プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ナクソス島のアリアドネ 新国立研修所公演

ここ数年の研修所公演の中ではピカイチのパフォーマンスだったと思います。いやぁ、良い気分で帰って来ました。

まず、ドイツで活躍する髙橋直史の指揮が美しい。ややテンポの速い序曲からして、洗練されていて新しい響きがありました。リヒャルト・シュトラウスの知的な面を引き出すような音作り。ロマンチックなナクソス島を期待する方には物足りないかも知れませんが、僕はとても気に入りました。また、この中劇場での響きにあった押さえた鳴らし方が良い。それでいて、山場は美しく繊細に盛り上げています。同じ中劇場で飯守泰次郎 マエストロのナクソス島も聴いたことがありますが、これはこれで「壮大な」音作りで、実にゆったりして良い気持ちにさせてくれましたが、今回、「あー、こういうナクソス島もあるんだなぁ」と感じました。ドイツでも小さい劇場で指揮をしているからでしょうか、髙橋直史マエストロ、是非またなにか振ってほしいです。

歌手は、とにかく全体として「研修所」という頭言葉をはずして良いレベル。賛助出演の天羽明惠のツェルビネッタは群を抜いていました。なにせキャリアが違うのでこれは当然。しかし、彼女だけが浮くようなことにはなりませんでした。びっくりしたのは3人の妖精、15期生、16期生と、ほんとうに新人だが、素晴らしい声質と伸びやかな歌い方。コレガ研修生か!という感じ。アリアドネの14期生、林よう子も大健闘でしたが、やや声が強すぎるか? しかし、そう思うのはここ2年ほどイタリアオペラばかり聴いていたせいかもしれません。ただ、アリアドネにはもう少し天に昇っていくような神々しいとことが欲しい、というのは少し欲張り過ぎですね。

演出も、非常に洒落ていました。廻り舞台を歌舞伎のように使っていたのが楽しかったですね。作曲家、音楽教師の約作りもうまく出来ていました。特にフィナーレで抱き合うバッカスとアリアドネの後に劇中劇の客席がせり上がって来て、そこにいるツェルビネッタと作曲家が、しだいに距離を近づけて抱き合う。なんとも素敵なラスト。

個人的な趣向から言えば、最後にはやはり花火を打ってほしかったなぁ。最近は花火無しの終わりのほうが多いようだが、あれはヨーロッパっぽくて良い。

観客の反応も拍手もBravoも、かって研修所公演では体験したことのない高まり! 研修生の待遇が国の予算削除で悪くなったと聞いていますが、レベルは高くなりましたね。嬉しいことです。

今年、生誕150周年を迎えるリヒャルト・シュトラウス。昨年のヴェルディのようには盛り上がっていませんが、新国立劇場は「アラベッラ」とこの「ナクソス島のアリアドネ」でお祝いします。まずは第一弾は大成功だったと思います。

ちなみに、今日の席は14列目で¥4,200-、AMEXで買ったので¥1,300-のシャンペンが飲めるチケット付き!これはすごい値打ちです。

ついでに、死の都と、バレエのカルミナ・ブラーナもAMEXでチケット買いました。
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