プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

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”bis”の継承者、レオ・ヌッチ

昨年のスカラ座の来日公演のリゴレットの2幕目の"Si Vendetta! (復讐だ!)”が終わり、ステージの幕が下りた前に、タイトルロールのレオ・ヌッチ、とジルダ役のマリア・アレハンドレスが出てきて満場の拍手と歓声に応えました。"Bravo!, Bravi!"という声に混じって"Bis(ビス、ビース!)”という声がだんだん多くなりました。

会場にいらした方のブログにも、これを”ブーイング”と間違えて不思議に思っている方がだいぶいらっしゃいましたが、それもそのはずで、日本でこのように、もともとプロのアンコール屋bisseurのかけ声がかかることはあまりないからです。実は、これオペラ好き、、というかヌッチのファンの人から人へと前日あたりまでに、「"bis"しようよ」というメールやメッセージが廻っていたんです。それでみんなで必死に"ビーーースッ!”って叫んだわけです。一人じゃちょっと怖くてできないです。

bisは舞台アンコールとも訳せます。ヌッチとアレハンドレスは、これに応えてくれてカーテンの閉まった幕の前で Si Vendettaをもう一回歌ってくれました。いやぁ、涙出ました。僕の一番若いオペラの友人、まだ20代始めですが、号泣でした。

Tutto VerdiのBDに収録された2010年のパルマでも、ヌッチとマチャイゼはbisに応えています。これはYouTubeにもアップされていて、かなり迫力あります。これは本編から幕が閉まって、挨拶する二人にbisの声がかかる様子が皆入っていますので、ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=rF89o2jz4_Y

まあ、ヌッチはここではだいたいbisに応えるんですね。イタリアではファンはみんな知っていますが、日本で、それもスカラ座の公演でやってくれるとは!! なぜなら、スカラ座は歌手がbisに応えるのを禁止しているのですね。歌手の喉を守るためか、格式のためか。。実際、この日本でのbisの翌朝にスカラ座から日本の関係者宛に苦情のFAXが入ったとのことです。もちろん、マエストロ・ヌッチはそんなこと全然気にしなかったようですが。

僕が見たその他のbisは、2009年の新国立劇場での2幕目のラミーロの愛のアリアで、シラクーザがやったのだけですね。これは、でもある程度決まっていたみたい。シラクーザはbis良くやるようです。

昔は、パヴァロッティやジュゼッペ・ステファノなど始め、カラスもルチアやジャンニ・スキッキなんかでbisに応えていますが、今は少ないようです。

感動的なbisは指揮者が応えるbis...これはなんと言っても数年前、イタリア政府のオペラに対する冷遇を揶揄しなkがら、「オペラを守ろう」と美しい声で語りながら、ナブッコの「行け黄金の翼に乗って/Va' pensiero」のbisに応えるムーティです。必見です。ローマ歌劇場のこのbisの動画は素晴らしく、劇場の観客が全員立ち上がり合唱に加わり、舞台の合唱団員は涙を流しながら歌っています。ここにいたかったです。ムーティのイタリア語をイタリア人に訳してもらいましたが、「素晴らしく美しいイタリア語」だそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=7vQ_uQsITko

珍しいのでは、フローレスもbisに応えてます。多分ボローニャ歌劇場。「連隊の娘」です。

https://www.youtube.com/watch?v=UVluIO-KA1o

探すとまだあります。僕の大好きなランスへの旅、アバドは14重唱のbisけっこうやっています!

https://www.youtube.com/watch?v=mApXalRaS1s

ドイツオペラでは bisは聴いた事ないですね。ワーグネリアンの間では Bravo も嫌われるようです。まあ、タンホイザーとかオランダ人以外には 、bisはしようにもできそうにありません。

レオ・ヌッチはそういう意味では、イタリアの伝統を継ぐ数少ないオペラ歌手でしょう。
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