プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

バッティストーニ、ローマ三部作の幸せ

バッティストーニ&東フィルのローマ三部作、30日のオペラシティ、31日のサントリーホールと2夜連続で行って来ました。

初日:ローマの祭り、ローマの噴水が終わったところで20分の休憩。もう興奮して席から立つのにふらつく始末。ロビーに出て知人に会うと、思わずハグしたくなりました。何故かって、バッティストーニのタクトから出てくる音楽が奇蹟のように素晴らしかったんです。こんなレスピーギは聴いた事がない!音が風になり、香りになり、声になり、地鳴りになり、太陽になり、水になり、客席まで迫ってくるのです。そこはもうオペラシティではありません。レスピーギが見たローマそのものに、聴衆は立たされているのでした。まるで、”テルマエ・ロマエ“の時空間移動を体験したみたいです。

確信を持って指揮をしています。鳴らすところは、きっぱりと躊躇無くオーケストラを躍動させて鳴らします。ローマの場合、大音響になった後に、いきなりまた静かなトーンに戻るところが多いです。しかし、バッティストーニは、もう戻れないのではないかというところまでオケを持っていってしまって、その後平気で美しく着地します。とても知的で洗練されています。これが並の指揮者と違う。指揮をしている姿も魅力的。ビシッと立って、腕でオケの中からレスピーギの魂をつかみ取ってくるようです。何か、ムーティーを思い起こされます。

目を閉じたらもういけません。変な言い方かもしれませんが、まるで「ローマの三部作」というテーマパークのライドに乗ったように、体が宙を浮きます。

はじめて聴いたのは昨年の二期会のナブッコでした。その高い評判は聞いていましたが、序曲が始まると、その立体的な音楽にびっくり。序曲が終わったところで、客席からは大拍手とブラボー!すごい体験でした。その後、DVDでスティッフェーリオやアッティラを聴きましたが、やっぱり凄いなぁと思っていたのを、また今回のライブで再確認させられました。

オペラシティから帰宅して、すぐに金曜のサントリーホールのチケットを2枚、家内の分も一緒に取りました。

2夜目はCD録音があったとのことですが、木曜日とはまた違った指揮になりました。「祭」はやや突っ込みすぎたのか、テンポが上がりました。が、その分躍動感は素晴らしい。「松」は音の広がり感と休止符の美しさが目眩を起こさせるかのように降り注ぎ、出来は木曜日以上。もう大感動です。おまけにアンコールのなかった木曜に対し、金曜は、ラストの「アッピア街道の松」をもう一度演奏してくれました。これは、もう黄金演奏!もともとレスピーギ大好きなんですが、彼の音楽の本当の魅力を今知った感じです。

演奏が終わった後、オーケストラの皆さんが満足そうな表情で、笑っていたのがとても素敵でした。パートごとに丁寧に紹介して拍手を受けさせるバッティストーニ、とても26歳とは思えない落ち着いた仕草です。

この日は終演後、知り合いがちょっとお仲間とバーに寄るというので、家内ともど混じらせてもらいました。皆さん、何か話しをしないでは家に帰れない様子で集まりました。良い音楽は人を幸せにし、人と人をつなぎます。この2日間、僕はバッティストーニに幸せにしてもらい、新しい友人を得ました。

初日の終演後に、ほんの少しですが本人と話しをして握手する機会を頂きました。暖かい手でした。有難うバッティストーニ!また、すぐに会いたい! 

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