プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

世界バレエフェスティバル Aプロダクション

世界バレエAプロ

 バレエの祭典、NBSの“世界バレエフェスティバル”がやってきました。今年で14回、1976年から続いているというのはたいしたものです。バレエのオリンピックのようなこの公演、世界でも他にはありません。”パ・ド・ドゥ“だけを集めた公演は変則的なものですが、3年に1回のこの豪華な祭典は観客だけでなく、出演者も楽しみにしているようです。ダンサーだって、こういう同窓会みたなのは楽しいに違いありません。僕は2003年の第10回から見ています。ちょうどオーレリ・デュポンが9回から出始めているので、彼女の全盛期から引退までを満喫できたことになります。いや、もちろんこれから先もこういう機会では踊ってほしいのですが。

 この日の目当ても、彼女とエルヴェ・モローの ”Together Alone” これは、どこかでルグリとのパフォーマンスを見ていると思います。が、You Tubeでも良く見ているので勘違いかも。5月に”マノン“での引退公演をパリで見ましたが、もともとエルヴェ・モローがパートナーとして踊るはずだったのが、彼の怪我のために、ロベルト・ボッレになりました。ボッレも素晴らしいのですが、オペラ座の雰囲気、洒落た感じ、感情表現はモローにはかないません。この日の踊りもなめらかな動きの中にデュポンとモローならでは、踊りが観客に何かを訴求するような迫力がありました。デュポンの踊りはまさに、彫刻が動くようです。その存在感(実在感かな。)は彼女をおいてありません。

 そして、彼女の元パートナーのマニュエル・ルグリが、同じく元エトワールのイザベル・ゲランと踊った”フェアウェル・ワルツ“も素晴らしかったですね。双方ともに50歳を少し超えていると思いますが、年齢が表現力の深さをさらに掘り下げていました。ヴェルディのオペラが”泣けるオペラ”であるとすれば、パリのオペラ座のバレエは”泣けるバレエ“なんですよね。この”フェアウェル・ワルツ“を振り付けた、パトリック・ド・バナ、彼とルグリの公演も昨年か一昨年見ましたが、バナの振付の才能も素晴らしいです。オペラ座は引退しても時々踊るエトワールが凄いですね。何年か前にやはりルグリとモニカ・ルディエールが踊ったオネーギンも脳裏に焼き付いています。この時のルディエールは50歳半ばだったと思います。前述しましたが、デュポンもこういう形で年に一度は見たいです。

 クラシックでは、やはりタマラ・ロホの黒鳥が凄かった。彼女も41歳、円熟味を増していますが、その切れ味の素晴らしいフェッテのスピード、芯がぶれないところは、ますます磨きがかかり、バランスでの静止も他のダンサーを寄せ付けません。今回は、キューバ国立バレエ団のヴィエングセイ・ヴァルデスがキトリを演じた”ドン・キホーテのパ・ド・ドゥ“があり、この新人も素晴らしフェッテと静止を見せましたが、ロホに比べるとまだまだという感じ。ロホは、Bプロで珍しくノイマイヤーの椿姫を踊るので、これも楽しみです。

 以下、出演者と演目は次の通り。きら星のようなキャストです。ただ、残念なのは日本人ダンサーがいなくなってしまったこと。前回の上野水香にミスが多かったからでしょうか? それなら新国立の米沢唯や永田佳世を入れてほしいのですが、NBSのバックは東京バレエ団ですからね。難しいでしょうね。それにしても4時間半がまたたく間に過ぎました。

アリシア・アマトリアン
フリーデマン・フォーゲル 「オネーギン」第1幕のパ・ド・ドゥ

アシュレイ・ボーダー
イーゴリ・ゼレンスキー 「お嬢さんとならず者

アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー      「シンデレラ」

オレリー・デュポン
エルヴェ・モロー    「トゥギャザー・アローン」

マリア・アイシュヴァルト
マライン・ラドメーカー 「3つのグノシエンヌ」

イザベル・ゲラン
マニュエル・ルグリ    「フェアウェル・ワルツ」

ヤーナ・サレンコ
ダニール・シムキン    「パリの炎」

サラ・ラム
ワディム・ムンタギロフ  「ジゼル」
ジュール・ペロー

アンナ・ラウデール
エドウィン・レヴァツォフ
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ  「いにしえの祭り」

ウリヤーナ・ロパートキナ
ダニーラ・コルスンツェフ  「白鳥の湖」より第2幕アダージオ マリウス・プティパ

マチアス・エイマン     「マンフレッド」 ルドルフ・ヌレエフ

タマラ・ロホ
アルバン・レンドルフ      「白鳥の湖」より“黒鳥のパ・ド・ドゥ”

ヤーナ・サレンコ
スティーヴン・マックレー   「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」

ヴィエングセイ・ヴァルデス
オシール・グネーオ      「ドン・キホーテ」

ディアナ・ヴィシニョーワ
ウラジーミル・マラーホフ    「オールド・マン・アンド・ミー」


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