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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

東フィル定期公演シベリウス&グリーグ

 いつもはオペラシティで聴く東京フィルハーモニー交響楽団の定期公演、この日(2月23日)はサントリーホールで聴きました。音響のせいでしょうか、楽器の配置が大きく違っていておもしろかったです。1階10列目、真ん中の良席でした。

 この日は、オール北欧プログラム。なかでもグリーグのピアノ協奏曲イ短調を日本の若手ピアニストの先鋒、牛田智大が弾くのが目玉。彼のピアノは、とても柔らかく、けれん味がなく、プレトニョフの心地よく抑制された指揮とぴったり合いました。第一楽章があまりにも有名ですが、僕は第2楽章の洗練された北欧の家具のようで、白樺の林に吹く風のようなさわやかな旋律が大好きです。彼のピアノは叙情的になりすぎず、しかし曲の風景をホールいっぱいに描き出すような筆のタッチがあります。

 ただ、最近の若手ピアニスト、ちょっと神経質な反田恭平や、明るく華やかなチョ・ソンジンなどに比べると、自己主張が弱い感じがします。このグリーグ、もっとオケを引っ張るような強さが欲しかったというのが実感。世界に羽ばたいていくには、もう少しアグレッシブでも良いかと思います。

 この日圧巻だったのは、シベリウスの交響曲第7番。シベリウスの番号交響曲で最後のものですが、(第8番は破棄されて、スケッチだけが残っているようです。)楽章はひとつだけ。交響詩と呼んでもよさそうなもの。フィンランディアやタピオラに近い構成の曲です。フルートが重要な役割を持ち、複雑なメロディーの中心になったり、装飾音になったりして、曲全体の透明感を強くしています。プレトニョフの指揮は、最初のティンパニから弦の、地底から響いてくるような導入部分が、やややりすぎという感じがありましたが、以降は、曲としての塊感を強く保ち、緻密な結晶のような音を聴かせてくれて、とても満足でした。

 それに比べて、この日のコンサートの最初の交響詩「フィンランディア」は、音作りがちょっと疑問でした。大変遅いテンポだったのは、まあ良いとして、全体に音がばらけて、盛り上がるところにが、塊感がないのに、ボリュームだけ上がってしまい、雑な感じが否めませんでした。プレトニョフらしくなかったです。彼には、もっとコンパクトで内省的な、オラモのような指揮を期待していただけに残念。そして、それが第7番では出来ていたのが不思議でした。

 このブログでも何度が触れましたが、僕の好きなシベリウスは、現在ストックホルム王立フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者のサカリ・オラモというフィンランド人の指揮のもの。ハンヌ・リントゥの前にフィンランド放送交響楽団の首席指揮者も務めていましたが、日本ではあまり知られていません。彼の静かな、口数の少ない、内省的なシベリウスは素晴らしいです。僕の持っているオラモのシベリウス交響曲全集、今では廃盤で\20,000-近いプレミアムが付いていますが、別々に集めると安く買えます。是非お試しください。

アンコールのシベリウスのポルカ!初めて聴きましたが、とてもキュートで素敵でした。

 最近、北欧に行きたくなってきました。もちろん、フィンランドでシベリウスを聴きたいのですが、リントゥのはあまり……やはりオラモで聴きたいので、スウェーデンに行かないと行けませんね。。

指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:牛田智大*
ソロアンコール:シベリウス/『もみの木』
シベリウス/交響詩『フィンランディア』
グリーグ/ピアノ協奏曲*
シベリウス/組曲『ペレアスとメリザンド』
シベリウス/交響曲第7番
アンコール:シベリウス『ポルカ』
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