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プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

ドン・ジョヴァンニ 新国立研修所公演

 土曜日は、新国立劇場研修所修了公演の中日に行ってきました。この日は、卒業となる第19期生ではなく、20期、21期の歌手を中心にした若手のキャスティングでした。中劇場での公演でしたが、ここは大好きです。器が小さいので、どこに座ってもA席!ちょっとシートが堅くてお尻が痛くなりますが、新国立の大劇場とは全然違う臨場感があります。修了公演ということもあって、生徒の家族や、先輩も来ていて何か華やかな雰囲気でした。

まずは、最初に伝えたいのが、演出、特に舞台美術の巧みさです。決してお金をかけているわけではなく、中央の廻り舞台に乗っている階段と高いアーチと見晴台のようなものが構成されているだけなのですが、これが、場面とともに、少しずつ廻って行きます。そこに、また、素晴らしい照明の効果で、舞台が屋外に見えたり、ジョヴァンニの邸宅に見えたりするのです。まるで、エッシャーのだまし絵を見ているような感じ。演出の粟国さんの才能が遺憾なく発揮されていました。

歌手陣では、タイトルロールの20期、野町知弘が、その明るく張りのある中音で魅了してくれました。彼は演技も素晴らしく、まさしくジョヴァンニになりきっている様子で、余裕たっぷり。そして、もう一人出色だったのが、ツェルリーナの21期の井口侑奏(ゆかな)。実に可愛らしく、色気のある歌いで、このスブレット役(侍女役)を完璧にこなしていました。今すぐにも、フィガロのスザンナでも出来そうです。これからが楽しみですね。

 あとの歌手陣は、まだ歌うのが精一杯という感じで、声の表情や演技までに充分な気を遣うことができていないようでしたが、ドンナ・アンナの和田悠花や、ドン・オッターヴィオの濱松孝行は、これから声を作り込んでいけば、素晴らしい歌手になることを予想させました。

 とにかく、この日、一日のために、相当量の練習をこなして来ただろうだけあって、完成度が高い。金曜と日曜の19期中心の修了公演もチケットを取っておけばと悔やみました。この研修所公演はチケット、すぐに完売になってしまうのですね。

ところで、2月の後半、モロッコに旅行に行って来ました。11日間でオペラ公演は無し。オペラ無しの旅行は出張を除けば10数年ぶりだと思います。なかなかエキゾチックで不思議な風景がたくさんあり、時間の流れもゆっくりしていて良かったです。カサブランカにはオペラハウスが建築中でした。こけら落としは、「アフリカの女」だったりして。また、行ってみたいところです。

さて、今月は、東フィルでプレトニョフのチャイコフスキー&ハチャトリアンと新国立のウェルテルです。
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