FC2ブログ

プロヴァンスの海と土を少し 湘南人草間文彦

二期会「椿姫」



 2月20日、東京文化会館でのマチネ、「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」に行って来ました。今週は、これで3回目のオペラ。日水木とソワレ1回、マチネ2回です。この歳(66歳)になってくると、週に3回オペラを見に行くには、ある程度体力に余力を持って備えることが重要になります。でないと公演中に寝てしまったりします。

 この日は、僕が所属する日本ヴェルディ協会が文化会館のホワイエに会員募集のブースを出しているので、開演前と休憩時間に、そこに他の会員の方と立ちました。10人位の方とお話し出来て、入会案内をお渡ししました。

 さて、この日の目玉は、なんと言っても、マエストロのサグリパンティ氏。ヴェルディ協会で講演会に招聘したりしたので、もう慣れましたが、最初は名前を口にするときに緊張してしまいました。(特に女性の方に電話で話す時、、、)

 彼の指揮は、抑揚感に溢れながら、インテンポで実にイタリアっぽい指揮で、素晴らしいものでした。音の強弱の付け方が特徴的で、登場人物の喜びや怒り、悲しみ、孤独を表すところを、音で引っ張って行く感じでした。ただ、個人的な好みとしては、やや強弱が付きすぎている感じがしました。

 舞台美術が凝っており、白い椿の花をステージに置いた形になっています。幕が進むにつれて、花びらの枚数が少なくなって、ヴィオレッタの命も短くなることを暗示していました。2幕目以降は舞台上方に大きな鏡が出て、舞台上の動きを映し出すのが面白いと思いました。椿の花とわかれば、そういうふうに思うのですが、最初に幕が上がって思ったのは、60-70年代に流行っていた、ピザレストランの「カプリ」の店内(洞窟に似せてある)のようで、ちょっとピザが食べたくなりました。

 この日の歌手陣は、若手組でした。1幕目1場は全体に緊張からか声がうわずり気味で、ちょっと心配したのですが、休憩後の2幕目のフローラの夜会からは、劇的に良くなりました。最初のほうでは高音がまとまらなかったヴィオレッタの谷原めぐみは、2,3幕目では素晴らしい歌唱を聴かせてくれました。「道をはずれた女」はグッと来ましたね。アルフレードの樋口達也も2幕目の怒りまくっている表現、3幕目で打って変わってヴィオレッタを励ます「パリを離れて」は聞き応えがありました。ヴィオレッタの最期がアルフレードの胸の中、というのは、20回以上見ているトラヴィアータでも初めてです。当たり前のように思いますが、普通は、ヴィオレッタは一人で死んで行き(あるいは生き返って行く)、それをアルフレードやジェルモンがかこんで終わるというものですが、この日の二期会の演出は新鮮でした。

 もう一つ驚いたのは、2幕目のフローラの夜会の場面のバレエで、ダンサーが男女10名出て来て、コンテンポラリーで本格的な踊りを繰り広げるのです。どこかのバレエ団が参加しているのかと思いましたが、そうではないようで、二期会で選んだようで、かなりのキャリアのダンサーも入っていました。これが迫力ありましたね。バレエの終わりには客席から大きな拍手が沸きました。プログラムに、バレエ評論家の長野由紀が3ページに渡って、ノイマイヤーのバレエ「椿姫」について書いてあるのも、今回の公演でバレエの重要性を示したものかと思いました。二期会の新しい試みでしょうか、歓迎したいですね。このようなバレエをマクベスにも入れてやってほしいです。

 木曜日のマチネでしたが、8割方は満席になっていました。とは言え、まだチケットは売られていますので、この土日の公演間に合います。是非ご覧になってください。

指揮: ジャコモ・サグリパンティ
演出: 原田 諒
装置: 松井るみ
衣裳: 前田文子
照明: 喜多村 貴
振付: 麻咲梨乃
合唱指揮: 佐藤 宏
演出助手: 菊池裕美子
舞台監督: 村田健輔
公演監督: 大野徹也

ヴィオレッタ 谷原めぐみ

フローラ 藤井麻美

アンニーナ 磯地美樹

アルフレード 樋口達哉※

ジェルモン 成田博之

ガストン 下村将太

ドゥフォール 米谷毅彦

ドビニー 伊藤 純

グランヴィル 峰 茂樹

ジュゼッペ 吉見佳晃

仲介人 香月 健

ダンサー: 千葉さなえ、玲実くれあ、輝生かなで、栗原寧々、鈴木萌恵
岡崎大樹、上垣内 平、宮澤良輔、谷森雄次、岩下貴史
合唱 : 二期会合唱団
管弦楽 : 東京都交響楽団
関連記事
スポンサーサイト



トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://provenzailmar.blog18.fc2.com/tb.php/731-222c2bf6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)