充実した一週間でした。でもお金もかかったぁ!5月のヨーロッパオペラツァーをひかえて、ゴールデンウィークは地味に過ごします。

関連記事
スポンサーサイト

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://provenzailmar.blog18.fc2.com/tb.php/312-bf39106b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad