プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

スティッフェリオ 2012 パルマ歌劇場

これもTUTTO VERDI 26全ヴェルディ オペラ演目ブルーレイディスクからです。

 ロベルト・アロニカ(T スティッフェリオ)
 ユ・ガンクン(于冠群)(S リーナ)
 ロベルト・フロンターリ(Br スタンカル)
 ガブリエーレ・マンジョーネ(T ラッファエーレ)
 ゲオルギー・アンドグラーゼ(Bs ヨルグ)
 コジモ・ヴァッサッロ(T フェデリーコ)
 ロレライ・ソリス(S ドロテア)
 パルマ・レッジョ劇場管弦楽団&合唱団
 アンドレア・バッティストーニ(指揮)

これは、何と言ってもバッティストーニの指揮が凄い。火を噴くようなオケを引き出しています。1987年生まれですから、25歳! イタリアオペラをこれから引っ張っていく天才でしょう。ただ、多少天狗になっているようで、ドタキャンやら、オーケストラとのコミュニケーションの問題が生まれることもあり、時々ブーイングもくらっているようです。しかし、そのくらい生意気でなければ25歳で指揮者としてやっていけないでしょう。

僕は、この演目は、METでホセ・クーラのタイトルロール、ドミンゴの指揮で見ました。これも大変良かったですが、音楽はこのパルマのほうが良いですね。

このスティフェリオは、プロテスタントの牧師、妻が不倫をして、悩んだあげくに許すという物語です。おそらく、イタリアのオペラの中で唯一プロテスタントを登場させたオペラではないかと思います。そのせいで、初演こそトリエステでやっていますが、イタリア国内での上演はあまり多くありません。最近は、前述のホセ・クーラがこれを得意にしていて、つい先々週も、フランスのモンテカルロ歌劇場でタイトルロールをやり、これは非常に良かったようです。

パルマでのタイトルロールは、スピントの実力者ロベルト・アロニカです。この人は、あまり高音が出るタイプのテノールではない。バリ・テノールに近い感じです。ボローニャ歌劇場で来日した際のエルナーニのタイトルロールを、亡くなったリチートラの代わりに演じましたが、その時も中音は素晴らしいし、表現力もあったのですが、高音が魅力に乏しかった。この印象は変わりません。その点はクーラのほうが上だと思います。

ユ・ガンクンは初めて聴く韓国のソプラノですが、やや重めの声で中音から高音まで良く伸びてなかなか良いと思いました。ただ、声の表現力がもう少し欲しい。一本調子な感じがあります。

今回、良かった、というか見直したのは、義父役のスタンカーのロベルト・フロンターリ。この人は生でもDVDでも随分聴いていますが、あまり良いという印象を持ったことがありません。印象が薄いというか.....しかし、今回の熱演はなかなか素晴らしい。聴かせます。もちろん、ヌッチにくらべれば落ちますが、それでもブラボーです。

演出はMETの時もそうですが、プロテスタント、それもどうもアーミッシュ派あたりの厳格な宗派(ではないかと思ってるんですが。)を扱っている題材のようで、パルマの演出も暗く質素です。でも、やや現代っぽい象徴的な演出(巨大な聖書など)が、効果的で、ラストは素晴らしい。

それにしても、このパルマの劇場、定員は600か800くらいでしょうか。素晴らしい劇場ですね。今年のヴェルディフェスティバルはいつも通り10月、演目はシモン・ボッカネグラ、群盗、レクイエムです。まだキャストはレクイエムしか決まっていませんが、指揮はガッティ、歌手はチェドリンス、バルチェローナ、メッリ、ペルトゥージと夢のような面々。すごいですね。METだって、こんなにそろえるのは大変。今年こそ現地に行きたいと思っています。スクリーンショット3




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