プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ブラームス交響曲第一番、タンホイザー序曲他、東フィル定期公演

1月は、大学院の授業やゼミに加えて、卒論や課題のチェックや採点があって、なかなか観劇に行けないのです。新国立のカルメンも当日券で行こうと思いつつ、結局断念。その分、2月は5-6公演行くつもりです。

 さて、この日は、もう生活の一部になってきた、東京フィルハーモニーの定期公演でした。定期会員になって、ほんとに良かったと思います。毎回、同じシートで音楽を聴けるというのもとても贅沢。しかも一枚づつ買うチケットよりも3割ほど安いし。。。

この日は、東フィルひさびさ(だと思いますが?)に佐渡裕の指揮でした。この日の佐渡の指揮は実に充実していて、余裕があり、オケとの一体感が素晴らしかったと思います。タンホイザーの序曲も良かったのですが、僕の席(1階最前方右側)からだと、ホルンよりも弦の音が大きく聞こえてしまい、オペラの時にピットからの音を1階中央や2階から聞いた時の感じと随分違います。ちょっとロッシーニっぽいワーグナーに聞こえてしまうのです。ホルンは出だしが少し安定しませんでしたが、その後は素晴らしくろうろうと響いてくれました。ひさびさにタンホイザー序曲聴きましたが、いいですね。曲としては、マイスタージンガーに似ている部分が多いと思いますが、時代的に前に作られたタンホイザーのほうが成熟している感じがします。序曲だけだとものたりないですが、今年は5月にミュンヘンに赴き、ペトレンコの指揮、フォークトのタイトルロールで聴けるので、楽しみです。

 そして、次の曲はピアソラの小さな協奏曲。洒落た構成ですね。これが良かった!御喜美江の演奏は、オリジナルのバンドネオンではなくてアコーディオンでしたが、曲のタイトルのアンデス山脈の高峰”アコンカグア”に登る道を歩くように、冷たい風や霧を感じるような、不思議で素晴らしい音の体験をしました。ピアソラは昨今、世界でブームで、Jazzとクラシックのコラボレーションでも良く演奏されています。僕もbsの鈴木良雄のカルテットとクラシックのコントラバスの演奏や、ヨーヨーマの演奏を聴いたことがありますが、アコーディオンは初めてでした。ソロアンコールはスカルラッティのハ長調ソナタ。僕はスカルラッティ大好きでだいぶ聴いているんですが、この曲がスカルラッティとは知りませんでした。不勉強。。軽いタッチで古典的なバロックをちょっとモダンに仕立てていました。良かったなぁ。

 それで、メインはブラームスの交響曲第一番、昨年末に、パーヴォ・ヤルヴィ指揮のドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団で聴きましたが、ずいぶんと違うものです。ヤルヴィの指揮は、軽快で軽く、今風に始まって、第4楽章でだんだんと厚くなって来たのですが、佐渡の指揮は、最初からグィッ、グイッとひっぱて行かれます。それでも、僕の持っている佐渡のイメージからすると軽いかもしれません。2楽章、3楽章とテンポが上がって行きますが、過度に聴衆を刺激するような大げさなところがなく、音楽に身をゆだねていられる感じです。そして、なじみのある4楽章のアダージョ。テンポを早くしたり遅くしたり、自在にオケをあやつります。次第に大きなうねりになってきます。佐渡の指揮振りは、以前にくらべて動きも小さくなったようで、全体に引き締まった感じがします。

 いや、良い演奏会でした。2月の定期公演のプレトニョフの火の鳥も楽しみです。

ワーグナー/歌劇『タンホイザー』序曲(ドレスデン版)
ピアソラ/バンドネオン協奏曲「アコンカグア」
ブラームス/交響曲第1番ハ短調

指揮:佐渡裕
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