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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

クラウス・フロリアン・フォークト リサイタル

 東京・春・音楽祭に出演中のフォークトのリサイタルが、東京文化会館の小ホールで行われるのに気づいたのは、1週間ほど前。ほとんどチケットは売り切れでしたが、運良く2枚入手できました。2016年6月に、同じ小ホールでフォークトの「水車小屋」を聴いて、素晴らしかったのを覚えています。この日(3月26日)の演目は、ハイドン、ブラームス、マーラー、リヒャルト・シュトラウスの歌曲。こういうリサイタルでは、最初に来る曲は歌手の喉を潤わすようなものを持って来るのが常ですが、まさにハイドンはそのような曲目で、題意一曲の「すこぶる平凡な話」に代表されるような、柔らかい曲。「すこぶる平凡な曲」とは言わないですが、聴きやすい、そして多分歌いやすい、中音部を中心につかった曲目でした。フォークトのドイツ語は、とても美しく、発音もはっきりしていて、ドイツ語がわかる方ならかなり意味をくみ取れるのではと思います。素晴らしい対訳が配られていたので、内容はわかりましたが、日本語字幕があれば更に良かったと思います。

 フォークトの声は、ウィーン少年合唱団が声変わりしないで、そのままテノールになったようです。声を持ち上げる、切り替える、振り回すということが、全く、これっぽっちも無く、低音から高音まで自由自在に歌います。その中でも中音から高音にかけての声は、まるでグラスハーモニカ(よりは低い音ですが)が喉の中に入っているかのような、美しい響きです。そして、特にブラームスの歌曲で顕著でしたが、低音のピアニシモ。本当に小さな声量を見事にコントロールします。これも、650席の小ホールならでは体験できる、フォークトの妙技だと思います。ブラームスの歌曲は、実に色彩に富み、メロディアスで、今回の曲目の中でもとても楽しめました。アンコールは2曲、リヒャルト・シュトラウスの「セレナーデ」とブラームスの「日曜日の朝」。この日、一番高音が美しい曲でした。拍手喝采!

 今のドイツのテノールでは、カウフマンとフォークトが双璧でしょう。カウフマンが超有名になって、チケットもとても取りにくく高くなっているのに対して、フォークトは幸いなことに、まだこのような良い環境でリーズナブルな料金で聴けるのは幸せです。

 さて、次は4月の新国立劇場「アイーダ」です。

テノール:クラウス・フロリアン・フォークト
ピアノ:ルパート・バーレイ 
■ハイドン:
 すこぶる平凡な話
 満足
 どんな冷たい美人でも
 人生は夢
 乙女の問いへの答え
 小さな家
■ブラームス:
 日曜日 op.47-3
 昔の恋 op.72-1
 谷の底では
 月が明るく輝こうとしないなら
 甲斐なきセレナーデ op.84-4
■マーラー:「さすらう若人の歌」
 第1曲 彼女の婚礼の日は
 第2曲 朝の野辺を歩けば
 第3曲 私は燃えるような短剣をもって
 第4曲 二つの青い目が
■リヒャルト・シュトラウス:
 ひそかな誘い op.27-3
 憩え、わが心 op.27-1
 献呈 op.10-1
 明日には! op.27-4
 ツェチーリエ op.27-2
■アンコール
 セレナーデ リヒャルト・ストラウス
 日曜の朝 ブラームス
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