プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ハンガリー国立歌劇場「フィガロの結婚」

昨日に引き続き、東京文化会館へ行ってきました。昨晩オペラの後、銀座で家内と遅くまで食事をしていたので、今日はやや疲れ気味。昨日、指揮が良くなかったし、今日は雨だし、行くのをやめようかなぁとちょっと思いましたが、車で行くことにし、往きはアバドで予習。

結果は、行って大正解!指揮者でオケがこれほど変わるとは!奇跡のようです。今日の”フィガロ”はとにかく、指揮とオケが素晴らしい。こんな魅力的なフィガロを聴いたのは久しぶり。半年前に買った”テオドール・クルレンツィスとムジカ・エテルナ”のCD以来。

指揮者のバラージュ・コチャールは、ハンガリー人でヨーロッパの各地で活躍をしているようですが、正直、無名だと思います。しかし、序曲だけでたまげました。テンポは非常に速く、音はコンパクトで切れが良く、室内楽を聴いているようです。弦は昨日とは違い、シャープな音、甘い音と指揮者の意のままに美しい音を奏でます。一幕目はほとんど音楽に浸り切ってしまいました。ケルビーノの最初のアリア「自分がどんな人間で、何をすれば良いのか?」にはいるところの弦の立ち上がりは、ゾクッとするほどソフトで甘く、指揮者の才能あふれるタクトが、オーケストラと歌手にその実力以上のものを出させていたと思います。3幕目の伯爵夫人のアリアは、少しだけベルカントをして、全体としてはクルレンツィスと同じ流れかなぁと思いました。先日の新国立でトラヴィアータを振ったイヴ・アベルと同じくらいの衝撃がありました。タクトを振っている様子も昨日の指揮者と違って、余裕しゃくしゃく、顔をピットと舞台に交互に向けていました。オペラへの愛とモーツァルトへのリスペクトに溢れていた、とまで言っては言い過ぎでしょうか?でもそういう感じが伝わって来ました。

歌手陣も、クォリティが高い!なかでもアンドレア・ロストのコンテッサは一格上でした。声も表現力も素晴らしいのですが、レチタティーヴォの時の声の使い方が群を抜いて良いです。あんなのを側でささやかれも、倦怠期になっっていた伯爵が信じられませんね。スザンナのオルショヤ・シャーファールも役を完全に自分のものにしていました。美声ではありませんが、スザンナの愛らしさ、すぐにすねてしまう性格を充分に表現していました。僕にとっての理想のスザンナは、グライドヴォーンでのアリソン・ハグリーですが、このシャーファールもハグリーに近いタイプです。

伯爵のジョルト・ハヤ、随分若いと思いますが、声質はゴージャスで、音程も正確。昨日の伯爵より全然良かったですね。問題だったのは、タイトルロールのフィガロを歌ったクリスティアン・チェル。とにかくやたら声がでかい。会場で会った知人が「マイク使っているのでは?」と言っていましたが、そう考えたくもなります。しかし、マイクを使っていたら、ボリュームを下げるはずです。しかも一本調子で、レチタティーヴォの時も大声のままなのには参りました。

しかし、昨日とは逆に、指揮とオケが良かったので、そのくらいのことは全く気にならず。やっぱりオペラは指揮ですね。

2日間の観劇、結局はすごく良い気持ちで週末を終えることができました。オペラの神様に感謝!

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