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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

コロン歌劇場での“ノルマ”

 生まれて初めて、南米に行って来ました。アルゼンチンのブエノスアイレスは、訳あって前から行ってみたと思っていたところ。今回、同地だけで6泊7日しました。ウルグアイの古い町、コロニア・デル・サクラメントへ日帰りで行ってきたのを除けば、毎日、街をフラフラしていました。パタゴニアとかイグアスの滝とか、一般的に行く観光地はすべてやめにしました。この旅行を計画した昨年の秋に、気づいたのが、ちょうど旅行中に、テアトロ・コロンで、“ノルマ”をやるということ。しかも、タイトルロールがフリットリ!だということで、早速チケットを取りました。ただ、「本当に出るのかなぁ」とは思っていたのです。その悪い予感は的中し、フリットリは11月に入って降板、ベルリンでのファルスタッフに行ってしまいました。まあ、フリットリの喉にとっては、ノルマを歌うことは疑問でしたから、しかたがないかなぁというところです。

 テアトロ・コロンは、その大きさ、美しさから、パリのオペラ座、ミラノのスカラ座と並び、世界の三大オペラ劇場と言われています。僕たちが行った日は、ちょうどブエノスアイレスでサミット(G20)が行われている時で、前日にはコロンで、レセプションがあったので、テレビで見られた方も多いと思います。
 座席で2500,立ち席で1200という大きさは、スカラ座を大きくしのぎ、感覚的にはNYのメトロポリタンに近い大きさという感じがします。

 指揮者はイタリア人のベテラン、レナート・パルンボ。実に素晴らしい音楽を聞かせてくれました。僕は2011年のエルナーニで聴いていました。音をこねくり回すようなことをせず、(ノルマではこれを良くやられます)楽譜をなぞるような指揮。序曲はやや古楽っぽく、切れの良いものでしたが、歌がはいると、レガートが美しく、しかし、若い歌手を引っ張るようなところが、ビシッと芯のはいった演奏につながっていました。伸ばすところは伸ばし、締めるところは締めるというベッリーニの楽譜が良くわかっているという印象があります。そして演出も一本の大きな木が真ん中に立ったシンプルなものでしたが、奥行きのある舞台(20mはあります)を有効につかった立ち回りで好感が持てました。

 フリットリの代役となった、アンナ・ピロッジは、ヴェリズモ的な歌い方がこのノルマにあっていないような感じもして、それがやや気になりましたが、高音まで気持ち良くあがる美声で、感情も良く表されていて、まずは健闘したと言えると思います。アダルジーザのアナリサ・ストゥロッパは、今回の歌手陣の中で一番良く、余裕充分な中高音の発声で、何とも言えない柔らかい奥行きのある声が魅力的でした。声量が一番あったということで、ややノルマを喰ってしまった感じはあります。

 残念だったのが、ポリオーネ役のへクター・サンドバル。一幕目は完全に喉の調子が悪かったようで、高音が立ち上がりません。声量も合唱に飲み込まれるような感じ。2幕目以降立ち直りますが、完全に力不足なのは隠しようもありませんでした。

 終わってみれば、とても印象の強い“ノルマ”ではありませんでしたが、オケを中心にレベル的には高いものだったと思います。多分、2度とブエノス・アイレスを訪れる機会はないと思いますが、コロン劇場の美しさとともに、思い出に残る公演になりそうです。

1週間、温暖なアルゼンチンにいて、これから極寒のNY行きで、現地ではトリプルヘッダーでの観劇、旅の後半はちょっときつい日程です。

とても座り心地が良く、ゆったりしているコロンの椅子
ゆったりしていて、座り心地の良いコロン劇場の椅子、さながらプレミアエコノミー



DIRECTOR MUSICAL INVITADO
Renato Palumbo
DIRECTOR DE ESCENA
Anna Piozzi
NORMA, SACERDOTISA DE LOS DRUIDAS
Christina Major
POLLIONE, PROCÓNSUL ROMANO
Héctor Sandoval
ADALGISA, SACERDOTISA RIVAL DE NORMA
Annalisa Stroppa
OROVESO
Fernando Radó
CLOTILDE
Guadalupe Barrientos
FLAVIO
Santiago Burgi (2, 4, 5 y 7)


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