プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

オベルト at テアトロ・ジーリオ・ショウワ

久しぶりに、昭和音大付属(?)のテアトロ・ジーリオ・ショウワに行きました。前は会員で良く行っていたのですが、ここ数年ご無沙汰。1000人の新しい素晴らしいホールです。音響も良く建物も素敵です。併設されているフランス料理のレストランもいいですね。また、休憩にカフェで出るコーヒーがとても美味しいのですが、なんと¥250-!昭和音大は藤原系の学校のようで、デヴィーアもレッスンをしているようですが、お金あるんですねー。

昨日は、ヴェルディ第一作のオペラ、「オベルト、サン・ボニーチョ伯」を聴いてきました。これは、日本でも海外でもめったにやらないですね。日本では、過去に2002年にヴェルディ協会と東京オペラプロデュースが共同で上演しただけではないか、と言うことです。僕も古い録音のCDと最近のTutto Verdiのブルーレイ、ブッセートで上演されたものを聴いただけでした。

なかなかの熱演でしたね。この劇場の公演は、だいたい昭和音大の卒業生と藤原歌劇団からのゲスト歌手で上演されますが、今日もそうでした。

オベルト:三浦 克次(藤原歌劇団会員)
レオノーラ:廣田 美穂(藤原歌劇団会員)
リッカルド:山内 政幸(藤原歌劇団会員)
クニーツァ:丹呉 由利子(藤原歌劇団準会員)
イメルダ:下條 広野(藤原歌劇団準会員)
指揮/ダンテ・マッツォーラ
演出/マルコ・ガンディーニ
昭和音楽大学管弦楽団
昭和音楽大学合唱団

この中ではレオノーらの廣田さんがとても良かったです。そして、クニーツァのメゾの丹呉さんも、歌うにつれて表現力のある素晴らしい声に感心しました。まだ若いですが、これから楽しみですね。女性陣、藤原は層が厚いですね。

指揮者は、イタリア人の小柄な人の良さそうなお爺さんという感じで、ヴェルディの初々しい処女作を丁寧に表現して好感が持てました。序曲は良く聴いていて好きなのですが、全体を通してじっくり聞く機会はあまりなかったです。非常にベッリーニ的ですね。悲劇ですが、長調の曲が多いです。ヴェルディはベッリーニに関して「あのような、ながーーい、ながーーい曲は書けない」と言っています。この”ながーーい”というのはテンポが遅い、展開が遅いという意味かと思いますが、ヴェルディもこのオベルトでは、けっこう「ながーーい」曲を書いてます。

レオノーラとクニッツァの二重唱も、ノルマとアダルジーザの二重唱みたいな感じです。

ヴェルディは、この後のヒット作"ナブッコ”で一躍流行オペラ作曲家になるのですが、それでもまだロッシーニの影響も多く残っており、逆にここらへんまでのヴェルディはなかなかおおらかで良いですね。

先日の新国立のリゴレットに空席が多かったのに、このオベルトは満席、6月のいずみホールのシモンボッカネグラも満席。まあ、この2ホールは小さいですしメジャーではなにので、新国立とは比較になりませんが、来月10日にNHKホールで定期公演として上演される、演奏会形式のシモンボッカネグラも、もうチケットの残りが少ないとのこと。やはり、日本のヴェルディファンは、今まで見ていない演目を見たがっているんです。スカラ座が来日して、その数週間後に同じ演目をやる新国立のマーケティングは、わからないですね。

何度も言いますが、今海外で一番脚光を浴びているヴェルディの作品のひとつはシモンです。なんで新国立はやらないんでしょうね? あとは、二人のフォスカリ、ルイーザ・ミラー、スッティフェーリオ、シチリアの晩鐘、運命の力、レニャーノの戦いなども上演されれば人が入ると思うのです。ヴェルディに限らず、最近、新国立で上演された、ルサルカ、ヴォツェック、アラベッラ、ピーター・グライムズなどは、おしなべて客の入りも良く、好評でした。どうも、新国立にはラーニングカーブがないようですね。良い劇場で、挨拶している館員の人達も感じが良いのに残念です。

来週は、これまたヴェルディのマイナー作品、群盗をパルマで観劇です。それでもまだヴェルディの27作品のうち半分も生では見ていません。これからもテアトロ・ジーリオ・ショウワやいずみホールに期待しましょう。

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