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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ダムラウ@サントリーホール

 ディアナ・ダムラウと夫君のニコラ・デステの来日オペラ・アリア・コンサートにサントリーホールまで出かけました。ダムラウはライブ・ビューイングでMETのジョナサン・ミラーの“リゴレット”などでは聴いていますが、生は初めて。

 ダムラウの高音の表現力の豊かさが凄いですね。最初の、セヴィリアの理髪師の”Una voce poco fa”でも凄いと思いましたが、コンサート全体で見ると、あきらかに後半の方が良く、最後のトラヴィアータの “E strano”は絶品。これは、ミュンヘンでの、ドミンゴとの共演が素晴らしかったとさんざん友人から聞かされていたので、実に納得しました。これで、全幕聴けたら、それは本当に素晴らしいと思います。このアリア、高音を自在に美しいベルカントで聴かせておきながら、最後の一音を下げて終わったんですね。いや、洒落てますね。「洒落てる」なんて言い方は良くないのかもしれないですが、オペラ好きには受けたと思います。「清教徒」のエルヴィーラとジョルジョの二重唱も素晴らしかったです。あれだけ、高音で色彩豊かに七色の声を聴かせてくれながら、それがしっかりコントロールされていて、声を振り回している感じがこれっぽっちもしない、凄いです。

 この日は、フランスオペラで僕の大好きなアリア、グノーの「ロメオとジュリエット」から「私は夢に生きたい」とマイヤーベーアの「ディノーラ」から「影の歌」の2つのワルツが聴けました。特に「影の歌」は超絶技巧を必要とする難曲なので、めったに生で聴けません。まろやかで、しかし天国まで導いてくれそうなコロラトゥーラ。大満足でした。

 ただ、アンコールのガーシュインまで聴いてみて、思ったのは、この人はフランスオペラに向いているのかなぁという疑問でした。この5月にマイヤーベーアのオペラ・アリア集を出しているので、これを聴いてみようと思いますが、僕の好きなフランスオペラのソプラノは、もう少し中音で感情表現があって、高音はもう少し芯の通った感じがほしい。デセイ、プティポン、カラス、そして、先週聴いたマチャイゼのような感じです。このコンサートの中でヴェルディが素晴らしかったので、彼女にはイタリアオペラをもっと攻めて欲しい感じがしました。まあ、夫君がフランス人ですから、そうなるんでしょうね。

 この日、やや残念だったのは、指揮のパーヴェル・バレフ。全体に大味でフラット。なんだか開放弦を使っているかのようにしまりがないのです。ヴェルディもヴェルディらしくなかった。ワーグナーが良かったので、ドイツ系が得意なのでしょうか?

 色々と書きましたが、リサイタルとして見た場合は五つ星を差し上げたい素晴らしい公演でした。


■出演
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ)
ニコラ・テステ(バス・バリトン)
パーヴェル・バレフ(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団

■プログラム
ロッシーニ:歌劇《セビリアの理髪師》より
序曲
「今の歌声は」
「陰口はそよ風のように」

グノー:歌劇《ロメオとジュリエット》より「あぁ、私は夢に生きたい」

ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より
「ひとり寂しく眠ろう」
バレエ音楽

ベッリーニ:歌劇「カプレーティとモンテッキ」より「あぁ、幾たびか」

ベッリーニ:歌劇「清教徒」より「おお、愛する叔父さま、私の第二のお父様」


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ワーグナー:歌劇≪さまよえるオランダ人≫より 
序曲
「我が子よ、いらっしゃいをお言い」

マイヤーベーア:歌劇≪ディノーラ≫より 「軽やかな影(影の歌)

ポンキエッリ:歌劇≪ジョコンダ≫より 「彼女は死なねばならぬ」

ヴェルディ:歌劇≪椿姫≫より 「不思議だわ~あぁ、そはかの人か~花から花へ」★ *

アンコール
日本童謡:「春よ来い」
ガーシュイン:歌劇《ポーギーとベス》より「ベス、お前は俺のもの」
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」

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