プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

フリットリリサイタル

キャンセルされるのではと心配していたフリットリのオペラシティでの6月4日のリサイタル無事終了。 今の彼女の状態を想像するに、「歌い慣れた曲」にあまり感情を入れ過ぎずになぞった感じで歌ったという印象はまぬがれないものの、さすがのフリットリ。シモンのアメーリアを降板した悔しさは充分に感じさせてくれました。

ただ、選曲は、昨年大騒動の末に「これからの音楽活動の方針に合わない」といってトリノの公演から間際で降板した「トスカ」の”歌に生き、恋に生き”を浪々と歌われたのは、正直興ざめでした。昨年の発言などを見ても、リリコ程度の曲を歌っていくという話しだったのに、アイーダの”勝ちて帰れ”など、スピント向きの曲も入っていました。

良かったのは、トスティの「アマランタの四つの歌」そしてモーツァルトの「皇帝ティート」より”おおヴィッテリア”、アンコールのチレアかなぁと思います。

特にティートのアリアは難しい曲で、高音から低音までを使い切るテクニックを見せてくれました。最高の状態ではなかったと思います。低音に落ちたところで音程がずれるところもありましたが、あんなアリアを歌えるソプラノはそうはいないでしょう。

この日のリサイタルで一番気になったのは、イタリアから連れてきた指揮者アレッサンドロ・ヴィティエッロが、どの曲も爆発的に超ドラマティックに音作りをしていたこと。良かったのはカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲くらいで、あとはフリットリを聴く邪魔になりました。特にもっとコンパクトに凝縮してほしかったマスネ、先月のコンロンが素晴らしかっただけに、タイスの瞑想曲にはがっくり。

まあ、プッチニーニも2曲ありましたし、ヴェリズモ得意の指揮者を連れてきたということですが、フリットリはこれからヴェリズモになるとは思えないし、そうなってほしくないなぁと思いました。

非常に繊細な神経、優しい人だそうです。今の状況を乗り越えて、「新しいフリットリ」を聴かせてくれるのを楽しみにしています。何度裏切られても、応援したくなる歌手です。
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