プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

火の鳥組曲他、プレトニョフ指揮東フィル

 オペラシティでの定期公演。もうすっかり自分の席も覚えて、なんだかアットホームな感じでゆったりと聴けるようになってきました。

 この日はストラヴィンスキーが2曲。1曲目の「ロシア風スケルツォ(シンフォニック版)」は初めて聴きましたが、創意に溢れた楽しい曲でした。「スケルツォ」とはイタリア語で「冗談」を意味するんだそうです。メヌエットに近いんでしょうか?テンポはあまり速いわけではありませんでした。5分ほどの演奏、「前菜」という感じですね。

 そして、舞台の構成を変えて、本日のゲスト、若干22歳の気鋭のチェリスト、アンドレイ・イオニーツァが登場。2015年のチャイコフスキー国際コンクールではチェロの部で優勝、いまやひっぱりだこの若きスターです。プロコフィエフの「チェロ協奏曲第2番ホ短調」は別名「交響的協奏曲」としてのほうが有名なようで、その名の通りどっしりとしたアンサンブルの中でチェロがオケと格闘する感じで弾き鳴らされます。いや、凄い迫力と技巧でした。でも音自体は繊細で、むしろ内省的な響きだと感じました。ソロアンコールで演奏された、バッハの無伴奏チェロソナタ3番のサラバンドを聴いたときにも、その印象を強く持ちました。いずれにしろ、これから活躍するでしょうから、楽しみな人です。

 ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」は、4年前の5月のザルツブルグの降臨祭のフェスティバルでゲルギエフ指揮マリインスキー管弦楽団で聴いて以来。その時はミハイル・フォーキンの振り付けで、それは素晴らしい舞台を見せてくれたのが、今でもまぶたに焼き付いています。「火の鳥」には三つの版が存在するとのこと。ザルツブルグで聴いたのがどれだったかは定かでありませんが、プレトニョフは、中でも比較的珍しい1945年版を愛好しているとのこと、この日もそれでした。バレエ音楽は当然のことながら、バレエがあるのとないのでは、指揮者の曲作りもだいぶ違いますね。この日のプレトニョフは軽いタッチで曲に入り、次第に重みを増し、終曲の賛歌では分厚いアンサンブルを聴かせてくれました。前日にボレロのバレエを見ていたので、「終曲の賛歌」の最後の繰り返しが、ボレロの終盤に良く似ていると感じました。

 さて、5月にはバッティストーニが「春の祭典」を振ってくれますね。最近、クルレンツィスの新作やら、昨年亡くなったピエール・ブーレーズの指揮をCDで良く聴いているので、バッティがどんな春を聴かせてくれるのか、大変楽しみです。

東京フィルハーモニー管弦楽団、オペラシティ定期シリーズ第107回
指揮:ミハイル・プレトニョフ
チェロ:アンドレイ・イオニーツァ

ストラヴィンスキー:ロシア風スケルツオ(シンフォニック版)
プロコフィエフ:交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番ホ短調作品125)

ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1945年版)
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