プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

スカラ座来日「ファルスタッフ」

スカラ座来日公演、ファルスタッフの2日目、9月6日の公演に行って来ました。ファルスタッフは、まだとてもセリフの内容を覚えていないんで、この日の4階Rの最前列(プレミアムエコノミー券)は、舞台と字幕が視線の移動が少なくても良く見えてGood Seatでした。

僕はヴェルディ大好きで、ファルスタッフも生でも録画でも何回か聴いていますが、今ひとつ自分自身がオペラと一体化しないというか、僕の理解力、鑑賞力に乏しいせいか、すごい感動をしたことがなかったんです。車の中でCDを大きな音量にして聴いていると、すごい音楽だなーとは思いますし、もともとバロック好きですから、ヴェルディの最後の作品が、フーガっぽい調整音楽(でしょうかね?)になっているのには、いつも「感動」して、「ヴェルディはやっぱり天才だぁ」と思っていました。このオペラが、リコルディ、ボイート、時のミラノ市長(名前忘れた)に挑発された結果、80歳のヴェルディの想像力に火を付けたということも本で読んで「感動」したんですが、総合芸術のオペラとして、シモンやトラヴィアータ、リゴレット、フォスカリのような吸引力を感じませんでした。

でも、それも昨日の公演を見るまでの話! いや、すごかったですねー。ファルスタッフ超初心者の僕もついに目覚めました。最後のフーガのところなんか感激しちゃって涙出そ。(歳取ると涙もろくて)ですので、以下のブログは非常にミーハー的でありますので、ここで読了されたほうが良いかと思います。

まずは、マエストリ。この人のファルスタッフはBlurayやDVDで聴いていましたが、生はすごかった。これほど、録画と生で違うインパクトを受けた歌手は初めて。歌唱力はもちろんですが、ファルスタッフのおもしろくも悲しい性格をフルに表現して、まさに本人が歌って演じているという感じでした。そして、フリットリ。今までは、ヴェルディナンバーでは、エリザベッタ、ルイーザ、レクイエムなどの印象が強かったのですが、この喜劇で、もう惚れ直しました。なんともチャーミング。だいぶ痩せたと思います。美しいですねー。モダンな衣装のフリットリ初めて見ましたが、もー完全に♡になりました。で、12月のトスカ降板では、ちょっと「こいつめ」と思いましたが、ああいうスピントソプラノやるべきではないですね。この軽い美しい声をヴェルディで生かしてほしい。ミミもやめてください。来年、日本でムーティ指揮でアメーリアを歌うようです!シモンフリークの僕としては、こりゃたまらんです。

それと、バルッチェローナもすごい。あー、なんかこれから先も歌手の一人一人についても書いていっても「すごい」とか「素晴らしい」とかしか書けないと思うので、もうあと省略。ひとつだけ言うと、イリーナ・ルングっていつこんなに上手になったの?? プログラムに「2007年にゲオルギューの代役としてスカラ座でヴィオレッタに抜擢されたことを契機に、云々」と書いてありますが、まさにその公演をミラノで聴きましたが、けっこう棒のように歌っていました。その後も聴いた覚えはありますが、こんな素晴らしい(又)声と演技ができる歌手になっていたとは、、。

あと、カーセンの演出がブラビッシモだったことも、多分他の方が詳しく書かれると思うので割愛。他の方が書かないかも知れない「衣装」についてちょっと。ブリギッテ・ライフェンシュトウェルという名前からして、このコスチュームディレクターはイタリア人ではないと思うんですが、まさにイタリア人のデザインする英国ファッションになっていました。バルッチェローナの美しいペーズリー(に見えた)の裏地とドレス地が同じのコート、ハウンドツースやタータンもイタリアっぽくアレンジ。ファルスタッフもお洒落になりました。この感覚は、ヌッチが普段着でいつもやっています。絶対英国人には出来ない英国ファッション。イリーナ・ルングのサブリナパンツもかっこいいですね。で、何よりフリットリのドレス。赤、黄色、特にキッチンの場面の黄色いドレス、シルクのグログランのように見えましたが、何ともチャーミング(又)。イタリアには、ヘンリーコットンズみたいに英国ファッションをあしらうのが上手な感覚を持ったブランドがたくさんあるんですが、それを感じました。

最後に、ハーディングの指揮ですが、これは好みでわかれるところでしょうね。基本的には明るく、鳴らすところは鳴らす。ただ、時に音楽が勝ちすぎていたような気がしますが、その時の音楽が素晴らしいので耳を取られてしまう。やっぱり交響楽の人なんでしょうか。でも、主張がある指揮、僕は好きでした。

チケットが入手できれば、もう一回聴きに行こうかと思っています。だって、これから同じプロダクションでMETでもやりますが、こんなに豪華なキャストは東京のみですから!
ファルスタッフ
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