プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

清教徒」サントリーホール ブルーローズ

 8月2日、日曜日の夜、南條年章オペラ研究室の主催によるベッリーニの「清教徒」を聴いてきました。ピアノ伴奏による演奏会形式でしたが、充分に楽しめました。不勉強でしたが、南條さんのこの研究室は25年も続いており、ほぼ年に1回のペースでイタリア、フランスオペラのなかなか日本では公演されないものを、手がけているのです。ここ10年を見ても。。。

2001年:ドニゼッティ「ルチア」
2002年:ドニゼッティ「マリア・ストァルダ」
2003年:ドリーブ「ラクメ」
2004年:トマ「ハムレット」
2005年:ベッリーニ「ビアンカとフェルナンド」
2006年:プーランク「カルメル会修道女の対話」
2007年:ロッシーニ「泥棒かささぎ」
2008年:ドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」
2009年:ロッシーニ「オリー伯爵」
2010年:ロッシーニ「ギョーム・テル(ウィリアム・テル)」
2011年:ベッリーニ「夢遊病の女」
2012年:ベッリーニ「海賊」
2013年:ベッリーニ「異国の女」
2014年:ベッリーニ「アデルソンとサルヴィーニ」

いや、けっこうオタク(失礼)っぽいです。この中で新国立で公演されたオペラは無いのでは?「カルメル会」は見た覚えがありますが、新国立の主催ではなかったような気がします。

研究会と言うだけあって、毎回の歌手は会所属の名前が順に出て来ています。この日の清教徒は下記のようなキャストでした。

エルヴィーラ:平井香織
アルトゥーロ:青柳明
リッカルド:坂本伸司
ジョルジョ:久保田真澄
エンリケッタ:細見涼子
ヴァルトン:小林秀史
ブルーノ:琉子健太郎
指揮:佐藤宏
ピアノ:村上尊志

 ベッリーニ大好きな僕ですが、今迄生で聴いたのは「ノルマ」と「夢遊病の女」のみ。清教徒は初めてでした。ベッリーニ最後の作品は、得意の「ながーい」美しい旋律に磨きがかかっていますが、一方でベルカントには別れを告げつつ書かれているように感じます。前述の2作にくらべると、ハイライトの「狂乱の場」でも、歌手の自由度は制限されています。ベッリーニからヴェルディで、ベルカントは終焉を迎えたと言えるのでしょうか?

 この日のエルヴィーラは、平井香織さん。新国の「ピーター・グライムス」や「カルメン」、「死の都」で素晴らしい歌声を聴いていましたが、この日も素晴らしかったです。ふくよかな軽い高音は天井を知らないようにきれいに上がります。情感の込め方にも余裕があって、この日の歌手の中では群を抜いていました。ジョルジョ叔父を唄った久保田真澄さんも素晴らしいバスを聴かせてくれました。いつももっぱら、カラス、ステファノのCDで聴いていると気がつきませんが、ジョルジョの歌うパートは多いんですね。テノールの青柳明さん、この超高音を求められるアルトゥーロを果敢に挑戦していましたが、ちょっときつそうでした。リッカルドは、バリトンが憧れる役のひとつだそうですが、坂本伸司さん、だんだんと調子を上げてきて、3幕目のジョルジョとの2重唱は素晴らしかったです。
しかし、この日のBravoはピアノの村上尊志さんではないでしょうか?この難曲を2時間半、弾きっぱなしでしたが、厚みがあり、オーケストラに引けを取らない音楽の力を発していました。

 この日の聴衆の方々は、多分ずっとこのシリーズを聴かれている方が多いのでしょう。とても平均年齢が高かったですが、皆さんがお知り合いのようで、休憩にはそこここで挨拶の場が出来ていました。出演者の家族の方も多く見られました。なんか良いムードでした。日曜の夜、幸せな気分で帰路につきました。
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