プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ファルスタッフ、ヴェルディの聖地で聴きました。

ブッセート、240人入りの劇場でのファルスタッフ

ブッセートには、テアトロヴェルディというヴェルディの名前を冠した小劇場があります。オーケストラピットを作ると240人、平土間には70人ほどしか入れません。それでも立派な馬蹄形の19世紀の劇場様式で、ボックス席もシャンデリアもあって豪華。使われるのは、毎年10月のフェスティヴァル・ヴェルディの時だけだそうです。
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ヴェルディの生まれたル・ロンコレという小さな村で彼の生家を見て、それから更に奥に進んだところにあるサンターガタのヴェルディの邸宅、(亡くなる2ヶ月前まで底に住んでいました。)を訪れました。ここは、ヴェルディの末裔の人達が今も住んでいるので、特別にヴェルディとジュゼッピーナの寝室だけ案内をしてもらいました。ヴェルディの寝室は書斎も兼ねていて、グランドピアノが置いてあります。ここにアリーゴボイトがミニチュアの舞台を持ち込んで、なかなか筆の進まないヴェルディの興味の矛先をファルスタッフに向けさせたところなのでしょう。そして、ジュゼッピーナの寝室の間には、短い廊下と小さなソファが。ジュゼッピーナは作曲中に期限の悪いヴェルディを気遣って、このソファで話かけるタイミングを気長に待っていたそうです。(たしか、そういうことを読んだ記憶があります。)
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そんなことを思い出しながら、夕陽が差し込むヴェルディ邸にいると、なんとも不思議な気分でした。ヴェルディが長くいた空間を共有している幸せ。これで、もう完全にヴェルディおたくです。

さて、ヴェルディの邸宅を後にしてブッセートへ。ヴェルディとブッセートの町の人達とは、ジュゼッピーナの過去の事もあり、決して良好な関係ではなかったのですが、バレッツィという地元の食品関係を扱う豪商が音楽を愛していて、ヴェルディの才能を認めて、援助をしたのです。そのバレッツィ邸はヴェルディの博物館になっています。その向かい側のレストランで、ヴェルディの大好物、この地方の名産の生ハムで軽い夕食。

そして、テアトロヴェルディでのファルスタッフです。プラチナチケットと言えば、プラチナチケットですが、この公演はオペラそのものを楽しむというよりは、フェスティバルの象徴的な公演、日本的に言えば「ジュゼッペ・ヴェルディ奉納公演」という感じでしょうか。

この日のキャストは、往年の名バリトン、レーナード・ブルゾン、あとはミラノのスカラ座アカデミーの出身の若手中心でした。クィックリー夫人役のフランチェスカ・アスチョーティが一番良かったかな。ブルゾンは、貫禄はあるものの、やはり衰えたという感じでした。指揮者の若いセバスティアーノ・ロッリは一番拍手多かったですね。天井桟敷にお母さんがいたようで、「ブラボー」と「ママ!」みたいな声が飛んでいたようです。ここらへんが、この小さい劇場の楽しいところなのかも。

まあ、細かいことを気にするような公演ではないです。奉納オペラですから! このブッセートまで来てヴェルディのオペラを見ることは、おそらくもう無いでしょう。もしかすると一生に一度もなかったかもしれない。でも来れたんですから、それはそれは幸せです。本当にヴェルディ好きだなぁ!!
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