プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

バッティストーニ/東フィル@オペラシティ

東京フィルハーモニーの首席客演指揮者になってくれたおかげで、頻繁に日本に来てくれるようになったアンドレア・バッティストーニ。すでに今年は2月二期会の「リゴレット」と講演、4月の「アルルの女」と「チャイコフスキー交響曲第5番」そして5月の「トゥーランドット」、さらに歌劇「コリントの包囲序曲」、「シチリア島の夕べの祈り舞曲」、「プッチーニ/交響的前奏曲」、「レスピーギ シバの女王ベルキス」と、6公演(リゴレットは3回行ったので)を聴きました。

9月の11日のコンサートは下記のメニュー。

■ヴェルディ/歌劇「運命の力』序曲
■ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲*
■ムソルグスキー(ラヴェル編)/展覧会の絵
(指揮:アンドレア・バッティストーニ、ピアノ:反田 恭平*)

「運命の力」の序曲の凄さをどう表現していいのかわかりません。落雷があったようなパワフルさ、それでいながら、弱音のデリケートさ、休符の時の心臓が止まるような静寂。バッティストーニのCDで、この曲を2日前から聴きこんでいましたが、CDとは違うアプローチ。CDの方は塊感が強かったのですが、この日の公演は序曲の中にストーリーを込めて、もっと「オペラ」しています。10分くらいの長い序曲は、まるで交響曲のように構成され、最初のトロンボーンで主音を3度鳴らすところで、もう身の毛がよだってくる感じ。その後もオケの各パートから音が溶岩の池から泡だってくるように沸いてくるのです。「父の呪いのテーマ」の不協和音の怖いこと!

4月の新国立の「運命の力」が、かなり「運命の力不足」だったのを、ここで仇を取った感じです。ヴェルディファンとしては、この序曲から続けてオペラ全幕をやってほしかったぁ。(無理ですよね。。。)脳裏にはアルヴァーロとレオノーラが登場してしまいました。

一曲目の興奮がさめやらぬうちに、若手ピアニストの騎手と目される反田恭平が、ホロヴィッツが愛用したヴィンテージ・ニューヨーク・スタインウェイとともに登場。「パガニーニの主題による狂詩曲」です。これもとても良かったのですが、反田さんのピアノがややバッティストーニの指揮に負けていた感じ。これは彼のロシア的な弾き方のせいなのか、スタンウェイのピアノのせいなのかわかりませんが。。それでも、ものすごく上質な「ピアノ協奏曲」でした。そしてその後の、反田さんのホロウィッツアレンジの「カルメン」というか「ハバネラ」のピアノソロ。超絶技巧!このピアノの味はこの曲のほうが発揮された感じ。まだ21歳なのに余裕しゃくしゃく。2度目のアンコールに応えるように出て来て、ピアノの蓋を閉じて挨拶。笑いを誘います。28歳の指揮者と21歳のピアニスト、火花が散りましたね。

同じ日に東京芸術劇場で、読響がカンブルラン指揮、小曽根真ピアノでこの曲をやっていたんです。これも聴きたかったなぁ。

そして、「展覧会の絵」、これもいつものバッティのように彫刻的で、まさに展覧会の部屋を巡るような音でした。ただ、正直この日は「運命の力」にやられた感じで、展覧会の絵まで体力が持たなかった感じ(僕の体力が、、です)。出だしの金管が2度ほどふにゃってしまったのもやや残念。

こうなると12月のベートーヴェン第九も聴きたくなりますね。あまり興味を持っていない曲なんですが、バッティストーニが振ってくれたら奇跡が起きるような気がします。




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